2024/8/12 -愛知・名古屋国際会議場- 第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/8/12 -愛知・名古屋国際会議場- 第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフライ級8回戦】
坂井 涼(畑中) vs 久保 春平(パンチアウト)

緊張感高く見合う立ち上がり、先に積極的に前の手を飛ばして来たのは久保の方。
ガードを高く上げる坂井だが、合間を縫ってパンチが入ってくる。
ラウンド中盤より坂井がジャブを飛ばし始める。
バッティングに対する注意で仕切り直しになった後は坂井の左が続々とヒット。

2R開始直後、攻めにかかって来た久保に対し、
高速の攻防の中、坂井が右フックを突き刺してダウン奪取。
バッティングで右目上をカットしたか、頭に対して3度目の注意。

3R、至近距離の左フックを続々と突き刺す久保。
ボディへのストレートから左フックのコンビネーションが何度も坂井の顔面を捉える。
先に先に手を出す久保、坂井のジャブの引きにも入り込んで至近距離のフックを叩き込む。
坂井は左ボディを撃ってサイドにまわるが、久保がそのボディに右ストレートを合わせる場面も。
安易に撃ち出せばそこは逃さない…レベルの高い戦い。

4R、久保のコンビネーションをしっかりガードで受け止め、
手がやんだ所で強烈にボディを撃ち込んで行く坂井。
坂井が手を出したところに、久保がコンビネーションで捉える場面もあるが
ラウンド終了間際には坂井が久保の撃ち終わりに小さいパンチを纏めてみせる。

5R、両者ガードを高く上げて足を止めての撃ち合いに。
久保がガードの脇をフックで叩けば、坂井がガードの下を滑り込ませてボディを叩く。
坂井のボディに、体をくの字に折る久保。

ガードを割ってパンチを捻じ込む久保。
ガードの隙間を縫うように小さくパンチを纏める坂井。
目の下を大きく腫らせた久保、裁定はヒッティング。

6R、坂井がボディを強烈に叩き、顔面をコンパクトに捉えて行く。
久保は劣勢の状態の中でボディも効いているか手が出て来ず。

7R、試合も後半、坂井はこのラウンド、少し休んでいるか、
ガードを固めて時折ジャブを飛ばす坂井。
久保がボディから顔面へのストレートでヒットを奪う。

ラウンド後半にはまた連打で久保の顔面を襲う坂井だが
安易に手を出せば、久保が強烈な左フックで坂井のアゴをえぐりに来る。

8R、試合中にレフリーが足を負傷して中断。
再開後、試合終了に向けた二人の撃ち合いは熱を増す。

マイジャッジ 77-74 坂井

76-75 坂井
77-74 坂井
78-73 坂井

3-0 坂井

試合前には圧倒宣言していた坂井。
ダウンを奪っての完勝ではあったが、圧倒とまではいかなかった。
坂井も久保も「全日本新人王の凄み」を見せた試合。

4回戦では強すぎて戦う相手がいないと言われた坂井も、
A級の舞台では久保の左フックを何度も痛烈に被弾。

思惑通りにはいかなかった試合ではあったと思うが、
強い相手とフルラウンドを戦い、観客に面白い試合を提供した。
結果としてもしっかりと勝利を勝ち得た。
プロとして質の高い戦いを演じたように思える。

連敗脱出とはいかなかった久保だが、間違いなく強い選手だった。
前半、ダウンを奪われながらも拮抗した試合を演じていた。
またランキングに舞い戻る実力はしっかりある選手。

東日本の熾烈なA級戦線で、今後どんな戦いを繰り広げて行くのか…
注目したいと思わせてくれた。

坂井 涼 8戦7勝(3KO)1敗
久保 春平 12戦7勝(5KO)4敗2分

 

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