2018/11/12 -後楽園ホールⅡ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/11/12 -後楽園ホールⅡ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

■スーパーフェザー級4回戦
後藤 竜也(宇都宮金田) vs 小川 皓平(日東)

後藤 竜也 2戦2勝(2KO)
小川 皓平 9戦3勝6敗

試合開始直後、小川が入ったところを後藤の右アッパーが迎え撃ち、いきなり腰を落とす小川。
後藤のガードは低く見えるが、小川が捉えたと思った瞬間には
スッと右のガードが上がっていてパンチを遮断。
プレッシャーをかけながら、滞りなく出るコンビネーションで小川を襲う。

ラウンド後半には少し距離をとり、打ち終わりに合わせていくが、
後藤はもらってもアゴが上がることはほとんどなく、ヒットしたかどうか疑いたくなる。
後藤…かなり強い。

足を使って下がりながら手数で対抗した小川。
3Rには後藤の目の上を切り裂き、試合を盛り返してみせる。
しかし、最終ラウンドは後藤にペースが流れ、試合は3-0の判定で後藤が勝利。

採点は39-37×2、40-36。
 

後藤の戦いぶりは8Rでの戦いがすぐにでも見たくなるほど。
来年の新人王にエントリーするのだろうか…今後の道のりが気になる。
しかし、そのうちランキングに顔を出すのは間違いない選手に感じた。

そんな後藤に対抗した小川。
大きく負け越しているが…いやいやどうして。
成長してきた選手か、あと一歩を逃してきた選手なのか。
これまでの道のりを全く知らない為、わからないが…

B級まであと1勝…きっと6回戦のリングでも充分やれる。
力のある選手が揃っている階級だが…7つの負けをレコードに並べて、勝ち進む姿に期待したい。
 
 

■53.0㎏契約4回戦
關 悠佑(協栄) vs 橋本 拓(山木)

關 悠佑 1戦1勝 サウスポー
橋本 拓 4戦2勝(1KO)2敗

リーチで上回る關が長い距離で試合を制して行く。
橋本が近づけばクリンチで絡め取り、橋本は攻めさせてもらえない。
長身サウスポーの關が遠い距離から鋭くパンチを突き刺しながら、足を使って詰めさせず。

時折ボディへ右を伸ばす橋本だが、後続のパンチは続かず。
最終ラウンドには、橋本が強引に入って關の顔面を跳ね上げるシーンも作ったが、
關は無理せずに足を使ってポイントアウト。

マイジャッジは、40-36で關。
公式ジャッジは39-37、39-37、40-36の3-0で關。
 

長身、サウスポー、リーチも長い關。
やりにくさが揃っているような選手。
最終ラウンドを流したクレバーさも強さと感じる。
来年の新人王、期待できる選手ではないだろうかと感じた。

橋本は”やりにくい關”を12分間では攻略できず。
完封されるような形で、スタイルも包み隠されてしまった。
本来の形が、いったいどんな形なんだろうか…。

またどこかで運よく、彼の試合を観戦できる幸運に期待したい。
この日は、相手が強かった。
 
 

■ライト級8回戦
酒井 孝之(協栄) vs 上村 優(ドリーム)

酒井 孝之 9戦6勝(4KO)1敗2分
上村 優 13戦7勝(3KO)5敗(3KO)

しょっぱなから頭を付けて撃ち合い始める二人。
リーチで上回る酒井が、二の腕で相手を押し込んでうまくスペースを作りながらわずかに上回る。
しかし、上村の強烈なボディは脅威。

ゴリゴリのファイトが延々と繰り広げられる中、
力を込めて撃ち込む上村とスピードにのせて鋭利に撃ち込む酒井。
鈍器と刃物の撃ち合いのようにも感じる。

3Rには酒井がグラつくが、次の4Rには酒井の数多くのコンビネーションが上村を襲う。
上村の被弾の数が増えて行き、ダメージの蓄積が不安に感じるほど。
力を込めた反撃はしっかり上村の顔面を捉えており、まだ逆転も匂わせ、止めるタイミングの難しい試合。

しかし、次のラウンド…ボディが効いて後退した上村に酒井が連打を浴びせると、ここでレフリーが英断。

5R 1分38秒TKO
 

最後まで倒れることをしなかった。
まさにファイターの姿を貫いた上村。
武骨でクラシックで迫力のあるそのスタイル…なかなか痺れさせてくれた。
怪我からの復活のリング…耐えた分、まだ諦めないでいて欲しい。
負けに負けるな…心の底からそう思えた。
 

ジムの閉鎖をきっかけに東京に移り、その強さを増していく酒井。
頭を着けてのファイトは本来のスタイルではないと思う。
ファイターに対して、そのファイトを受けて立ち、そして勝ち切った。
僕が思っていたより、酒井は強いボクサーだった。
今後も東京での活躍に一喜一憂したいと思う。
 
 

■フェザー級4回戦
亀田 京之介(協栄) vs 溝越 斗夢(緑)

亀田 京之介 2戦1勝(1KO)1敗
溝越 斗夢 4戦2勝(2KO)1敗1分
 

試合開始前、東のバルコニーで観戦していた自分の背中に圧力を感じる…。
後ろで観戦しているファンの距離が近い…注目度の高い一戦、
熱のこもったファンができるだけいい位置で見ようと距離を詰めているのか…。

同じファン同士、できるだけ見やすい位置で試合を見たい。
そんな思いは痛いほどわかるが…、1時間並んだうえ駆け込んで確保した場所。
簡単には譲れない…できるだけ身をかがめて、後ろからでも見やすいよう努力はするが…。
そんな、自分の心の中のせめぎ合いをしていると…。
隣で見ていた知り合いのファンが驚いた様子で挨拶している。

隣のファンは溝越の身近なファン…溝越の知り合いか…?
その知り合いが紹介してくれる…溝越の家族とのこと。
おばあちゃんとお父さん、そしてお姉さん。

身内なら…自分の家族が戦うリングをできるだけ近くで見て欲しい。
前の場所を譲ろうとすると「ここでも見れますから」…と。
ついついその言葉に甘える。
わずかなスペースにおばあちゃんが滑り込み、溝越のおばあちゃんとくっついて観戦。

ゴングが鳴ると、見合う二人。
お互いに入ってきたところを狙う展開。
見合ったままの駆け引き合戦はピリピリとした緊張感に包まれる。

出たモノ負けの展開…こらえきれるのはどちらか…。
ラウンド終盤、こらえきれなかったのは溝越の方。
思い切って入ったところを京之介の左右フックが襲う。
直後、逆に出た京之介に溝越の右フック…これは少し浅いか。

この攻防に、隣のおばあちゃんは大声をあげて大興奮。
溝越のパンチが当たった瞬間には両手をめいいっぱい広げて拍手。
おばあちゃんの熱気が伝わるように、こっちの熱も上がってしまう。
 

実質的に試合はこの1R終盤の攻防で決まったように思う。
短い4Rの試合、これでもう捨てれるラウンドがなくなった溝越。
お互いに待ってカウンターを撃ちたかった二人だったはずだが…。
溝越は出る以外に選択肢を失った。
重要なシーン、先に”入らされる”のは必ず溝越。

前回の試合、集中を切らせたシーンが目についたが…。
この試合の京之介は最後まで集中を切らさず。
こうなると京之介は強い。

プラン通りに戦えた京之介、プランの崩れた溝越。
主導権を握った京之介は自由に出入りし、
待ちに徹することの許されない溝越は、京之介が入って来るタイミングも捉えきれず。
 

その差はほんのちょこっと。
そのちょこっとが、大きな差を産むボクシング。
ハイクオリティの駆け引き合戦は、一瞬が勝負を決定づけた。

ラウンド間のエキサイト、京之介を投げてしまったり…そんなシーンもあった。
称賛をする気はないが、許容はする。
「投げてはいけない」もルールならば、悪質なものはレフリーが裁くのもルールだ。
本質は血の滾る殴り合い…与えられるべき報いはレフリーによって与えられる。
 

判定が発表される直前、おばあちゃんが漏らす。
「厳しいかね。」
「うーん…厳しいと思います。」

判定が発表され、喜びを爆発させる京之介。
沈み込むかと思えた東側バルコニー。
しかしそれは思ったほどではなく…見守った家族も、大興奮だったおばあちゃんも、
溝越の奮闘にどこか胸を張るような清々しさを感じさせる。

緊張感も、レベルも、素晴らしい試合だった。
少なくとも、僕らが見守った東側バルコニーの一角には充分に伝わったように思う。
 
 
 

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