2024/11/17 -静岡・アクトシティ浜松- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/11/17 -静岡・アクトシティ浜松- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

 

【65kg契約6回戦】
松岡 蓮(浜松堀内) vs 山下 玄輝(結花)


鋭くジャブを刺し合う立ち上がり。
足を使って左を差す山下、前に出ながら左を差す松岡。
スピーディーな左の差し合いが繰り広げられる。


2R、左の差し合いから、右の大砲を狙い合う。
接近戦で右を叩きつけた松岡だったが、
ラウンド終盤には山下が右ストレートで松岡の顔面を跳ね上げると
パンチをまとめて印象的なシーンを作る。


3R、山下が逆ワンツーを撃ち込むと、松岡は踏み込んで至近距離で勝負。
松岡がボディから顔面へアッパーを突き立てると、山下も同じようにやり返す。
アドレナリンがほとばしるような撃ち合いの中、連打につなげたのは山下。
鼻血を吹き出した松岡だが、スピーディーに撃ち合う姿に失速は感じられない。


4R、前に出ながら空いたところにアッパー、フックを叩きこむ松岡。
押し合いながらのファイトの中、回転よく手が回るのは松岡。
常時前に出てくる松岡に、山下の方が先に失速し始めたか、
それでも待ちの体制の中で、松岡の左に右をかぶせる動きを何度も見せる。


5R、少し休んで回復したか、山下の手数も戻り、
お互いに渾身のパンチを振り合う展開に。
押し合いながら、距離のない中、わずかなスペースに拳を滑り込ませ合う。
鋭利に捉え合い、強烈な拳で殴り合う。


6R、両者とも鼻血を吹き出しながらの熾烈な撃ち合い。
最後の最後、松岡が回転で上回り続ける。
殴り合いを楽しむかのように、渾身の拳を受け、叩きつけ…。
山下もまた、最後の力を振り絞るように全力で押し込み、必死に拳を返す。

最終ラウンドのゴングが鳴るとともに、二人が気持ちよさそうな顔を見せる。


マイジャッジ 58-56 松岡


公式ジャッジ 

57-57
58-56×2 松岡


長い距離でも近い距離でもやれる松岡。
キャリア初期には、やれてしまうが故に、相手にゆだねてしまうところがあったように思う。
だからこそ、松岡の相手はいつも、”より”強く見えた。
強い選手でありながら、敗戦の数が多いのは、
相手の強さを引き出してしまった上で戦っていたからのように思っている。

この日、松岡は自ら前に出てファイトを選択した。
相手にゆだねることなく、自らの選択で展開を作った。
「ふがいない」と口にした松岡だが、この松岡ならA級昇格も堅いだろうと感じる。
明らかに強くなってのB級初勝利だった。

そしてまた、この日の山下も強かった。
中日本のリングにも数多く登場し、何度も試合を見てきた山下だったが、
ここまで強かったかと驚いた。

松岡相手にスピード負けせず、真っ向からも撃ち合った。
そのうえで一人がドローをつける接戦。

登っていくにつれて強さを増していく。
また、中日本に現れるとき、その力をどこまで伸ばしているか。
楽しみにしていたい。


松岡 蓮 14戦6勝(5KO)7敗1分
山下 玄輝 13戦5勝(2KO)6敗2分

 

【ライトフライ級8回戦】
大木 彪楽(浜松堀内) vs メルビン・マナンキル(比)


頭一つ、身長で上回る大木。
オープニングヒットはサウスポーに構える大木の左ボディ。
しかしその撃ち終わりにマナキルの左フックが着弾。
撃ち終わり一撃でKO狙い…はっきりと勝ちに来ている姿勢を示す一撃。

スピーディーな攻防はまだ距離が遠いか、静かな展開だが、
終盤、大木が左ストレートを突き刺して優勢を印象付ける。


2R、潜り込んでくるマナンキルに左アッパーを突き立てる大木。
体格で上回る大木だが、長い距離のパンチはマナンキルがしっかりとガードで受け止める。
飛び込んでは強烈な左フックを突き立てるマナンキル。
ディフェンスもよく、大木のパンチを綺麗にかわす場面が目立つ。


3R、踏み込んで綺麗にヒットを奪う大木だが、
至近距離でガチャガチャと振るうマナンキルのパンチをもらう大木。
効くような痛烈な被弾はないものの、しっかりとナックルはヒットしているように見える。
クリンチ際の不意を突いたタイミングでも振ってくるマナンキル。
大木…かなりやりにくそうに見える。


4R、大木のパンチにしっかりと反応し、痛烈な被弾は食わないマナンキル。
踏み込んで密着した場面では、大木の左腕を抱え込んで、右で叩く。
少しダーティにホールディングを駆使しながらの嫌らしい戦いぶり。
きれいごと抜きに勝負しに来ている。


5R、飛び込み勝負のマナンキル。
頭の衝突は身長の高い方がダメージを負いやすい。
ヒヤヒヤしていたところに、ついに大木が左目上をカット。
ドクターチェックが入るも、ここは続行。
出血も多くはなく、それほど影響はなさそう。
このあたりから、大木が足を使い、ボディを叩いては距離を取る展開。


6R、足を加速させ、撃ってはサイドへまわる大木。
強烈に左を叩きつけると、一瞬マナンキルがフリーズする場面も。
くっついては左腕を抱え込み、大木を逃がさないようにして右を振るうマナンキル。
クリンチとしてレフリーが分ける頻度も重なっていく。


7R、とにかく密着してくるマナンキル。
ホールディングされながらも、大木が強引にボディを叩き始める。
密着されるまで、巧みに拳をヒットさせる大木だが
密着される時間が長すぎて、決定的なシーンは産まれず。


8R、展開は変わらず。
ロープ際で撃ち合いとなるも、マナンキルはクリンチに逃れる。
強引に振りほどこうとする大木だが、マナンキルのクリンチは強固で振りほどけず。
試合はそのままの流れで終了となった。


マイジャッジ 77-75 大木

公式ジャッジ

79-73×3

3-0 大木


マイジャッジと公式ジャッジで大きく離れたが、
多くの時間をクリンチで消費したマナンキルが評価されないのも仕方ないと思える。
なりふり構わず勝利をさらいに来たマナンキルだったが、
ポイントにつなげることはできなかった。


大木としては、マナンキルに付き合わされ続けたように感じた。
勝利はしたものの、やりたいボクシングはさせてもらえなかったようにも感じる。
力はあるが、プロでの経験値はまだまだない大木。

それを積むにはいい相手だったように感じる。
一筋縄ではいかない世界、勝利したうえで、大きな経験が得られるのは幸運だ。
登り詰めるのならば、この試合を踏んだからこその未来が必ずあるはず。

伏線があるからこそ、物語のクライマックスは面白くなるもの。
より高い位置に登っていくはずの選手だからこそ、
この試合を見れたことに大きな意味を感じる。


大木 彪楽 5戦4勝(1KO)1分
メルビン・マナンキル 23戦8勝(1KO)11敗4分

 

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