中日本所属選手 11月の試合結果(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2022/12/01

中日本所属選手 11月の試合結果(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2022/12/01

 

■WBOアジア太平洋/OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王座決定戦
【スーパーウェルター級12回戦】
井上 岳志(ワールドS) ○6RTKO vs 天熊丸木 凌介(天熊丸木)

天熊丸木が後楽園ホールのリングに散った。
不完全燃焼だった前回とは異なり、出し切れたとのこと。
試合は完敗だったが、滅多打ちにされながらも
逆転の一撃を狙う天熊丸木に感動したとの声も。

奥様ご懐妊の丸木、今後はひとまず置いておいて
まずは次の戦い「父ちゃんになる」が待っている。
最高の笑顔で新しい家族を迎えてあげて欲しい。

 

■全日本ミニマム級新人王西軍代表決定戦
【ミニマム級5回戦】
池田 雅史(ハラダ) ○5R判定 vs 宮澤 漣斗(蟹江)
2-0(48-48、48-47、48-47)

全国各地に全日本新人王候補が乱立した今年のミニマム級。
2勝5敗で今年のトーナメントをスタートした池田が全日本新人王へ。
序盤を優位に進めながら後半を奪われた試合展開とのこと。

ほんのわずかに届かなかった勝利。
既に4勝を挙げ、B級戦線での戦いも待たれる宮澤。
悔しさを中日本のリングで晴らして欲しい。

 

■全日本フライ級新人王西軍代表決定戦
【フライ級4回戦】
二階堂 迅(ディアマンテ) ○4R判定 vs 坂井 涼(畑中)
2-0(38-38、39-37、39-37)

こちらも僅かに届かず。
全日本新人王候補が立て続けに接戦を落とした。
まさか坂井が…の思い。相手の豊富な手数にやられたとのこと。

しかし、のちの世界王者でも獲れないのが新人王。
敗戦したところで実力が減るわけではない。
今後の坂井の逆襲に期待したい。

 

■全日本スーパーフライ級新人王西軍代表決定戦
森 大悟(大鵬) vs ○1RTKO 佐野 遥渉(平石)

佐野がボディを効かせてからのラッシュでTKO勝利。
手が付けられない感が爆増している今年の中日本新人王の目玉。
全国的な注目度もどんどん増している。

全日本新人王獲得、なんとかお願いします!

 

■全日本バンタム級新人王西軍代表決定戦
【バンタム級4回戦】
松本 海聖(VADY) ○4R判定 vs 大城 雄都(トコナメ)
3-0(39-37、39-37、40-36)

大城が手数で押し込んだがポイントにはつながらず、接戦を落とした。
今年の中日本新人王トーナメントで最も力を伸ばした選手が大城。
5勝を挙げており、B級昇格後の戦いも期待されるところ。
悔しさは上のステージでの大暴れで解消して欲しい。

 

■全日本スーパーフェザー級新人王西軍代表決定戦
【スーパーフェザー級4回戦】
大谷 新星(真正) ○4R判定 vs 山辺 蓮(市野)
3-0(39-37、39-37、39-37)

激戦となった戦い、接戦を演じるも届かず。
西日本と中日本のMVP対決となった試合。
この相手にここまでやれることこそ、山辺の強さを証明しているように思う。

センスも現時点の実力もある。
課題を解消して来る努力もある。

山辺がどれほどの相手に負けたのか、
大谷には全日本の舞台でその力を見せつけて欲しいと思っている。

 

■全日本スーパーライト級新人王西軍代表決定戦
【スーパーライト級4回戦】
野口 海音(ハラダ) ○ vs 藤崎 紘成(和光)
1RTKO

1Rで3度倒されて藤崎がTKO負け。
強さ鳴り響く野口に圧倒された。
将来の世界王者から、数戦で辞めていく選手まで入り混じるのが4回戦。
こういった相手に出くわしてしまうこともある。

B級昇格まであと1勝。
強い選手も辞めればそこまで。
最後に誰よりも強くなっていればいい。

この完敗から大きく力を伸ばしていく藤崎を見たい。

 

■全日本ウェルター級新人王西軍代表決定戦
矢野 翔斗(ハラダ) vs ○ 松岡 陸(浜松堀内)
0-3(37-38、37-38、37-38)

松岡が1Rにダウンを奪い、後半のまくりに耐えての判定勝利。
残念ながら全日本新人王決定戦は顎の骨折により棄権となった松岡。
B級昇格へもあと1勝の状態で、今年の新人王戦を終えた。
来年再エントリーがあるかは不明だが、勝ち上がる力があることは証明済み。
来年の戦いぶりに期待したい。

 


2022年11月19日
大阪府:エディオンアリーナ大阪・第2競技場

【55.8kg契約6回戦】
石橋 俊(アポロ) vs ○6RTKO 安西 蓮(名古屋大橋)

的確に、丁寧に、淡々と石橋をたたき続けた安西。
被弾も少なく、主導権を握り続けた。
4Rにはボディを効かせて一気に追い詰めるが、石橋が歯を食いしばっての反撃で脱出。
その後も安西は着実に石橋を襲い続け、度重なるヒットに最終ラウンド、レフリーが試合をストップ。

これでA級昇格となった安西。
ユース王座を狙うことを明言した。

ラストマッチとなった石橋。
相手はこれまで、下馬評不利の戦いを何個もひっくり返して来た安西だった。
これからも格上との対戦を幾度も踏んで行くことだと思う。
それは石橋が歩いた道とも重なる部分があるように感じる。

安西には、石橋の最後の相手が安西でよかったと言ってもらえる選手になって欲しいと感じた。

 


2022年11月27日(12:00開始)
大阪府:176BOX

【ウェルター級4回戦】
佐々木 る玖(KWORLD3) ○ vs 松岡 蓮(浜松堀内)
3-0(38-37、39-36、40-35)

いきなり佐々木の右でダウンを奪われた松岡。
その後も佐々木の強烈なカウンターを浴びるも松岡は引かず。
後半は逆転狙いで手数が減ったが、可能性のある一撃を何度も叩き込んだ。
スリリングな戦いだったが、初回以降のダウンシーンはなく、判定での敗戦となった。

3年振りの試合となったが松岡は錆びついておらず。
むしろ3年前よりも強くなったように感じた。
この日は佐々木が強かった。

いい選手を相手にして、好試合を演じたてくれたことが
なんだか誇らしい気分にさせてくれた。
またコンスタントにリングに上がって欲しい。

 

【60Kg契約8回戦】
竹嶋 宏心(KWORLD3) ○8R判定 vs 干場 悟(蟹江)
3-0(77-75、77-75、80-72)

しつこくしつこくしつこく、干場が真骨頂の粘着質なファイトを延々と展開。
竹嶋がステップ、クリンチ、スイッチ、迎え撃つアッパー…
引出しを総動員して凌ぎ切った。

マイジャッジはドロー。
好みによって裁定の分かれる試合、判定は干場についてもおかしくなかった。
手数で勝負する選手は多くいる。
干場の恐ろしさは、手が止まらないだけでなく、足も前へと止まらない部分だと感じる。
注目度の高い舞台で、らしさを見せつけてくれたことを嬉しく思う。

そして干場をしのぎ切った竹嶋に心からおめでとうの思い。
元々は中日本で戦っていた選手、今後も西のリングでの躍動を楽しみにしたい。

 

【スーパーフライ級8回戦】
宮崎 亮(KWORLD3) △ vs △ 近藤 冬真(蟹江)
1-1(77-75、75-77、76-76)

また、どちらについてもおかしくなかった試合、近藤は勝利に届かず。
マイジャッジは近藤だが、不可解な判定とは感じなかった。
6Rのバッティングによるカットから流れが変わり、
優位に進めていた試合が際どい試合になっていった。

多彩な左、固いガード、元世界王者を苦しめた。
強さを知らしめながら3年以上届かない白星。
近藤が強いのは国内戦線を見守る多くのファンが知っている。
いつか結果が出たとき、この苦しい時間が大きな感動を産んでくれると思っている。

 


2022年11月27日(17:00開始)
大阪府:176BOX

【スーパーフェザー級4回戦】
北田 章太(KWORLD3) ○4R判定 vs 後藤 宙(市野)
3-0(40-35、40-35、40-35)

ファーストコンタクトの相撃ちでダウンを奪われた後藤。
両者ともスリリングなパンチを交換し合う中、
北田が撃ち勝って、後藤は完全に足に来た状態…。
そこから逆に相手を揺らす一撃を放り込んでみせた。

最終ラウンドに運動量を落としたのが悔やまれる。
もうひとやま作れるようであれば、
同門の伊藤 記道(市野)や濱口 人夢(市野)がしでかしたような
記憶に残るハイパー大激戦を残す選手になる姿も想像できる。

劣勢の中、自分の拳を信じれる力は才能の一つ。
今後の試合を楽しみにしていたい。

 

【ライト級6回戦】
伊集院 嵐(SFマキ) vs ○6R判定 樋口 和輝(ARITOMI)
0-3(56-58、56-58、55-59)

攻撃的なキャリア初期からジャブを武器にしたアウトボクサーへと変貌した樋口。
この試合ではそのジャブを活かして攻撃的に戦い、相手を封じたように見えた。
キャリアの中で歩んだ二つのスタイルの融合。

スタイルを変化させることは簡単なことではないと思っている。
積み重ねた努力の大きさを感じさせる戦いぶりだった。
これでA級昇格、樋口はまだまだ強くなる。

 

【スーパーフライ級8回戦】
岩崎 圭祐(オール) ○3RTKO vs 中村 祐斗(市野)

タフな中村がキレのあるパンチでダウンを奪われるスタートに信じられない思い。
そこからパワーでねじ伏せにかかった中村に対し、
岩崎は足を使いながらもかわすことなくしっかり応じて弾き返した。

マンモス 和則(中日)戦で見せた、岩崎の強打とやり合うクソ度胸はこの試合でも。
撃ち合いの中で効かせ、下がる中村を追いかけてのストレートで沈めた。
立ち上がった中村をコンビネーションで撃ちつけ、レフリーが試合をストップ。

この日の中村は強かった…。
並みの相手なら、2R以降の展開、ねじ伏せていておかしくなかったと感じる。
「撃たれてからが勝負」の時期を思い起こせば、比べ物にならないほど力を伸ばしている。
ただ…この日立ちはだかった相手はそれ以上に強かった。
「強い中村」を凌駕した岩崎を褒める試合だと感じた。

 


(所感)
佐野、絶対全日本新人王獲ってくれ。

 

中日本選手10月の敵地戦績合計 13戦4勝(2KO)10敗1分

 

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