2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【女子アトム級4回戦】
石黒 紗良(トヤマ) vs 田戸 心乃(トコナメ)

石黒 紗良 1戦1勝
田戸 心乃 デビュー戦

ガードを固めて前進していく田戸に対して、
距離を維持しながら綺麗な左ストレートを突き刺していく石黒。
頻繁に田戸の顔面が跳ね上がるが、怯まず前進し続ける。
1R終了直前には、貰いながら詰めて、田戸のパワフルなパンチが立て続けに石黒の顔面を捉える。


2R開始直後、入ろうとした田戸に
石黒の左ストレートがジャストミートして尻もちをつくダウン。
再開後も前に出続ける田戸…
石黒が応じる場面も増え撃ち合いになるが、綺麗に捉えるのは石黒の方。
近い距離でも石黒が上回るか…。

貰いながらもがむしゃらに攻め続ける田戸。
ガチャガチャとした展開の時間が増えていき、
強引にも見える右フックが石黒を捉える場面が増える。


3R、開始直後から一気に攻め込んで行く田戸。
強烈に右が捉えたと思った刹那、反撃に転じた石黒が次々にヒットを奪っていく。
連打にさらされる田戸…撃ち返してはいたが、石黒の強烈な左で顔が跳ね上がったところ、
レフリーが割って入って試合をストップ。


TKOタイムは3R27秒


がむしゃらに攻め込む田戸のボクシングは、「トコナメらしい」ボクシング。
勇敢に攻めこんで行くそのボクシングは、
トコナメの選手たちが刈谷の多くの観衆を熱くさせて来たもの。
もらっても決してひるまず、前へと突き進む…
また女子ボクシングに強烈なキャラクターが現れたと感じる。


被弾はあっても、強烈に左ストレートを叩き込み続けた石黒。
綺麗な選手ががむしゃらなボクシングに巻き込まれるケースが多くなっている中。
距離を維持しながらも攻撃的に戦って、飲み込まれることはなかった。

攻撃的な姿勢が崩れれば、攻めたい相手は勢いに乗るもの。
これでデビュー2連勝、中日本女子の中心的選手になっていく姿も想像できた。

 

【女子フライ級4回戦】
福岡 恋緒那(カシミ) vs 福家 由布季(三迫)

福岡 恋緒那 1戦1分
福家 由布季 1戦1勝

開始直後から前進してくる福家に対し、
下がりながら出入りし、コンビネーションを撃ち込む福岡。
的確に捉える福岡だが、福家は全く止まらずにしつこくしつこく前に出る。
福家が強烈にボディを捉える場面も目立つ。


2R開始から足を止めて撃ち合う福岡。
頭を振って外してはいるが怒涛の手数に攻めるタイミングを減らされる。
的確さでは福岡が上回り、手数では福家が圧倒。
激しい撃ち合いの中、見栄えは福家のボディが痛烈な印象を残す。


3R、激しい撃ち合いの中、福岡が削られて来たか。
中盤から手数が一気に減り、一方的に手数を出し続ける福家の拳をいなし続ける展開。
体をくの字に追ったところを上から押さえられ、力なくリングに手をつくシーンも増える。


4R、開始直後から撃ち合う二人だったが、福家の止まらぬ連打に飲み込まれていく福岡。
プッシングでリングに手をついた中断のタイミングで、レフリーは試合終了を宣言。
一方的となった展開で、福家のTKO勝利を言い渡した。


福家のボクシングを見て、干場 悟(蟹江)の姿が浮かんだ。
豊富な手数と止まらない前進で数々のテクニシャンを削りに削って地獄を見せる…
一見不器用そうに見えても、相手にとっては支極厄介。
強い強い選手だった。


福岡は2戦未勝利…この日は相手が強すぎたとも思える。
初勝利に向けて持ち合わせるスペックは充分。
今回は消耗したが、スタミナ不足ではなく相手の展開に巻き込まれてのものと思える。

前に出る相手をどう止めるか、今回を踏まえてどう変化していくか。
次の試合に注目したいと思う。

 

【49.5㎏契約4回戦】
茶木 努(カシミ) vs 渡邉 銀海(トヤマ)

茶木 努 1戦1敗
渡邉 銀海 1戦1敗

ゴングと共に突撃した渡邊。
強引に振り回す中、強烈な右が茶木を捉える。
反撃の被弾を受けても何のその、ボディから顔面へ。
怒涛の攻めを見せて行く。

しかし、1分を過ぎた頃か、渡邊の勢いはいったん止まる。
コツコツと叩く茶木の拳が刺さる場面も。


2R開始直後、このラウンドも突撃する渡邊。
左右のフックを叩きつけグラつく茶木だったがなんとか耐えきる。
すると渡邊の勢いも弱まり、中盤以降は茶木がコツコツとショートを突き刺す。
被弾した渡邊が後退する場面も。


3R、静かに立ち上がったこのラウンド。
茶木がジャブを突き刺し、渡邊がボディをえぐる。
ラウンド中盤、茶木のおびただしい鼻血とマブタのカットにドクターチェック。

渡邊にとって恵みの休息となったか、
試合再開直後、一気のラッシュを仕掛けて見栄えのいいシーンを作る。
ラウンド終盤には茶木がコツコツと叩く中で右のショートをヒットさせて渡邊をグラつかせる。


4R、両者疲弊する中、茶木がショートで渡邊をグラつかせる場面を作るが続かない。
お互いに苦しい中、お互いが体を預け合いながらの攻防。
出し尽くすように向かい合っての試合が終了のゴング。


マイジャッジは38-38のドロー。

公式ジャッジは38-38、39-37、40-36。
2-0で渡邊が初勝利を掴んだ。

 

大きく振れば強烈なパンチとなるわけではない。
小さく鋭く振り抜いていく茶木のパンチは何度も渡邊を痛烈に捉えた。
振り回して怒涛のように攻める渡邊に付き合うことなく、小さく小さく叩いて行った。

消耗から手数が出なかった部分で敗戦を喫したものの
自分のボクシングを貫いていく強さを感じさせてくれた。
きっと届くだろう初勝利の瞬間を楽しみに待ちたい。


ペース配分を考えない玉砕戦法で飛び掛かっていった渡邊。
倒せなければ負け覚悟の戦法だったが、茶木の消耗を誘って判定での勝利を手中にした。

倒しに行く場面、どうしても顔面ばかり狙いがちになるもの。
渡邊はボディから入っていった。
この選択ができる姿には度胸とセンスを感じる。

結果それが茶木の消耗を招いたようにも思える。
オーバーペースでスタミナ切れしながらも、ボディで茶木を道連れにした格好に見えた。

ただし、今回の玉砕戦法然り、兵法は弱者に必要となるもの。
なぜそんなリスキーな作戦が必要となったのか。
あれだけ強烈に捉えながら倒し切れなかったのはなぜなのか。
そんなことを考えてしまうほど、この試合で渡邊への期待値は高まった。

肉体さえ練り込めば…かなりいいところまで行くようにも感じる。
初勝利で一気に変化した…松本 一也(松田)のように名勝負を残してくれればと思う。

 

 

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