2022/03/21 -富山・ボルファートとやま- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2022/03/21 -富山・ボルファートとやま- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフェザー級4回戦】
高田 力弥(カシミ) vs 福井 瑛紀(北海道畠山)

高田 力弥 デビュー戦
福井 瑛紀 4戦1勝(1KO)3敗

 

左から丁寧に戦う高田に対し、
一発当たればそのまま連打に繋げていく福井。

コーナーに追いつめて右フックでダウンを奪うと
再開後、ロープ際の連打でTKOを呼び込んだ。
高田がしっかりと力のこもったパンチで福井を捉える場面もあったが
その場面も福井が強烈に捉え返している。

戦績的には負け越し戦績、これでようやく2勝目の福井だが、
4年前に同じ富山のリングで敗れた頃とは別人と思えるほどの強さを見せた。
戦績では判断できない好選手が全国各地に存在する。

対して高田、デビュー戦のリングで圧倒された形。
力を発揮できたとは言い難いと感じる。
しかし、対戦相手の福井も4年前同じように、相手に圧倒されて敗れた選手。
極論だが強くなれば勝利はついてくるもの。
これにめげずに次に向かって欲しいと感じた。

 

■2022年度中日本スーパーバンタム級新人王準々決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
島 史来(トヤマ) vs 川合 絢也(西遠)

島 史来 1戦1敗
川合 絢也 3戦2勝1敗

相手が連打を打つ際にはガードを高く上げ、撃ち終わりを返す島。
攻める時も単発で終わらず、1Rは優位に終えたように感じる。
しかし、2R、川合の右に反応して沈んだ所、
追いかけるように飛んできた河合の拳が島のテンプルを捉えた。


島のしっかりと高く上げたガード、そこから素早く返されるパンチは
相手にとって厄介なものだったように感じる。
勇猛果敢…そんな姿をこれまでの試合でも見せて来た島。
だからこそ、高く上げたガードも然り、ディフェンス面がより磨かれることで
より強さを増していくようにも思えた。

勝負度胸のある選手が強くなっていく過程で、ディフェンスの向上と共に
攻め込む時間が長くなり、攻撃力も増していく…よくあるケースだと思う。
まだまだ何倍も強くなって行ける選手、期待していたい。


川合が2Rが撃ち込み始めたのはガードの脇から捻じ込むようなフック。
このパンチが伏線になったようにも見えた。
1R、島優位にも見えたどっちつかずのラウンドを終えても
焦ることなく、冷静に相手の隙を仕留めた印象。

タフさが目立つ試合が続いたが、この日はそれ以上に”強さ”を見せたと感じる。

川合は準決勝で「一撃のタイミング」を持つ
大中 雄貴(薬師寺)と対戦予定。

 

【スーパーフライ級4回戦】
渡辺 大和(カシミ) vs 荒木 広大(北海道畠山)

渡辺 大和 7戦2勝4敗1分
荒木 広大 2戦2勝(2KO)

「なんで倒れないの!?」と何度も驚嘆してしまった大激闘。
もうとにかく動画を見て欲しい。
北陸の激闘派がまたもややってくれた。

何度も意識を飛ばされながらも、その度に足を踏ん張り撃ち合いに飛び込んで行く。
レフリーも止め所を探すが、渡辺が返し続け、振り回される。
渡辺が演じて来た激闘の中でも、最高クラスの大激闘。


両者真っ向からの撃ち合いははっきりと荒木が上回った。

ダウン寸前から何度も復活してくる渡辺に飲み込まれることなく
強烈な被弾を受ける場面もありながら、渡辺の土俵であるはずの
激闘を真っ向から受けて立ち、そして凌駕した。

これでデビュー3連勝。はっきりと強い選手。
そして、沸かせるボクシングができる選手。
これほどの撃ち合い、誰にでもできるわけではない。

 

渡辺、紙一重の試合を繰り返しながらも、4戦白星なし。
B級昇格まであと1.5勝。
少なくともB級で勝負できる力はあるはず。
できれば、より上の舞台でその姿を披露して欲しいとも感じる。

この戦いぶりが、より多くの人の目に触れて欲しい。

 

■2022年度中日本スーパーフェザー級新人王準々決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
深田 翔也(トヤマ) vs 古川 修誠(杉田)

深田 翔也 2戦1勝1敗
古川 修誠 デビュー戦

 

ボクシング歴わずか10か月の古川が、曲者深田に食い下がった。

肉体の強さを感じさせる古川。
プレスもギンギンに効き、互角に渡り合っていたが、
恐らく鼻が折れたか、深田のパンチで大量の出血に見舞われた。

影響はあったように感じる。
しかし、それでも最後の最後まで逆転の可能性を孕んだ強打を振るい続けた。


刈谷のリングと比較して少し小さめにも見えるリング。
その中で、古川の圧力に飲み込まれなかった深田、
サイドに周りながらフックをひっかける基本的な動作が有効だったように感じる。

危険な拳を捌き切った深田の12分間は見事な物。

そして、粗削りという言葉がこれほどしっくり来るのも珍しい古川。
肉体的な強さは充分すぎる程に感じる。
たった10ヶ月のボクシング歴とは思えない、戦いぶり。
しかしやはり、引出しの数は多くない。

小さなもの、大きなもの、一つ一つの経験が強くなる速度を上げていく。
もしかすると、もう少し待てば確実にデビュー戦勝利を拾えたかもしれない。
しかし、このデビュー戦がきっと古川をより強くしてくれると思っている。

白星を集めること以上に、強くなることが重要だと思っている。
目指す所を突き詰めれば、最後はチャンピオンに勝つ力が必要になる。

 

勝者の深田は準決勝でドラマ巻き起こしまくりの
カウンターパンチャー、宮崎 裕也(薬師寺)と対戦予定。

 

 

【カテゴリ別】
2022年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

 

【日付別】
【記事一覧】2022年4月に戻る

【記事一覧】2022年に戻る

【記事一覧】に戻る

 

各選手の戦績はこちら
ボクシング選手名鑑

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました