2022/03/21 -富山・ボルファートとやま- セミファイナル~ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【ウェルター級4回戦】
坂本 将哉(カシミ) vs 上村 健太(緑)
坂本 将哉 7戦4勝(3KO)3敗
上村 健太 3戦2勝(1KO)1敗
前の手の攻防が中心となった静かな立ち上がりだったが、
試合はラウンドが進むごとに熱を帯びていく。
2Rには坂本のパンチでバランスを崩した上村に坂本がパンチをまとめにかかる場面も。
3Rには上村がガードを固めて追いかけていく。
そして最終ラウンド、頭をつけて両者のファイト。
どちらかと言うと待ちの状態で戦うことも多かった上村だが、
大きく変貌を遂げ、まったく違うボクサーのようだった。
ロングレンジの攻防もいい選手なだけに、
「行くべきとき」の引き出しを増やして来たように感じる。
8月、出場予定の中日本新人王決勝戦がより楽しみになった。
坂本は最後をまくられてのドローだったが、
撃ち合う以外の選択肢はなかったように感じる。
効かされ、窮地に陥ったものの、最後まで撃ち返した。
死力の第4ラウンド、記憶に焼き付くような戦いぶりだった。
【ライト級6回戦】
長谷 和紀(トヤマ) vs 東 祐也(北海道畠山)
長谷 和紀 9戦5勝(3KO)3敗1分
東 祐也 13戦5勝(1KO)6敗2分
緊張感の高い駆け引きの攻防から、
一発当たると回転の速いラッシュで襲い掛かる東。
ハイペースで長い時間のラッシュを何度も仕掛ける東に、
後半まで持つのかが心配になったが、まったく衰えることはなかった。
駆け引きの場面では上回ったように思えた長谷だったが
ひとたび東がラッシュに入ると持て余してしまう。
試合としては拮抗した内容となり、5Rに課せられたラビッドパンチの減点分、
長谷がスレスレの判定勝利を挙げた。
マイジャッジは東につけており、東の勝ちでもおかしくない内容だったと思う。
ラッシュの最中、投げてしまった場面があり、ここから少し潮目が変わったように感じる。
最終ラウンド、押し込んでいる場面ではプッシングでの中断でチャンスを逃した。
確かに腕で押し込んでしまった部分はあったが、
ラフと見られたうえでより厳しい目が向けられたようにも感じた。
厳しい試合だったことは明らかだった。
判定が発表され、長谷が手を挙げられた瞬間、安堵に包まれた客席の表情に、
長谷が富山で愛されていることを実感する。
これでB級初勝利。
湯川 成美(駿河男児)への敗戦後、リベンジへの思いを強くしていた長谷。
既にA級で戦う湯川に対し、相応しい資格を得るには最低限あと1勝が必要になる。
また、秋ごろにも開催を計画していると聞く富山。
メインのリングには、また長谷が立つことだろうと思う。
長谷が長谷らしく、戦う姿を楽しみにしている。
そして、悔しさを押し殺して引き上げる東。
北陸の地でもまた、その強さと勇猛さを見せつけて帰って行った。
北海道から敵地のリングに登場しては、主役たちを苦しめ続ける東。
戦績は負け越し、だけど強い、おいしくない相手。
ただし、その姿を見た者たちにの脳裏にはくっきりとその雄姿を焼き付ける。
また、試合後、北海道畠山の3選手について、
それぞれ指す選手は違ったものの、関係者の人たちが声を揃えたのが『よく練習している』。
才能の強さは時に希望を奪うが、努力の強さは希望を与えるもの。
彼らはその拳で刺激と希望を置いていったように感じます。
きっとこの先も、全国各地で彼らはそういったものをまき散らしていってくれることでしょう。
また、中日本のリングに来て欲しい選手たち。
いつかを楽しみに待っていたい。
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