試合させてくれへん? 渡辺 二郎(大阪帝拳)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/15

試合させてくれへん? 渡辺 二郎(大阪帝拳)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/12/15 

 

カオサイ・ギャラクシー(タイ)ヒルベルト・ローマン(メキシコ)とピックアップしましたので、
そうきたらこの人は外せない!

渡辺 二郎(大阪帝拳)です。 

この時期のジュニアバンタム級(現:スーパーフライ級)を熱狂の渦に巻き込んだ渡辺二郎。
現在は暴力団幹部としてJBCから永久追放されていますが、彼が世界王者であった事実は変わりません。

リング外のことはリング外のこと。
彼が引退後に外れた道を歩き、幻滅した…なんてファンも多いことでしょうが、
リングの上の渡辺二郎が強かったという事実は消すことはできません。

それはそれ、これはこれ。

伝説のコンパーテッドサウスポー 渡辺二郎をピックアップします。

彼がデビュー戦を戦った時の年齢は24歳。
ボクサーの最も脂の乗る時期と言われるのが20代中盤から後半。
世界タイトルまで行った選手にしては遅い方です。 

それまで彼が何をしていたか…。
日本拳法の選手兼監督だったんですね。
世界大会4位になるほどの実力の持ち主で、大学卒業後は大学の日本拳法部の監督。 

大学の監督…とは言うものの、地元ではケンカ最強として知らないものはいないほど…だったようで。
階級のない日本拳法において、小柄な渡辺は大柄な相手に苦戦していたらしく、
強い奴らはヘビー級並みのデカい奴ばかり。

ウェート別での試合ができるボクシングに興味が湧き、近所にあった大阪帝拳ジムをフラっと訪れます。
「試合させてくれへん?」…と。 

地元で有名だった渡辺は、本来様々な規定があるアマチュアの大会に“うまいこと”出場させてもらいます。
練習もせず、フラッとジムに行き試合させろと言った渡辺も渡辺ですが、
二つ返事でOKした大阪帝拳もヤンチャ…。

そのアマチュアのトーナメントでいきなり決勝まで勝ち進みます。

ただし困ったことに、自身が監督する大学の日本拳法部の試合と、
アマチュアボクシングの決勝が重なってしまいます。
結局決勝には出ず、大会のあった東京から大阪に帰って来た渡辺。
アマチュアなので、交通費は自費。
これが不満だったところに、大阪帝拳からプロでやらないか?と声がかかった。
「お金になるんなら…」とプロボクサーの道を歩き始めます。

レコード初期にはのちに日本ランク入りを果たす川平 賀彦(西遠)等を破り、
5戦全勝で西日本新人王を獲得します。

6戦目で川平との再戦に勝利した後、全日本新人王決勝ではのちに
第23代WBC世界フライ級王者となる小林 光二(角海老宝石)を1RKOで退ける。

ここまでデビューから7連続KO勝ち。
デビュー1年未満で日本ランクを手に入れます。

ここからは海外選手との試合。
チョ・ジンヒョン(韓)、タイ国内王者のチュクテプ・チューワッタナ(タイ)に判定で2連勝。

そして早くも世界ランカーと対戦。
相手はパクタイ・リポビタン(タイ)。

前半に完全に効かされたダウンを奪われるものの
後半に入って足を使い始めると全く寄せ付けず。
なんとか判定で試合をモノにし、世界ランクを奪取します。 

プロデビューからわずか2年と1ヶ月。
世界ランク奪取からすぐさま、世界初挑戦のチャンスを手に入れ、敵地韓国に乗り込みます。
相手はキム・チョルホ(韓) 

韓国でのアウェイっていうのは、とにかく厳しいことで有名。
タイ、韓国、イギリス、メキシコが4大地元判定大国とも囁かれたり。

特に韓国は対戦相手の宿泊、食事等の環境面において、かなり嫌な思いをさせられるそうで。
現地で出されたものは一切口にするな…なんて話もあるほど。

地元判定が囁かれるこの試合、ジャッジ3名とも1ポイント差の判定で挑戦に失敗します。
3Rには右フックで相手が手を着くもスルーされ…
まぁ一瞬の出来事だったのでレフリーが対応できなかっただけかもしれませんが…。

渡辺本人は後々までこの試合、勝っていたと言っていますが、That’s BOXING。
渡辺の王座獲得は次の挑戦まで持ち越されます。

内容が内容なので、逆に評価を上げた渡辺。
次戦から3戦、転ばないよう格下との対戦を順調にこなした後、
かつて具志堅 用高(協栄)の持っていたWBA世界ライトフライ級王座に挑んで散った
ベテランのティト・アベラ(比)を4RKOで下し、世界再挑戦の準備を完了します。 

世界初挑戦に失敗から1年。
満を持して、日本での世界挑戦。
相手は第2代WBA世界スーパーフライ級王者、ラファエル・ペドロサ(パナマ)

パナマのサソリの異名を持つペドロサは、3度目の世界挑戦でようやくタイトルを獲得した苦労人。
具志堅を相手に判定まで持ち込んだタフネスが売りです。

この試合、ペドロサを9Rには左ストレートでKO寸前に追い込み、
ジャッジの1人がフルマークを付ける大差判定で完勝。
16戦目で世界王座を獲得します。 

さて、ここから渡辺二郎の長い長い防衛ロードが始まりますが、その前にちょっとした逸話が…。
そんなところは次回持ち越し。 

今日は短いけど許してね! 

では!

 

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