2019/7/26 -後楽園ホールⅢ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【48.5Kg契約4回戦】
高田 勇仁(ライオンズ) vs 東 健史(ARITOMI)
高田 勇仁 デビュー戦 12戦7勝(3KO)4敗1分
東 健史 デビュー戦 11戦5勝(1KO)6敗
1R、お互いにジャブを刺し合う中、素早いワンツーで高田が先制。
高田が入っては左フックを撃ちこみ、ジャブでも強烈に東の顔面を跳ね上げる。
高田がスピード差を魅せ付ける展開。
東、頻繁にジャブを伸ばすがなかなか届かず…。
2R、見合いながら高田が素早く踏み込んでヒットを奪う展開は変わらず。
左フックと右ストレートを中心に東の顔面を跳ね上げていく。
東のジャブは少しずつだが当たるように…。
3R序盤、踏み込んで強烈に右ストレートをヒットさせた高田。
より力のこもったパンチが増えてくる…。
このラウンド終盤、攻め込んで来た高田に対し、被弾する東だったが
その撃ち終わりにようやく右ストレートをヒットさせる。
4R、高田が入ってくるところに右が合い始めた東。
被弾した後、真っ直ぐ下がった場面で連続で捉えられる場面も多いが
最初は大きかった差をグッと近づける。
ラウンド終了間際には、躱されたものの右のビッグパンチを狙って
カウンターを狙うチャレンジを試みる。
5R、鋭利に襲い掛かる高田のパンチに顔面を襲われながら詰めて行く東。
この時点、ジャブの刺し合いでは互角の展開に持ち込んでいるようにも見える。
ラウンド終了直前、東の左が刺さり、この試合初めて高田が後退する。
ガムシャラな攻撃は的確性を欠き、決定的な場面にはならずも
最終ラウンドへの期待を抱かせてこのラウンドが終了する。
6R、先に捉えたのは東の方。
詰めて詰めて高田を押し込もうとするが、ここで頭がクラッシュ。
東がカットし、ドクターチェックの末に試合はストップ。
マイジャッジ 58-56 高田
公式ジャッジは三者とも60-55で高田。
採点に関しては中日本のボクサーである東への応援熱が強すぎて
僕自身贔屓目になってしまったように感じる。
内容的にも、高田の完勝であったことは間違いない。
1R時点、スピード差は顕著で、東はジャブさえ当たらず、二人には圧倒的な開きがあったように感じる。
しかし、ジャブを当てた2R、右を当てた3R、高田の入り際に右が合い始めた4R、
高田を下がらせる場面を作った5R…東は少しずつ、少しずつ高田との力の差を詰めていった。
それはまるで東が歩いた道のりをそのまま6Rに凝縮したようにも感じた。
少しずつ、少しずつでA級まであと1勝に辿り着いた選手。
途中で終わってしまった残り3分間…
東が創り上げる物語の続きは、楽しみに待とうと思う。
高田ははっきりと強かった。
リングの上で、A級昇格に相応しい力を示したようにも感じる。
素早い出入りも、鋭利なパンチも…そしてスピードも。
順調に行けば、来年にはランキングを手に入れているのではないかとも思う。
しかし…それにしても悔しい。
8/4、ランキング奪回に挑む元日本ランカー 冨田 真(HEIWA)…。
仇を取ってくれないかな…なんて思ったりしてしまう。
高いポテンシャルを感じる高田、中日本期待の冨田を相手にしても
勝負として面白い試合を演じてくれると感じる。
【スーパーライト級8回戦】
ジュン・ミンホ(韓) vs 永田 大士(三迫)
韓国スーパーライト級王者/OPBF東洋太平洋スーパーライト級11位
ジュン・ミンホ 12戦9勝(1KO)1敗2分
OPBF東洋太平洋スーパーライト級8位/日本スーパーライト級2位
永田 大士 15戦12勝(5KO)2敗(1KO)1分
1R、小刻みにステップを踏んで入るタイミングを測る永田。
遠い距離からお互いに見合う中、先に踏み込んだのはミンホ。
逆ワンツーを強烈に撃ち込む。
ラウンド前半は先にミンホが手を出し、強烈に撃ち込むシーンが目立つ。
後半になると撃ち終わりに両者のジャブを撃ち込む展開。
2R序盤、お互いに見合う中、踏み込んだ永田をミンホの右ストレートが迎え撃ち、強烈にヒット。
中盤に入って、永田がワンツーで捉えるが、直後にミンホが左フックから右ボディストレートでお返し。
接触の少ない緊張感の高い展開の中、ラウンド中盤には永田の左とミンホの右…
お互いの大砲が相打ちするスリリングなシーンも。
3R、先に手を出すミンホ、時折強烈に左フックで永田を捉えるが
永田はその撃ち終わりを左右フックで捉えるシーンを作る。
中盤以降、プレスをかける永田と、距離を取るミンホがお互いのストレートを狙い合う。
ラウンド終了直前、ミンホの右ボディが強烈に永田の腹に入る。
4R、プレスをかける永田、下がるミンホが飛び込んでくるところを
右フック、左ストレートで迎え撃ち始める。
永田のカウンターが強烈に刺さる場面が増え、
この試合ようやくはっきりと永田が獲ったラウンドとなる。
5R、お互い踏み込み勝負の中で、ミンホの頭が強烈に永田にぶつかるシーンが増える。
序盤はミンホが捉える場面が目立つ中、中盤以降、永田の強烈なジャブがミンホを捉える。
ジャブで顔面が跳ね上がるミンホ…終盤には踏み込んだミンホを
永田の左ストレートがカウンターとなって強烈にミンホを捉える。
6R、カウンター狙いの両者、永田はプレスをかけながら、ミンホは下がりながら…。
お互いに待ちあう形になる中で、どちらかが踏み込んだタイミングではカウンターで捉え合う。
終盤、ミンホの大きな左フックの内側に永田の右が刺さる場面が目立つようになる。
7R、序盤は永田のジャブとカウンターがミンホを捉える展開。
ここに来て永田がタイミングをつかみ主導権を握るかと思った矢先、ミンホは手数を増やし、
終盤には逆ワンツーから右ストレートを追加する3連打で永田を捉えてみせる。
拮抗したラウンドが並び続ける。
8R、中盤からミンホが攻勢を強める。
カウンター狙いの形は変わらずも、接触の頻度は増え、お互いに捉えられたら捉え返す。
そんな中で、永田が強烈なジャブでミンホの顔面を跳ね上げるシーンが目立つ。
際どいラウンドだが、永田がシャープなジャブでしっかりとジャッジにアピールして試合終了のゴング。
マイジャッジ 76-76 ドロー
公式ジャッジが発表される。
76-76
残り2者、ともに77-75
勝者…永田。
昨今、選手がアマチュアに流れ、プロボクサーの数が減ってしまった韓国。
しかし…強い奴は強い。
ピリピリとした緊張感が支配し続けた8R、韓国王者のミンホは互角以上にやり合ったように思える。
より大砲を当てたのはミンホの方だったようにも感じる。
しかし、この試合を制したのは永田の強烈なジャブだった。
当てるジャブではなく、ミンホの顔面を跳ね上げ、顎をエグるようなジャブがカウンターで刺さり。
通常のジャブ以上に試合の見栄えを良くしていた。
この手のサウスポーはなかなか崩し辛い…。
アオキ クリスチャーノ(角海老宝石)が東京に行き、中日本では層が薄くなったこの辺りの階級…。
このクラスにアタックできる選手の登場に期待したい。
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