2018/6/17 -刈谷あいおいホール- 6試合目、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■中日本ウェルター級新人王準決勝
【ウェルター級4回戦】
山田 泰之(平石) vs 廣中 大介(とよはし)
山田 泰之 2戦2敗
廣中 大介 デビュー戦
1R、デビュー戦の廣中が圧力と手数で一気に攻めてかかる。
密着して細かく細かく撃ち込む廣中、対する山田も頭を着けて撃ち合うが、圧力に押し込まれていく。
ラウンド中盤、廣中の手数の中でショートが決まって山田がダウン。
再開後も細かく攻め立てる廣中、追い込まれる山田だったが起死回生の左フックが廣中の顎をエグる。
クリンチで逃れた廣中、ダメージの回復を待って、また手数で責めたてる。
2R、廣中の圧力と手数の前に防戦一方になる山田。
山田は押し込まれてバランスを崩しながらになり、力のこもったパンチを撃ち返していけない。
かなりの運動量…廣中はどこまで続くのか、馬力、スタミナがえげつない。
3R、延々と続く廣中のラッシュ、右フックが強烈に山田を捉えていく。
手の出なくなった山田に対し、ここでようやくレフリーが試合をストップ。
TKOタイムは3R 0分45秒
山田は、ダウンを奪われたラウンド、猛烈な手数の嵐の中で廣中を効かせた左フックが印象的だった。
序盤に効かされ、手数と圧力に飲み込まれていった山田だったが、もらうこと覚悟で撃ち抜いた一撃。
これでデビュー3連敗となったが、あの一撃がある限り、見る側に最後まで試合を投げさせない魅力を感じる。
少し休んで、もう一度…ボクサー定年まであとわずか。
限られた時間でドラマを刻んで欲しいと願う。
廣中のスタミナに驚かされた…あのファイトを4R続けられるとしたら誰にとっても脅威になるはず。
試合は3R前半で終わったが、果たして試合終了まであのラッシュを続けることができたのだろうか。
もしできたとしたなら…、勝ち上がっていく選手に思える。
この先、負けるような試合でも、簡単には負けない…そんな武骨な印象を受けた。
廣中の決勝の相手ははアマチュアの社会人選手権で3度、3位に入り、
先日のプロデビュー戦では鮮烈な1RKOを見せた松井 敦史(薬師寺)。
半端な相手なら松井が圧倒すると思っていたウェルター級の決勝。
デビュー戦の廣中は…半端な相手ではないように思える。
松井のパンチ力か、廣中のスタミナか…種類の違う、力と力が激突する。
これで今年の中日本新人王準決勝がすべて終了。
決勝のカードが全て出揃ったこととなる。
この日はあとオープン戦が2試合。
セミファイナルでは不戦での中日本新人王獲得となり、
9/30に中日本・西部日本新人王対抗戦に挑むブル 弘師(トコナメ)が
未勝利ながら猛烈なファイトが売りの栗原 祐樹(和光)と対戦。
ファイナルでは矢吹 正道(緑)が世界ランカーのヒルベルト・ペドロサ(パナマ)に挑む。
ここで、二人の選手がリングに上げられる。
8/10、初めて後楽園ホールに乗り込む力石 政法(緑)。
名古屋でその名を轟かせる男が、東京にその名を響かせに行く。
相手はインドネシア人になるとのこと…。
数多くの日本人選手達に声をかけたが、運悪く対戦相手が決まらず、
インドネシアから呼び寄せる形になったそうだ。
続いて登場したのが丸木 凌介(天熊丸木)。
8/24に後楽園ホールで元日本・元OPBF東洋太平洋王者の渡部 あきのり(角海老宝石)を相手に
日本スーパーウェルター級暫定王座決定戦に挑む。
5月の日本王座挑戦では、1Rにダウンを喫するものの、後半に盛り返す。
わずか1P届かなかった接戦で涙を飲んだ。
どうか中日本に日本王座のベルトを持ち帰ってきて欲しい。
背中を丸めてガッチガチに緊張する力石には少々驚いた。
試合に挑む威風堂々の力石とはまるっきり正反対だ。
こういう場面が見れるのも現地観戦の魅力。
二人のマイクが終わり、セミファイナルが開始される。
【Lフライ級4回戦】
ブル 弘師(トコナメ) vs 栗原 祐樹(和光)
ブル 弘師 3戦1勝(1KO)2敗
栗原 祐樹 3戦3敗
1R、序盤から前に出て行く栗原。
ガードの上からでも猛烈に打ち込んでいくが、
対してブルは栗原の猛烈な手数の合間にパンチを差し込んでいく。
もらいながらも止まない栗原の攻撃に、ラウンド後半に進むにつれ、
栗原のパンチがヒット率が上がっていく。
…栗原が飲み込むか。
2R、その名の通りブルファイトを見せてきたブルが、ガードをしっかり上げ
ポジションを変えながら丁寧に戦う…姿にこれまでとの変化を感じる。
これまで猛烈に撃ち合いながら負けが先行したブル…戦いながら磨かれてきている。
ラウンド中盤、逆に押し返し始めたブル。
栗原の顔面を何度も跳ね上げ始める。
栗原も負けずに撃ち返して、ブルの顔を跳ね上げるシーンを作るが
足元をフラつかせ、ダメージを露わにしてしまう。
3R、ダメージと疲労と…ズルズルに疲弊しながらもひたすら前に出ながら手数を出していく栗原。
ガードへの集中を解かず、ポジションを変えながら丁寧に撃っていく。
そんな中で栗原がボディを叩いていくと、ラウンド中盤からは撃ち合いに。
栗原はもらい過ぎているか…ダメージの蓄積が大きいように思える。
4R、撃ち合いで手数勝負となり…激しい攻防に栗原の口からマウスピースがこぼれ落ちる。
中盤、ブルの右クロスが炸裂し、ヨタヨタとロープに後退した栗原。
ここで一気に詰めたブルがラッシュを浴びせ、レフリーが試合をストップ。
TKOタイムは1分33秒
デビュー以来3連続KO負けとなった栗原。
どの試合も猛烈に撃ち合いながらのKO負け。
全敗ボクサーではあるものの揺るがない彼のスタイルは魅力的だ。
どうか、彼がリングの上で手を上げる姿を見てみたいと思う。
ブルは、特攻型で撃ち合う姿から変貌を遂げたように感じる。
栗原との試合はてっきり最初から最後までの猛烈な撃ち合いになるものだと思っていたが、
そうはならなかった。
ガードをしっかり上げ、守りの意識をしっかりと保ち…勝てるボクサーへと変化して行っている。
まだまだ、ディフェンスに粗さは感じるモノの、このままいけば…。
ミニマム級で新人王にエントリーしているブル。
中日本新人王はエントリー一名での獲得。
中日本・西部日本新人王戦への出場が決まっている。
相手は西部日本新人王の竹田 宙(S&K)。
なかなかの評判が漏れ伝わってきてる。
決戦は9/30…3カ月間の間に、どれだけブルが自分を高めていけるのか…。
不戦での出場とは言え、「俺達の代表」には変わりない。
敵地九州で、西軍代表決定戦の出場権をもぎ取って来てくれることを期待する。
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