2019/7/26 -後楽園ホールⅣ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/7/26 -後楽園ホールⅣ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【ミニマム級8回戦】
市川 裕久(角海老宝石) vs 佐宗 緋月(T&T)

市川 裕久 15戦7勝(2KO)6敗2分

日本ミニマム級9位
佐宗 緋月 17戦10勝(3KO)6敗1分
 

1R、どっしり構える市川に対し、素早い出入りをしながらジャブをボディに伸ばす佐宗。
距離が縮まると市川はボディを強烈に差し込むが、ミドルレンジでは佐宗がスピードを活かして
的確に市川の顔面を捉えて行く…、終盤市川が距離を詰めて猛烈にボディを叩き
さらに左フックで佐宗を捉えると、佐宗は左右フックで市川の顔面を捉える。
スピードある好戦的なオープニング。
 

2R、近い距離でのファイトとなると、市川が強烈に下から上へ捉えていく。
佐宗も強烈にボディをから顔面へ左フックのダブルを撃ち込み、
アッパーを差し込む場面を作るが、市川の手数で上回る。
このラウンド、市川の頭に対して注意が2度入る。
 

3R、とにかくボディを撃っていく市川、時折上に持っていく左フックが強烈に佐宗を捉える。
佐宗は怯むことなくジャブを数多く撃ち込む中、強烈な左右フックを撃ち込んで市川の勢いを止める。
ここから一気に佐宗が市川を捉えて行く…アッパーの連打、
左右のフック、ジャブも市川の顔面を跳ね上げる。

しかし、市川も怯むことなく、ボディを撃ち返し、ラウンド終了間際には左フックで佐宗の顎をえぐるが…
左右フックで捉え返されてこのラウンドが終了。
 

4R、頭がくっ付く距離でのファイトとなったこのラウンド。
ボディも顔面もお互いに捉え合う中、一発一発を強烈に撃ち込んでいく佐宗。
徐々に、佐宗が市川を飲み込んでいくかのように手数でも上回り始める。
劣勢に立たされる市川だが、終盤には左フックから右ストレートを突き刺してみせる。
 

5R、お互いジャブを突き合う立ち上がり、佐宗が右アッパーを振りぬくと、
これが強烈に市川を捉え、市川が尻餅をつく直前まで腰を落とす。
一気に襲い掛かり、ロープに詰めて右アッパーの連打で市川を痛めつける佐宗。
なんとかクリンチで逃れると、再開後はお互いに強烈に一発一発捉え合う殴り合い。

しかし、市川がロープに詰まったところで佐宗が右ストレートを効かせると、
フラフラとロープから脱出した市川に右アッパー、右ストレートを突き刺し、
市川の顔面が跳ね上がったところで、レフリーが割って入った。
 

TKOタイムは 5R 1分32秒
 

この試合、市川から見て1勝1分のラバーマッチ。
佐宗が見事にリベンジを果たした形。

市川の左フックは何度も何度も佐宗を捉えていた。
スピードも一発の威力も上回ったように思えた佐宗とファイトし、
しつこいボディで佐宗を押していたようにも感じる。

局面は3R、佐宗がジャブを頻繁に突き始めた場面から変わったように感じる。
ここから佐宗の右アッパーが強烈に市川を捉え始めた。
市川の左フックが何度も強烈に佐宗を襲う中、
右腕が下がるアッパーを恐れることなく撃ち込み続け…
そして、最終的にこのアッパーが試合を決める一撃を演出した。
たまたま当たったパンチではないことは明白だ。

ストップの瞬間、まだやれる思いをはっきりと表情に出した市川。
悔しさが滲み出る表情に、胸が苦しくなった。
これで1勝1敗1分…まだ五分。

この日の勝敗で開いた差が埋まれば、完全決着のチャンスもあり得るだろうと思う。
ボクサー同士の道が重なり合うかは、時の運も含めたもの。
しかし、選手数が少なく相手が枯渇しやすい最軽量級…
その分、ボクサーの道が濃厚に絡み合うのもこの階級の魅力だ。

あれだけアッパーが出る選手…佐宗ははっきりと強い選手だと感じる。
ここから数年後…丁野 拓海(中日)田中 蓮志(トコナメ)
このクラスに対抗できるレベルまで登れるのかどうか…
1週間後に中日本新人王決勝を控える彼らの未来を勝手に想像し、
届いて欲しい…そんな夢を見ながら、この日の後楽園ホールを後にした。
 
 

後楽園ホール付近の天下一品でサクッと夕飯を済ませ、漫画喫茶に入る。
試合を見たばかりのホットな状態で観戦記の作成に取り掛かる。
明日は14時から人と会う予定…時間は充分にある…。

途中まで書いたところで、呼び出しの連絡が…。
相手は緑ジムの岡庭マネージャー。
東京在住ながら、緑ジムのみならず、中日本の多くの試合をマッチメイクしている人。

若き日にはジョー小泉のリングジャパン社に在籍し、ボクシングマガジンに連載も持っていた。
長年業界に身を置き、最近中日本の緑ジムマネージャーとなった。

終電間近の電車に乗り込み、池袋へ向かう。
岡庭さんお気に入りのお店でごちそうになるが、ラーメンを食べてしまっていて満腹状態。
貝出汁の巧そうなソバを眺めて少し後悔しつつも、
絶品のポテトサラダと炙りトロ鯖を楽しませてもらった。

話題は僕のアイドルボクサー、ヘスス・ロハス(ベネズエラ)の話題から
僕がまだボクシングにハマる前…映像で見返した時代のボクシングの話に。
 

関係者とただのファン…しかし、好きだから関係者をやっているわけであって
結局こういう場になれば、その垣根はなくなってしまう。
ただのボクシング好き二人が歳の離れた友人のように言葉を交わす。

さらに中日本のボクシングの話題になると、若造が生意気なことも言ったように思う。
それでも、岡庭さんは聞き役になってくれた。
僕には見えておらず、岡庭さんには見えているものの方が多い。

外側に身を置く自分と、内側に身を置く関係者。
嫌なことも内側の方がよっぽど多いだろう。

食事が済み、岡庭さんの車で、漫画喫茶送り届けてもらう中…
結局、好きなんだよね…なんていう、ボクシングの話で必ず落ち着く場所に、話が落ちていく。
 

自分のエゴ丸出しで書いているこのブログや選手名鑑を褒めてもらったが…。
これがどれだけボクシングの役に立っているかは正直、実感がなくあまりわからない。
自分が楽しむためのツールとしては、かなり効果があって…
それを誰かに共有したい思いは強くある。
どう?楽しいでしょ?…なんて思いだ。

それでも、足りないな…なんて思うことは沢山あって…
新たなチャレンジもしたいと思っている。
応援してくれる人、協力してくれる人も沢山出て来た。
ありがたい限り…

観戦記の作成時間は1興行につき10時間程。
選手名鑑のページは試合数に大きく左右されるが、平均すると1ページ1時間程。
一人の空間で時間に追われると、どうしても独りよがりになっていく。

「一人でやっているわけじゃない。」
岡庭さんとの話の中で、それを実感させてもらえた。
協力してくれる人たちの存在を再認識させてもらえた。
 

もし、このブログが役に立つなら、少しでも役に立ちたい。
ボヤボヤしてたら、大好きな選手たちが引退してしまう。
その前に、ページを作り、観戦記を書き、少しでも。
そんな思いにさせてもらった。

今回の遠征は連日の後楽園ホール。
明日もまた、初めて見るボクサーたちがたくさんいる。
きっとまた、好きなボクサーが増える。

岡庭さんに送り届けてもらった漫画喫茶の中、
観戦記を書きながら、この日は力尽きるように眠っていた。
 
 

 
 

 
 

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