日本が生んだ名王者① レパード 玉熊(国際)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/10/30

日本が生んだ名王者① レパード 玉熊(国際)① ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/10/30
 
 

本日の選手名鑑ピックアップはレパード 玉熊(国際)
 

引退した日本人世界王者をピックアップするのは初めてですね。
なんだか…マイケル・カルバハル(米)以降、軽量級史みたいになっちゃってます。
本来の目的とどんどん離れて行ってしまう…。
まぁ、いいんですけどね。

リクエストもらったものは優先して書いていこうと思ってますので!
 
 

日本人の元世界王者…今ではもう何人もいますが、なぜ僕がこの選手を一番にピックアップしたのか…。
ボクヲタ仲間からリクエストもらったっていう単純な理由以外にも理由があったりするんです。
ボクヲタにありがちなテクニカルな選手が好き…
みたいに思われるかもしれませんが、それが理由ではありません。
これは回を進めるうちに明らかにしていくつもりなんで…読み進めてみてくださいな。
 
 
 

本名は玉熊幸人。
青森商業高校出身で、高校時代はライトフライ級でインターハイ準優勝。
アマチュア戦績 40戦33勝(2KO)7敗と立派な数字です。
 

彼は自分にパンチがないことをよく知っていたので、「プロ向きじゃない」と法政大学へ進学します。
当時大学ボクシングは専修と法政がツートップ。アマエリートへの道を進むわけですね。
インターハイで準優勝していた玉熊さん、ボクシング推薦で進学先は引く手あまた…。

しかし玉熊さん、ボクシング推薦ではなく、一般受験で法政に受かったそうです。
当時、受験戦争まっただ中の時代…どれだけ真面目なんだと…。

が…、そんな努力して入った法政大学も部の不祥事でボクシング部は活動自粛となってしまい、
目的を失ったような生活をすることに…
 

そこに目をつけたのが、高校、大学の先輩でもある国際ジムの高橋 美徳会長。
選手時代は三迫ジムからデビューし、世界挑戦まで成し遂げましたが、惜しくも獲得できず。
網膜剥離で引退しますが、その後、国際ジム会長として世界王者のロイヤル 小林(国際)を育てました。

国際ジムに所属していた同郷のクラッシャー 三浦(国際)を使って玉熊を口説きます。
…が、気のない返事しか得られず。
しかしその半年後、突然玉熊が訪れ、プロとしてやりたいと…。
ここから高橋会長と、玉熊幸人のチャンピオンズロードが始まります。
 

★ここでちょっと脱線…
高橋会長の命令で玉熊を口説いたクラッシャー三浦、
現役時代も日本王座を獲得するなど活躍したのですが、引退後がとっても凄い。
同じく引退した玉熊と共に、セレス 小林を世界王者まで育て上げたり、
惜しくも世界に届かなかったトラッシュ 中沼なんかも三浦の育てた選手。

2001年には“日本でその年最も優れたトレーナー”に贈られる「エディ・タウンゼント賞」も受賞している、
いわば日本の名伯楽。
現在はドリームジムの会長として後進を育成しています。

かたやレパード 玉熊もトレーナーとして、レパード玉熊ジムの会長として、
後進の育成に定評を得ていることから見ても、国際ジムで育った選手っていうのは
人を育てることにめちゃくちゃ長けてるんですね。

ある意味、今の世界王者が立ち並ぶ日本ボクシング界の繁栄を支えた名門ジムなんです。

すっごーい!

…と、話を元に戻しますね。
 
 

ジュニアフライ級(現在のライトフライ級)でデビューし、アマ仕込みのテクニックで連勝街道を進む玉熊。
4回戦レベルでは相手をモノともせず、一気に全日本新人王に駆け上がります。
その中には、のちに日本王座に二度挑む渡真利 誠司(キング)や、
レオ・ガメス(ベネズエラ)の持つWBA世界ミニマム級に挑戦した横沢 健二(三迫)への星も含まれます。
 

ただ、この全日本新人王って、実は今も昔も諸刃の剣。
 

新人王戦について少しだけ説明しときます。

その前にまずライセンスの説明から。
———
ボクシングにはA級ライセンスからC級ライセンスというものがあります。

普通の選手はまずプロテストを受けて、C級ライセンスを獲得。
これで4Rまでの試合(4回戦と言います)を戦えます。
この4回戦で4勝(引分は0.5勝)すると、ライセンスをB級に切り替えることができるようになります。

※アマエリートや他格闘技で実績があったりする選手は、
 初めからB級ライセンスを受験できることもあります。

B級ライセンスで戦えるのは6Rまでの試合(6回戦)。
6回戦で2勝(引分は0.5勝)すると、ライセンスをA級に切り替えることができるようになります。

このA級ライセンスを持ってようやく8R(8回戦)以上の試合が行えるので、これを持ってないと、
10回戦となっている日本タイトルマッチができないんですね。
———

上記を踏まえたうえで新人王について…

新人王戦への出場資格は4回戦の選手で5勝未満。
(4勝していてもライセンスをB級に更新していなければOK)

トーナメントスタート時は全員C級ライセンスなんですね。
ヒヨっ子を集めてよーいドン!でトーナメントをスタートさせる。
ベテラン選手もいなければ、ランカーなんかも一切いない。
特別強いホープがいることもありますが、年によっては出場選手が少なかったり、
それほど強い選手がいないこともある。

トーナメントを勝ち抜いて全日本新人王になれば、日本ランキング入り。
昨日までヒヨっ子だらけのトーナメントを戦ってたのが、
突然その階級の国内トップ選手たちの中に放り込まれるわけですね。

特別強くて新人王を勝ち抜いた選手ならいいんですが、アレアレ?って勝ちぬいた選手は
プロデビューしてから1年そこそこでとんでもない壁の前に立たされるわけです。
ここで新人王戦の活躍が嘘のように負けが混む選手が出てきたりするんですね。
 

全日本新人王で優勝した玉熊幸人、日本ランキングを手に入れ、リングネームをレパード 玉熊へ変更。
(国際ジムでは、ランキングを手に入れるとリングネームを付ける習慣がある)
しかしこの頃はまだ、皆の知っているレパード 玉熊では無かった。

気持ち新たにA級ボクサーとしてスタートを切るものの、6戦3敗と突然負け始めます。

相手は日本ランカーかそれに準じる選手ばかり…。
ついには新人王戦で破った横沢にも負けを喫します。

ここまでの戦績12戦9勝(1KO)3敗…。
KO勝ちも1試合しかなく、国内レベルで通用しない玉熊…。
 
 

ここから世界王者に駆け上がる玉熊さん、途中で華麗なる変身を遂げるんですが、
とりあえず今日はここまで。
いいところは明日に取っときます!
ではっ!!
 
 

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