2025/09/29 -東京・後楽園ホール- 第4試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/09/29 -東京・後楽園ホール- 第4試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【女子ミニマム級6回戦】
樋口 藍(一力) vs アダムス・ハナコ(ハッピーボックス)

お互いにタイミングを測りあう中、
接近したところで樋口が立て続けに左をヒットさせる立ち上がり。
アダムスは少し遠いところでタイミングを制されパンチが届かず。

2R、アダムスのフェイントのテンポが上がると大砲のぶつけ合いに。
オーソドックスのアダムスの右ストレート、
サウスポーの樋口の左ストレートがとらえあう。

3R、変わらず緊張感の高い駆け引き合戦。
樋口が踏み込んで左をヒットさせる。
接触は少ないものの息をのむような見ごたえ。

4R、アダムスはこれまでより大きく足を使う。
樋口は踏み込むタイミングをなかなか与えてもらえず。
はっきりとしたヒットがほとんどないまま2分が経過していく。

5R、むつかしい時間帯が続いていく中
ラウンド終盤、アダムスが入ってきたところをコンパクトにとらえた樋口。
終盤に見せ場を作ったこと大きな場面。

6R、足を使ってアウトボクシングのアダムス。
長身選手が自分のボクシングを残りの2分でぶつけにかかる。
細かいヒットを奪われた樋口、ズルズルいけばドローもあり得るか…。
そんな中で後半、樋口が強引に出てヒットを奪い返す。
12分間続いた瞬間の奪い合いがタイムアップ。

マイジャッジ 58-56 樋口

公式ジャッジ
58-56×3 
3-0 樋口


どちらのタイミングが優れているかの勝負にも見えた。
フェイントをかけあいながらの居合斬り合戦。
たった一つのパンチがそのラウンドのポイントを決める緊張感。

最終ラウンド、ポイントをとるために撃ち合いに行くのではなく、
アウトボクシングに舵を切ったアダムスには、
「自分のボクシング」を感じさせてくれたように思えた。
ただ、なかなか明白な攻めにはつながらず。

アダムスにタイミングを与えず、わずかなスキを数多く突いた樋口に軍配。
これまでフライ~バンタムを主戦場にしてきた樋口が、ミニマムでしっかりと結果を残した。
ランキングも上位を見込める勝利で、いよいよタイトル射程圏内か。

左腕の病で再起不能宣告から一年、復活した樋口が念願の舞台へカウントダウンとなった。


樋口 藍 9戦4勝3敗2分
アダムス・ハナコ 11戦3勝5敗3分

 

【77.2㎏契約8回戦】
草村 龍弥(一力) vs イ・ウンチャン(韓)

サウスポー草村の強烈な左ボディストレートがオープニング。
じっと見るリに対し、強烈に左ストレートを打ち込んでいく草村。
イは撃ち終わりのタイミングを測っているか。
ほとんど手が出てこない。

2R、手を出し始めるリだが、そのパンチをすいすいとかわして
ワンツーを叩き込んでいく草村、
体で押し込んでガチャガチャ攻め込んでも、イの拳はなかなか当たらない。

3R、ジャブを飛ばすイだが、草村がテンポよく攻め立てる。
一方的な展開の中、足元を揺らして攻め立てたところでイ陣営からタオル。


TKOタイムは3R 1分7秒


ここからロープへ詰めて一気のラッシュが始まろうかとしたところ。
既に被弾が重なっていたイをコーナーが救った。

日本人選手相手に1P差まで迫るなどの過去実績のあったイだったが、
攻め手を奪われ、一方的に被弾していった。
草村が巧く的確にその強打を叩き込んで、試合を制した。

WBO-APのランカー対決ともなったこの試合。
草村が圧倒的な力の差を見せた格好となった。
10位からどこまでランキングを上げるか…近い将来、ベルトをまく姿を楽しみにしたい。


草村 龍弥 8戦6勝(5KO)1敗1分
イ・ウンチャン 19戦12勝(6KO)7敗

 

■日本女子アトム級タイトルマッチ
【アトム級6回戦】
モンブラン みき(一力) vs 宗利 佳歩(RST)

1R、足を使うのは宗利の方。ワンツーをぶつけ合う二人。
スピーディに進む攻防、お互いの顔面が同時に跳ね上がる場面も複数回。
スリリングな立ち上がりとなる。

2R、打ち合いの中、モンブランの撃ち終わりにまとめるシーンを作る宋利。
強打で襲うモンブラン、互角の展開ではあるが
印象的なシーンは宗利が作ったか。

3R、これまで以上に手数、圧力を増したモンブラン。
撃ちだせば回転は宗利が上回るものの、アタックし続けることで
宗利にそのチャンスを与えない。
ラウンド終盤には宗利の顔面が何度も跳ね上がる。

4R、試合はいよいよ一進一退の撃ち合いへ。
日本女子の頂上決戦で二人が真っ向勝負の跳ね上げあい。
宗利も足を止めて試合は激戦の様相。

5Rも撃ち合い、宗利がまた足を使い始める。
撃ってはまわるが、モンブランは撃たれながら踏み込んで捉える。
両者激しく顔面を跳ね上げあう。

6Rも同じ展開。
もらいながらも、恐れず踏み込むモンブラン。
圧倒的なアタックの数が手数差を産み出していく。
それでも、きわどいと思える接戦の中、試合終了のゴング。

マイジャッジ 57-57

公式ジャッジ
57-57
58-56×2

2-0 モンブラン

拮抗したラウンドが半数はあった拮抗した試合だったが
はっきりとしたラウンドをより多く重ねたモンブランが判定を制した。
タイトルマッチにふさわしい、強い選手同士の激突。
体の強さでモンブラン、スピードで宗利。
お互いがストロングポイントをぶつけ合った面白い試合だった。

実力者であることは間違いない宗利の今後の復活劇にも期待したいところ。
モンブランは狩野 ほのか(TEAM10COUNT)へのリベンジを宣戦布告。
会場にいた狩野がリングに上がり、受けて立つ意向を示した。

群雄割拠とも言える女子軽量級。
世界戦線にも多くの選手がいる中で、その一歩手前でサバイバルが繰り広げられる。
今後の展開含めて楽しみにしていきたい。


モンブラン みき 17戦8勝(2KO)8敗1分
宗利 佳歩 7戦4勝(2KO)3敗

 

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