2024/11/03 -富山・富山産業展示館テクノホール- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【バンタム級4回戦】
湊 直也(カシミ) vs 松橋 大空(北海道畠山)
サウスポーの湊に対し、距離を潰してファイトにかかる松橋。
ラウンド中盤、ミドルレンジで右ストレートをヒットさせた松橋。
下がった湊を追いかけて左フックをヒットさせるとロープに詰めてラッシュ。
ロープに寄りかかり、湊の腰が落ちたところでレフリーがロープダウンを宣告。
再開後、仕留めにかかる松橋。
手を返し、撃ち返す湊だが、松橋の右フックが痛烈にヒットしたところでレフリーがストップ。
TKOタイムは1R 2分56秒
サウスポー相手に距離の駆け引きをさせず、
詰めていってファイトの時間を多く作った松橋。
効いたと判断した時点で一気に攻め込んでダウン奪取。
再開後も反撃にひるまず、レフリーストップを呼び込んだ。
スタミナに不安があれば、前半のラッシュは博打になりかねない。
あの場面で思い切り攻め込める姿に、練習量の裏打ちを感じた。
好選手に成長していってくれることだろうと思う。
湊にとっては固いまま飲み込まれたデビュー戦だったように思う。
リングには足の裏以外触れぬままのダウンとストップ。
まだまだこれからの思いもあっただろうと思う。
ただ、この日戦った相手は間違いなく、強い選手。
プロボクサーの敗戦数は「自分より強い相手と戦った数」。
この日、プロの世界に飛び込んで、勇敢に「プロ」と対峙した。
まずはそこを自信にしてほしいように思える。
もちろんだが、今が湊の強さのピークではないはずだ。
出し切れていないものもあるはずだ。
「湊 直也」何たるか…それが見れる日を楽しみにしている。
湊 直也 1戦1敗
松橋 大空 2戦2勝(1KO)
【フェザー級4回戦】
硲 翔大(カシミ) vs 千本 耕也(北海道畠山)
先にビッグヒットを奪ったのは千本。
詰めていく千本だったが、硲が攻め込まれながら
サイドに回っての右フックでダウンを奪取。
再開後はファイトへ。
再開後、コンパクトに撃ちこみ硲が優勢に進めるかに見えたが
ラウンド終了直前には千本がコンビネーションをたたいて巻き返す。
2Rは開始直後から攻めていった千本。
ボディめがけてもうラッシュのさなか、硲が左フック一閃。
千本がこの試合2度目のダウン。
立ち上がった千本だったが、レフリーは試合続行を許さず。
TKOタイムは2R 22秒。
好戦的に攻めていった千本に対して、落ち着いて反撃した硲。
1度目に硲が奪ったダウンは技ありのもの、
2度目のダウンはボディへのラッシュを受ける、空いている場所へ打ち込んだもの。
いずれもしっかりと体が反応しているように思えた。
体に染み込ませたものがあってこそ…そんなKO劇に見えた。
先にダメージを与えた場面、攻め込んだところをとらえられた千本。
さらに下半身をどっしり据えてのボディへの猛ラッシュ。
並の相手なら飲み込んでおかしくない展開。
攻めどころも間違いではないはずだし、攻撃力はしっかりあるように見えた。
硲がしっかりと反応してのこの結果、千本が弱くて負けた試合ではないように思える。
まだまだ強くなる選手…大幅負け越しだが、力はあっても結果がついてこない選手は多くいる。
負けに負けるな、自分を信じろ…そんなエールを送りたくなる戦いぶりだった。
硲 翔大 1戦1勝(1KO)
千本 耕也 5戦1勝(1KO)3敗1分
【52.5kg契約4回戦】
木内 翔太(カシミ) vs 名和 祐輔(岐阜ヨコゼキ)
ぐいぐい攻めていく名和。
ジャブで遠ざけようとする木内だが、名和はしつこく前進。
木内の体がずれるほど強く名和の右フックが突き刺されば、
鋭く木内の右ストレートが名和をとらえる。
名和が圧力をかけながら攻め、木内が撃ち込むスペースを作りながら戦い、
強打の応酬が繰り広げられていく。
2Rには木内が手数を増すも、名和はガードを固めて前進。
3Rには名和がボディを重ねて木内の消耗を誘う。
ダメージ、疲労…疲弊していく木内。
とにかく攻め続ける名和。耐えながら返す木内。
粘闘の言葉がふさわしい戦い、一発で終わっておかしくない強打が飛び交う中
シルエットのよく似た二人が粘りつくして試合終了のゴング。
マイジャッジ 40-36 名和
40-36
39-37 ×2
3-0 勝者:名和
前戦の1勝の自信を得て、名和がはっきりと強くなった。
「現役医師」という肩書にそぐわぬ泥臭さ。
前に前にがむしゃらに進んでいき、相手を削り、飲み込んでいく。
強さとともに、ボクサーとしての魅力を発散させたこの試合。
見事なKO勝利を挙げた前回以上に輝かしい戦いぶりだったように思えた。
終始続く名和のしつこい攻めに、木内はしっかりと出し切った。
前戦で出し切ることさえかなわなかったように見えた敗戦。
折れることなく、木内が木内であり続けた。
試合後、会場からは「勝たせてやりてぇ…」とファンの声が漏れていた。
勝つまでやれば必ず勝てる。
木内翔太という魅力的なボクサーが、木内翔太のまま初勝利を挙げる瞬間を楽しみにしている。
木内 翔太 4戦4敗
名和 祐輔 5戦2勝(1KO)3敗
【スーパーフェザー級4回戦】
中村 永遠(トヤマ) vs 西村 翔馬(岐阜ヨコゼキ)
立ち上がりから動きがよく、テンポよく攻め込んでいく中村。
そんな中で西村のカウンターが火を噴く。
一撃でのダウンを喫した中村だが、再開後の西村のラッシュをガードで乗り切ると
1R終了間際の撃ち合いを撃ち勝って2Rへ。
お互いに撃ち終わりをとらえるシーンも目立つ中、
先に出す手は西村のほうが多く、積極的に積極的に前に出る。
西村の手がやむと中村がコンビネーションを撃ちこんでいくが、
西村は撃ち終わりのカウンターを返して譲らず。
劣勢の展開に攻撃の厚みを増してきた中村、西村の強烈なボディも目立つが
中村のコンビネーションで撃ちこむ手数が上回る。
ラウンド中盤以降はポイントリードしている中村のほうが
西村をロープに押し込んで手数で中村を抑え込んでいく。
逆転にかけてコンビネーションを飛ばす中村を
押し込んで攻めで抑え込んでいく西村。
そんな中、至近距離で振った西村のアッパーに中村が左フックを一閃。
よろめいてリングに沈んだ西村。
立ち上がるのものの足元おぼつかず、レフリーは試合をストップ。
TKOタイムは4R 1分ちょうど。
残り2分…勝利を逃した西村だった。
無理して攻める必要はなかったかもしれない。
ただ、そうなれば逆転を狙う中村の猛攻に襲われただろう。
結果、一撃の逆転に沈んだが、攻めに出た選択は間違いではなかったと感じた。
ただ、あの一撃を撃ちこんだ中村がすごかっただけ。
これまでの2勝は「勇敢に攻めた西村」がもたらせたもの。
この負けで、気持ちが後ろを向かないことを願いたい。
デビューから立て続けの大逆転KO勝利。
「持っている」は重要な要素。
苦戦した事実をもとにより強く、そしてこの勢いを大事に勝ち進んでほしい。
秘境トヤマにスターの卵が現れた。
中村 永遠 2戦2勝(2KO)
西村 翔馬 7戦2勝(2KO)4敗1分
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