2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- 第4試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■2023年度中日本スーパーフェザー級新人王準決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
新田 晃生(カシミ) vs 中尾 公信(鈴鹿ニイミ)
新田 晃生 デビュー戦
中尾 公信 4戦1勝(1KO)3敗
圧倒的なスピード差で的確に中尾を捉えていく新田。
次々と的確に中尾を襲っていくが、タフな中尾はびくともせず
密着した場面で拳を捻じ込んで行く。
2Rに入ると頭を付けての撃ち合いの時間が増える。
その分、中尾が拳を捻じ込むシーンも増えるが、近い距離でも
着いて離れて巧さを発揮する新田。
ラウンド中盤、中尾が右に右を合わせるカウンターを炸裂させる。
これまでの4戦で魅せたことのない新たな武器。
3R、押し合いながら撃ち込む隙ができれば拳を捻じ込み合う攻防。
ラウンド中盤、今度は新田が強烈な右のカウンターを炸裂させる。
その後は新田が足を使う時間も増え始め、中尾が突き放され始める。
4R、序盤の攻防で中尾の右カウンターがヒットする場面。
しかしその後は、近距離での撃ち合いの中、ポジションを変えながら新田が巧みに打ち勝っていく。
試合はそのまま終了のゴング。
マイジャッジは39-37で新田。
39-37、40-36×2
3-0 勝者:新田
これまでにはなかったスピードを見せ、しっかりと新田のボクシングに対抗した中尾。
さらに、タフネスを背景に相撃ち覚悟で撃ち込む右ストレートには脅威を感じる。
基本機能も上がり、さらに新たな武器を携えた…これまでと比較してランクアップしたように思えた。
飛び抜けたタフさ然り、実は多くの才に恵まれた選手。
その体に今後どれだけのモノを搭載して行けるか。
これからもその戦いぶりを楽しみにしていきたい。
デビュー戦の新田が終始主導権を握り続けた試合。
この試合が初見となったが、スキルではこのトーナメントでダントツに思える。
タフすぎる中尾が相手だった為、相手をグラつかせるようなシーンは産まれなかったが
中尾でなければKOもあり得た…と思えるほど、痛烈に強打を叩き込み続けていた。
これで8/20の決勝に進出。
あと1勝で各地の新人王との対決に挑むこととなる。
4R戦い切った経験が、KOを刻むよりもいい結果を産んで欲しいと感じた。
■2023年度中日本スーパーフライ級新人王準々決勝
【スーパーフライ級4回戦】
藤野 零大(カシミ) vs 岩永 翔太(タキザワ)
藤野 零大 デビュー戦
岩永 翔太 4戦1勝3敗
これまで以上にスピードに乗った岩永。
また強くなってきた…そんな印象を与えた直後。
藤野の左が岩永に炸裂。
後ろ倒しにダウンした岩永、テンカウントをゆっくり使って立ち上がる。
冷静に反撃の準備を整えるように…、さぁ仕切り直し…
そんな表情を浮かべた直後、レフリーは手を交差。
無情にも試合は続行不能とされここでストップした。
TKOタイムは1R42秒。
出会い頭の一撃ではない。
短時間ながらお互いにフェイントをかけ合いながら、
不意を突くように深く深くえぐり刺した左。
とんでもない奴が現れた…相手が岩永だからこそ、その思いが強まる。
犬塚 音也(松田) vs 高島 瑛滉(トヤマ)の勝者と対戦する。
犬塚包囲網と表現したこのブロック。
今年の新人王大本命を止めるビッグドラマが現実味を帯びたようにも思える。
瞬間スポーツのボクシング。
瞬間を制したものが勝利を掴む。
たった一瞬で、それまでの何か月もが…タイトル戦ともなれば何年もが水の泡と化す。
この試合もそんな試合。
ただ、そんな瞬間スポーツだからこそ、たった1分未満の試合にも濃厚なドラマが刻まれる。
短時間の間に岩永は明らかに強くなっている姿を見せた。
まだまだやろうとしてたこともあるだろうと思う。
それは見れぬまま、この日の試合は終わった。
「アタシをこんなにしておいて、このまま終わりなんて許さない」
次の試合を楽しみにしている。
■2023年度中日本フェザー級新人王準決勝
【フェザー級4回戦】
高田 力弥(カシミ) vs 石崎 大二朗(平石)
高田 力弥 3戦1勝2敗
石崎 大二朗 デビュー戦
アウトボクシングを試みる高田に対し、石崎が詰めていく。
やりたい距離を維持できず、苦しい展開の中、下がりながらも時折カウンターをヒットさせる。
多彩なパンチをセレクトする石崎。
フラットに適切なパンチを叩き込んで行く…余裕さえ感じるデビュー戦とは思えない戦いぶり。
ラウンド終了直前、石崎の右ストレートが高田を捉えてダウンを奪取。
立ち上がったところでラウンド終了のゴング。
2R、前の手の攻防が繰り返される中、高田の足がサイドへと回り始める。
伴ってジャブも機能し始め、肩越しの右ストレートも突き刺さる。
中盤強引に石崎が詰めた場面もあったが、捕まえきれず。
3R、高田が前後の動きになると撃ち合いの場面が増える。
選択肢の多さ、パンチの種類の多さで石崎が上回るか。
それでも意地を見せるように、高田が左ボディから右ストレートを突き刺してラウンド終了。
4R、ダウンを奪われている高田がより好戦的に出て行く。
撃ち合いの中で、パワーに勝る石崎が上回っていく展開。
試合終了目前まで迫った頃、石崎の右ストレートがカウンターで炸裂。
綺麗なカウンターで痛烈に決まった一撃。
尻餅をついた高田にレフリーは即座に試合をストップ。
TKOタイムは4R2分12秒。
高田の足がサイドにまわる場面では、石崎の手数は激減した。
あの時間をどれだけ増やすことができるか、さらにサイドに周りながら相手にどうダメージを刻むか。
この試合でも、高田はしっかりと自身のストロングポイントを見せている。
3つの負け越しを刻んだが、まだまだ途上にも思える。
長所がある選手なだけに、それをどう活かしていくかに注目していきたい。
石崎のパンチの選び方は出色。
相手、展開に合わせてパンチを選んでいく姿にはたっぷりの自信を感じる。
落ち着き払ったたたずまいも含めて、次も期待。
8/20の中日本新人王決勝では輝ける左ストレート、
太田 彩千耶(中日)が立ちはだかる。
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