2024/11/03 -富山・富山産業展示館テクノホール- 第5試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/11/03 -富山・富山産業展示館テクノホール- 第5試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【52Kg契約4回戦】
渡邉 銀海(トヤマ) vs しゃかりきロビン 柊野(SRS)

渡邉が積極的に左右の拳を振っていく立ち上がり。
撃ち合いに巻き込んでいくが、1R中盤以降は見合う展開の中
柊野がジャブを飛ばしながら、強烈なカウンターをヒット。

2Rにはリングを大きく使う柊野に渡邉が攻めあぐねる。
ジャブを飛ばし続ける柊野、ラウンド終盤には渡邉が攻め込むが
柊野がからめとって攻めさせず。

3R、遠い距離に位置どられ、攻め込めない渡邉。
不用意に攻め込んだところで右のカウンターを浴びた渡邉。
一気に攻めて出る柊野、押し込んでいくが、
渡邉がクリンチを繰り返してなんとか窮地を逃れる。

疲弊もダメージもあるか、押し合いにこらえきれずに
渡邉がリングに手をつく場面も増える。

最終ラウンド、攻め込んだ渡邉だが、体を入れ替えられ柊野のラッシュを浴びる。
その後も押し込まれ続ける中、柊野の右ストレートを痛烈に被弾したところで
渡邉側のコーナーからタオルが投げ込まれてのTKO。

TKOタイムは4R 1分15秒

猛烈に攻め込んだ渡邉だったが、2R以降は足を使った柊野を捕まえられず。
3Rの痛烈な被弾の後、攻め込まれた場面ではクリンチに逃れるほかなかった。
柊野に翻弄され、展開を握られ続けた末、
やれることを失ってのタオル投入はコーナーの英断だったように感じた。

まだ10代…されどもう4戦目、時間はすぐに過ぎ去っていく。
この完敗から、渡邉がどう立ち上がるのか。
渡邉が一皮剥ける瞬間が見たい。


またも、中日本の地で相手を翻弄し、完勝を収めた柊野。
立ち上がりに襲い掛かった渡邉の荒々しい攻めに巻き込まれず、
足を使って立て直すと、カウンター一閃。
ダメージを与えてから攻め込んで、渡邉に選択肢を失わせた。

コーナーに詰まったところでの体の入れ替え、
追ってこないと見るや、安全圏からジャブを飛ばし続け、
不用意に入った相手を逃さずに浴びせた一撃、相手を弱らせてから攻め込むリスクヘッジ。

秀でたものがあるわけではないが、とにかく丁寧で地味な上手さが試合で出せる。
冷静に的確な選択をしていく姿は、「負けにくいボクサー」への成長を予感させる。
前戦からの成長もすさまじく、明らかに強くなる選手が歩む道に乗っているように思える。

次を見れるのがどれくらい先か…、より強くなった柊野を期待していたいと感じる。

渡邉 銀海 4戦1勝3敗
しゃかりきロビン 柊野 4戦2勝(1KO)2敗

 

【53.4kg契約6回戦】
藤野 零大(カシミ) vs 若木 フルスイング 忍(北海道畠山)

 

フレームで一回り上回る藤野に対し、入るタイミングを探る若木だが
中盤、突っ込んで流れたところに藤野の左フックが突き刺さる。
一気にパンチをまとめるも、若木はクリンチで無理せず対処。

リーチ差のつぶれる至近距離でも藤野のショートが若木の顎をえぐる。
危険を察知すればすぐにクリンチに逃れてリスクを削り
上が当たらなければボディをを叩く若木。

フルスイングの名の通り、思い切り振りこみながら飛び込む若木。
それをしっかりと外しながら、強打を叩きつける藤野。
後続打をクリンチで防ぐ若木。

3R中盤、若木が大きく振って流れたところを逃さず
藤野が左ストレートを突き刺し、コーナーに吹っ飛んだ若木。
レフリーはロープダウンを宣告。

ダウンを奪わなければ苦しい展開となった4R、
足を止めての駆け引きの中、若木のショートが藤野をとらえる場面も。
スイッチを繰り返す藤野、サウスポーに構えたところに若木が飛び込むと
頭が激しく当たる頻度が増え、レフリーが若木に厳しめに注意。

攻めるしかない若木がトライを増やすが、藤野は当てさせず。
タイミングよく強打を突き立てていく。
打開策の見えないまま、残り3分へ。

最終ラウンドも形は変わらず。
若木もスイッチして左を大きく振るうなど試みるが
藤野は乱れず、崩れず、動じず…。
主導権を握り続けて試合終了のゴング。


マイジャッジ 59-54

公式ジャッジ 59-54×3

 

北海道から迎えた強敵を藤野が完封した。
東日本新人王を北海道から制した若木、スーパールーキーのデビュー戦にも対峙した。
下馬評不利の試合も踏んだ。

リーチ差のある中、飛び込むしかなかった若木。
藤野がサウスポーに構えると、頭が何度も衝突したが、ラフな展開にも崩れず。
遠い距離でも近い距離でも上回った。

若木のチャレンジは続いた。
スイッチする藤野に対し、若木も左構えにする場面もあったが、藤野は乱れず。
わずか6戦の選手が、日本ランカーとして堂々迎え撃ち、完璧にはじき返した。

ボクシングは相対的なもの。
藤野の戦いぶりに若木の強さはスポイルされたようにも思えた。
「あの」若木にこの戦いを演じた。
どんな理屈より、この事実がこの試合のすごみに思える。

これで藤野はA級昇格。
日本ランカーとしての風格を堂々まとったうえで、さらに高いグレードへと登っていく。

藤野 零大 6戦5勝(3KO)1分
若木 フルスイング 忍 9戦4勝(3KO)4敗1分

 

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