2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/3/19 -石川・内灘町総合体育館- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■日本フェザー級ユースタイトルマッチ
英 洸貴(カシミ) vs 渡邊 海(ライオンズ)

英 洸貴 16戦10勝(3KO)2敗4分
渡邊 海 10戦9勝(5KO)1分


ゴングと共に突進した英だったが、落ち着いた渡邊は左を合わせて対応。
さらにコンビネーションを突き立てる。
詰める英、待ち受ける渡邊。

ハイスピードの攻防で、英が先に捉える場面もあれば
後の先で渡邊が捉える場面もある。
一進一退の立ち上がり。


2R、ガードを固めてジャブを上下に刺す英。
待ち受ける渡邊、英が強引に入らない分、手数がかなり少なくなる。
しかしラウンド中盤、下がりながら右フックを強烈にヒットさせ、英が一瞬膝を折る。


3R序盤、左を撃ち下した渡邊、一瞬止まった英に対して渡邊がラッシュ。
ロープに押し付けられる英だったが、左フックをカウンターで突き立てて脱出。
いったん展開が落ち着くと、詰める英、迎え撃つ渡邊の展開へと戻る。


4R、丁寧に丁寧にジャブを突きたてて行く英。
強引には入って来ず、隙を見せない英に渡邊の手数が激減。
終盤、このラウンドでは左を中心にほとんど右を出していなかった英が、突如右をフルスイング。
これが渡邊を捉え、膝を揺らしながら後退。

ビッグチャンスに攻め込む英だが、渡邊はクリンチで遮断。
その後も足を使い、逃げに徹してこのラウンドを乗り切る。
勝負に徹する判断の早さ、強い選手の所作。


5R、丁寧に丁寧に戦う英に手が出ない渡邊。
展開が変わらない中、渡邊が足を止め二人はファイトへ。
ここでは英が撃ち勝つ展開…、待ってもダメ、ファイトしても上回られる。
状況としては渡邊が追い詰められて来たように感じる。


6R、一発で展開を変える強打を持つ渡邊。
待ち構える場所に何度も何度も入っていく英。
状況の打開が必要な展開に、渡邊は踏み込んでのワンツーを見せ始める。


7R、試合も終盤となり、これまで左中心だった英が、右の比重を増す。
待ち受ける渡邊の右アッパーが突き刺さるなど、
その分、渡邊のパンチがスリリングなタイミングとなっていく。

ラウンド終盤、英の撃ち終わりに踏み込んだ渡邊の右ストレートが突き刺さる。
後ろ倒しに吹っ飛ぶようなダウン…明らかに濃いダメージを植え付ける一撃。
立ち上がった英、襲い掛かる渡邊…ここは残り時間少なくラウンド終了。


8R、ポイントとしては一気に微妙な状況となったラストラウンド。
勢いに勝る渡邊、お互いに取りたいラウンド。
攻撃偏重となれば先ほどのラウンドの二の舞になりかねない英。

お互いがギリギリのタイミングで拳を出し合い…ギリギリでかわし合う。
ヒリヒリするようなハイレベルの攻防のまま試合終了のゴング。


マイジャッジ 76-75 渡邊

 

公式ジャッジ
76-75 英
77-74 渡邊
76-75 英

2-1 勝者は英。


どちらに転んでもおかしくなかった試合。
勝利の女神は英に微笑んだ。


一撃で展開を変える渡邊の強打。
待ちに徹しながら、誘い込んでの一撃で刈り取る。
英からダウンを奪った一撃もしっかりとダメージを植え付けた一撃。
ディフェンスが堅いはずの英が何度も膝を揺らされた。

相手が出てこない場合、出てきた相手を捉えられない場合の別の展開。
この負けを踏まえれば、そういったケースごとの対応も増やしてくるだろうと考えられる。

強敵への手痛い連敗を経て、崩しにくいボクシングを身に着けた英と同じく、
初めての敗戦が、渡邊をより強くするだろうと感じる。
いずれ国内トップ戦線に顔を出してくる選手。
強さを増した渡邊がベルトを巻くかどうか…注目して行きたい。


際どい試合、右を増やした7Rにダウンを奪われた英。
あの場面、選択は間違いではなかったと感じる。
際どい試合を勝ちきりに行くアタックは必要だ。

今回は裏目に出た。
しかし、強敵を相手に貴重なトライ&エラーの経験を得た。
まだまだ原石、ただ、いよいよ宝石へと変貌しようとしている。

ランカーたちと凌ぎを削りながら引き分けを挟んで3連勝。
年齢制限のある日本ユース王座はこれで返上となる。
ここから先、さらなる強豪たちが待ち受ける英の新章が始まる。

 

 

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