2024/12/01 -愛知・津島市文化会館- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【フライ級4回戦】
沼口 侑樹(宮田) vs 加藤 頼(名古屋大橋)
思い切り右で殴りつけに行く沼口と、前の手で強烈に入りを叩く加藤。
モーションは大きいが、形の汚い右はやりづらそうにも見え、時折被弾する加藤。
しかし、そこに至るまでに前の手を巧みに操り、強烈に沼口をとらえていく。
どれだけ強烈に被弾しても、前に出ていく沼口。
2R終盤にはダメージの蓄積か、足元を揺らす場面も。
乱戦に巻き込めるか…沼口のトライは続く中、3R、セコンドからタオルが投げ入れられた。
TKOタイムは3R 1分28秒
加藤の至近距離でのアッパーと、前の手の多彩さが際立った。
思い切り振ってくる沼口に対し、被弾しても後手には回らず、
入りを左で強烈にとらえ、至近距離に入ればアッパーを突き上げてポジションを変えた。
ぶきっちょに見える沼口のボクシングだが、タイミングは特殊で
相手にとってやりづらいもののようにも思える。
乱戦に巻き込まれなかった加藤がはじき返した構図、強さを見せた。
沼口は被弾重なる中でも、トライをあきらめず。
最後はセコンドがギブアップした。
セコンドにギブアップさせるところまで立ち向かい続けた。
人の心を震わせる要素をしっかりと持ったボクサー。
長く続けてほしいと思った。
沼口 侑樹 1戦1敗
加藤 頼 5戦3勝(1KO)2敗
【バンタム級4回戦】
佐治 大輝(タイガーウイング) vs 蓮田 智(本田フィットネス)
ロープ伝いに足を使い、入ってくるところに拳を打ち込む蓮田。
強烈にとらえる場面を見せるが、撃ち合いになると回転が続くのは佐治の方。
佐治がまとめて、蓮田がクリンチに逃れる場面を何度か見せた後。
佐治がより好戦的に追いかけて行って、連打をまとめると、
蓮田は押しつぶされるようにダウン、同時にタオルが投げ入れられた。
TKOタイムは1R 2分38秒
ロープを背負いながら返した蓮田のハンドスピードには驚いた。
佐治がもらいながら入ってきた場面での撃ち合いでも、
蓮田が佐治の顔面を跳ね上げるシーンはあったが、
被弾しても止まらず拳を繰り出す佐治が撃ち勝っていった印象。
瞬間的な回転やハンドスピードでは、佐治に負けていなかったはず。
撃ち合いに持ち込んだ場面、もらいながらも佐治の回転は止まらず。
さらに回転をあげて相手を飲み込んだ強い勝ちっぷり。
デビュー戦に続いて見せた鮮烈な姿、来年の注目株になりそうだ。
佐治 大輝 2戦2勝(2KO)
蓮田 智 3戦3敗
【60kg契約4回戦】
吉原 圭亮(杉田) vs 篠田 健斗(岐阜ヨコゼキ)
ゴングから前に出る篠田を吉原が鋭利なアッパーで迎え撃つ。
しつこく出る篠田をさばききれず、コーナーで篠田の右がカウンターで刺さると
吉原の膝が折れる絶体絶命のピンチも。
2Rに入ると吉原が前に出て撃ち合いへ。
お互い強烈な被弾を浴びるも、ひるまずに戦い続ける。
とにかく篠田がしつこく、オーバーペースが心配になるほど。
撃ち合いのさなか、しっかりとボディも削り、上も強烈にとらえる。
手を出しまくった篠田、ボディを削られまくった吉原。
どちらが先に消耗するかとみていたが、最後の最後まで撃ち合い続けた二人。
殴り合いつづけて、試合終了のゴング。
マイジャッジ 40-36 篠田
40-36×2
39-37
3-0 勝者:篠田
外す動きが多い分、篠田の方が手が出たか。
受けて返すより、外して返す方がスムーズに手はまわる。
お互いに強烈に被弾し続けながらも、失速せずに撃ち合った。
老舗岐阜ヨコゼキが「負けながら強くなる」選手を輩出してきている。
篠田もまた、敗戦の中で力を伸ばし、「ヨコゼキブランド」の仲間入りを果たしたように思える。
かたや、デビュー戦から、そういった相手と対峙し、がっつりと撃ち合った吉原もまた見事。
世界を期待させる輝きからは程遠い、足りない選手ばかり…
だからこそ表現できる足りない奴らの奮闘記。
現在の杉田ジムが描いているプロボクシングショーもまた、中日本の至宝の一つ。
両ジムの特色を存分に体現したような、岐阜ヨコゼキvs杉田の岐阜ダービー。
心底楽しませてもらった。
吉原 圭亮 1戦1敗
篠田 健斗 3戦1勝2敗
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