2020/11/29 -刈谷・あいおいホール[二部]- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!






【フェザー級8回戦】
冨田 真(HEIWA) vs 春口 直也(橋口)

冨田 真 20戦9勝9敗2分
春口 直也 27戦16勝(6KO)11敗 日本ミニマム級14位

1R、お互いどっしりと構え、足の動きは少ない。
懐の深い春口が、鋭く冨田を捉えるシーンが目立つ。
ラウンド中盤には冨田が踏み込んだ所を強烈にアッパーで襲う。

ラウンド終盤、赤コーナー付近での攻防ではワンツーを
カウンターで突き刺した冨田だったが、
終了直前、春口がキレのある右ストレートを
カウンターで突き刺してダウンを奪取。


2R、お互いに攻め手を潰し合う中で迎えた中盤
踏み込んだ冨田に左右を撃ち下ろして捉えた春口。
しかし直後、冨田も左ストレートを叩き込んでお返しする。
緊張感の高いスリリングな攻防。

中盤、春口が右を撃ち下すと、追撃の右ストレートで冨田が尻餅。
この試合、2度目のダウンを奪取。

再開後、コンビネーションで冨田を捉えて行った春口だが、
この局面で冨田は撃ち返し、左をカウンターで強烈に突き刺して春口を止める。
さらにロープ際での攻防で左ボディ、右ボディと突き刺すと、春口の動きが一瞬止まる。

しかしその後の攻防でも、伸びてくる春口の右ストレートが
冨田を捉える場面が何度か訪れる。

3Rもお互い僅かにパンチが届かない距離から踏み込んでの攻防。
冨田が左ストレートを突き刺せば、返す刀で春口が右フックを叩きこむ。
二つのダウンでポイントは大きく開いたが主導権は渡り切っていない。
フレーム的に冨田を上回る春口の方が距離的には有利か…
終盤は長いパンチが冨田を襲う場面が目立つ。


4R、ここまで止まっていた冨田の足が動き始めると
両者のペースが一気に上がり始める。
近距離でもしっかり頭を振り、これまで冨田を捉えていた春口の
鋭利なパンチを外す場面も多く見られるように…。
さらに強烈なボディで、時折春口の動きが止まる。

ただし、冨田の足のペースが上がるのに合わせて
春口の手数も増えており、終盤にはクリンチ際で
冨田の顔面を連続で捉える場面も。


5R、さらに足の動きが加速する冨田。
外して撃ち込む場面が増えていく…。
ここに来て、徐々に冨田がペースを握り始めたか。
しかし、既に後半…ポイント的には厳しく、冨田が勝つにはダウンが欲しいところ。


6R、近い距離をサイドに周りながら攻め込む冨田。
組み付いた場面で強烈にボディを襲う春口。
中盤、冨田がボディを叩くと春口の動きが止まる…。
徹底して下から上へと攻め始める冨田。
終盤、春口は距離を取ってこのラウンドを終える。


7R、右フックを引っ掛けながら再度に周り、さらにボディも襲う冨田。
しかし、組み付いた場面…距離がない中で腕を折りたたんだ春口の
撃ち下ろしやアッパーも強烈に冨田を捉える。
それでも冨田はその距離へと進み、しつこくボディを叩いて行く。
ラウンド終盤、コーナー付近で冨田が強烈に左ストレートを撃ち込む場面を作る。


8R、倒さなければ勝ちのない冨田。
上を狙いたくなる局面だが、組み付くような距離でしきりにボディを叩き
更に一瞬下がって距離を作ると顔面を捉える場面も。
そんな冨田に対し、腕を折りたたみ、変わらず鋭利に襲う春口。
終始近い距離での攻防…最後の最後まで展開は変わらず試合終了のゴング。

 

マイジャッジ

77-73 春口


公式ジャッジ
77-73

79-72
76-74


3-0
勝者 春口


ミニマムと言う極限に体重を削ることが要求される階級で春口のフレームは武器の一つ。
長い距離を制す腕を持ちながら、今日のような密着戦でも巧さを見せる。
どのパンチもキレがあり…はっきりと強さを感じさせてくれた。
日本ランカーでありタイトル挑戦経験者。
その実力をはっきりと誇示したように思う。


序盤、足が動かない中、真っ直ぐ下がったところで浴びた二つの右ストレート。
20戦を戦いKO勝ちのない冨田にとって、ここでの4P差は大きかったように思う。
しかし、そこから後半、足が動き始めるとボディを効かせ、
逆転さえ匂わせる展開に持ち込んだ。

負けの多かった4回戦時代から、徐々に徐々に実力を上げ、
自分のボクシングを確立し、一時は日本ランキングにまで顔を連ねた。
まるで冨田のこれまでの道のりを見ているようだった。
敗れはしたが、実力ある日本ランカーに対し、後半の戦いぶりは互角以上。
これで4連敗となったが…、まだまだ期待したいと思っている。

コロナが流行する中、大声での声援が禁止されていた会場。
この疫病の猛威が収まり、また刈谷が熱い声援で溢れるころ…。
客席の声援に乗ってコーナーを飛び出していく…。
そんな冨田の姿がまた見たいと思った。

 

 

 

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