2017/8/6 刈谷あいおいホール-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2017/8/6 刈谷あいおいホール-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

■女子
【スーパーフライ級4回戦】
近藤 佐知子(駿河) vs 塩見 寿奈(トコナメ)

・近藤 佐知子 デビュー戦
・塩見 寿奈 デビュー戦
 

1R、ワンツーで撃って出た近藤。
開始とともに右ストレートをヒットさせる。
…が、塩見がジャブで押し返し、一進一退の攻防。

決して綺麗な形ではないが、揉み合いのような中で両者の負けん気を感じる。
積極的にボディを出していった塩見がやや優勢に進めたように見える。
 

2R、塩見のパンチを外してから、ワンツーを撃って行く近藤。
しかし、単発ながら塩見の右ストレートも近藤を捉える。
明確な優劣がつけがたい拮抗した試合。
 

3R、これまでより少し距離ができ、両者はっきりしたヒットが増える。
ラウンド前半、近藤を捉えていった塩見だったが、中盤以降、やや失速を見せる。
それでも、綺麗なヒットを奪うのは塩見の方、数では近藤…。

どこまでを有効打と見るべきか…。
若干近藤優勢とも思えるが、女子の観戦歴が浅く自信が持てない。
 

4R、泣いても笑っても最後のラウンド。
一気に攻めていった塩見。
しかし、最後までそれを維持することはできず、回転では近藤が上回る。

最後までどっしりと迎え撃った感のある近藤。
 

判定は…

39-37、39-37、38-38
 
 

2-0
 

勝者:塩見 寿奈
 
 

マイジャッジは39-37で近藤。
難しい試合だったが、序盤から上下をしっかり叩けた塩見の手が上がるのも納得の範囲。
 

迫力やスマートさで言えば、身体的に強い男子とは比較にならないが…
じゃあ気迫的なところで言えば…女子もやはり面白い。
まずいな…ハマったらますますいろんなことに手がまわらなくなる。

きっと女子の世界も奥深いのだろう。
女子のトップレベルの試合を見たことがないので、両者の力がどうとかは解らないけれど…。
 

ナイスファイト!
新鮮な気持ちにさせてくれた。
 
 

 
 

 
 

■中日本新人王決勝
【ミニマム級4回戦】
水谷 流(トコナメ) vs マンモス 和則(薬師寺)

・水谷 流 5戦3勝2敗 サウスポー
・マンモス 和則 2戦2勝(2KO) サウスポー
 

ゴングが鳴るとともに、足を使って、高速でリングを回る水谷。
迎え撃つ形になるマンモス。

距離の測り合いから始まった静かな展開。
両者の交錯するジャブはハイスピード。
そして、お互いまともにヒットを許さない。
コンタクトは少ないながら、ハイレベルな攻防。

ラウンド中盤、水谷が入ってきたところをマンモスのアッパーが捉えるシーンが出始める。
しかし水谷は巧みに追撃をかわし、マンモスの攻撃を単発で寸断。

しかし、ラウンド終盤に入ると、
水谷がダッキングしたタイミングに右を撃ち降ろしたマンモス。
テンプルを捉えると、左右のフックを突き立てて水谷の動きを止める。
しかし、水谷も右を被せて意地を見せる。
 

2R開始直後、先に捉えたのは水谷。
カウンターで強烈な右をヒット、さらにもう一度同じようなシーンが…

しかし、プレスをかけてマンモスが水谷をロープに詰めると、回転とパワーでマンモスが上回る。
いくつか被弾しながらも、アッパーを効かせるとそのままラッシュ。
最後はテンプルへの左フックで水谷が崩れ落ちるのと同じくして、コーナーからタオルが投入。

TKOタイムは2R 1:43
 
 

立ち上がった水谷は、投げ込まれたタオルに気付いていないよう。
足をガクガクさせながら、平静を保っているように見せようとする。
…が、脇を抱えるトレーナーに気付き、悔しさ溢れる表情に。
 

持ち合わせているものはとてもいい。
スピードに乗った小気味いいスタイルは爽快に感じる。
才能に恵まれているように思えた水谷…。

しかし、それを格別のパンチ力でねじ伏せてしまったマンモス。
有無を言わさず…強い。
 

この階級、今年は西の方に全日本新人王の有力候補がいるという。
正直、マンモスが負ける姿は想像がつきにくいが…。

このステージの選手に言うべきことではないとは解っているけれど…
何年か先、IBF世界ミニマム級王者の京口 紘人(ワタナベ)と戦うところが見てみたい。
破格の強打者同士の対決…そんな夢を描いてしまう。
 
 

それにしても、冨田 真(HEIWA)しかり…中日本の最軽量級は個性豊かで面白い。
 
 

 
 

■中日本新人王決勝
【ライトフライ級4回戦】
東 健史(ARITOMI) vs 長井 佑聖(市野)

・東 健史 5戦3勝(1KO)2敗
・長井 佑聖 1戦1勝 サウスポー
 

リングインではトップロープを越えてリングインしようとした長井。
しかし、足を引っ掛け、頭からリングに落下…
「えぇぇぇ!!!??」…と声が出てしまうが、
照れ笑いを浮かべる長井にホッと胸をなでおろす。
会場は安堵も含めた笑い声。
そんなハプニングはさておき、1Rのゴングが鳴る。
 

オープニングヒットは東の右ストレート。
長井のシャープな左右のフックが東の顔面を跳ね上げるシーンも。

先に手を出すのは東だが、それを外してカウンターで捉える長井。
シャープなパンチで切先を制する。
 

2Rに入っても、サウスポーの長井に対し、東は距離をつかみきれないか…
東の1発目に長井の強烈な左ストレート、左右フックが東を捉え、東は手数が出ない。

ぼくはよく”弾幕の東”なんて言っていたけれど…
1発目を抑えられることで、東が封じられてしまっているように感じる。

打開しようと詰めて押し込む東…ロープ際に追いつめて距離を潰そうとするも、
前後の動きでうまく距離感をコントロールする長井。

ラスト10秒、強烈な右ストレートをヒットさせた東がもらいながらも、コーナーに追い込むが…
ここはゴングでタイムアップ。
 

3R、お互い単発のヒットが目立っていた試合だが、開始直後、一気に攻めた長井。
強烈に3連打をヒットさせる。

しかし、その後、長井は疲れが見えたかまた試合は膠着。
それでも、東は距離の合わない長井を攻めあぐねる。
しかし…ラウンド中盤、起死回生とも思える東の強烈な右ストレートが長井の顔面を跳ね上げる。

ここはクリンチに逃れた長井。
東は回転力を発揮する前にチャンスを潰されてしまう。
すると離れ際に、長井の強烈な左フックが東のテンプルを捉える。

合間合間に長井は強烈なボディを突き刺し、東を疲弊の極致に引きずり込む。
 

4R、東は攻めて出るが…コーナーに詰めても、長井はフィジカルで押し返してしまう。
距離が詰まったところでの攻防。
長井は撃ち終わりの危険なタイミングをクリンチに逃れ、東のチャンスをつぶす。

さらに強烈なボディを効かせて、東の失速を呼び込む。

お互い前ががりなったラスト。
東が押し込むが、連打はクリンチで寸断され…”弾幕の東”は封じられる。
 

39-37、39-37、40-36
 
 

3-0の判定。
 

勝者は…長井 佑聖。
 

マイジャッジは39-37で長井。
 

ハンドスピードもありつつ、特筆すべきはフィジカルの強さ。
押し込まれてもはじき返す、身体的な強さは特徴的。
そして、東を完全に封じてしまった部分は作戦勝ちか…
 

東はこの試合、いいところを見せれずに敗退。
どうにもならなくなったタイミングで、がむしゃらに攻めて出た東。
それは誰にでもできることじゃない…。
しかし、それさえ長井にからめ捕られてしまった。

雁字搦めの12分間…この経験が、さらに東を強くすると思っている。
 

この日、東を初めて見たファンに断言しておきたい。
東はこんなもんじゃない。
 
 

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