2025/11/16 -石川・石川県産業展示館- 第5試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/11/16 -石川・石川県産業展示館- 第5試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■日本スーパーバンタム級ユースタイトルマッチ
【スーパーバンタム級8回戦】
武藤 涼太(松田) vs 山本 愛翔(カシミ)

8R判定 3-0(78-74、78-74、79-73) 勝者:武藤

しつこくしつこく前に出る山本。
潰れた距離で綺麗ではなくとも拳を当てていく。
全身での戦いを挑んでいく中クリンチになる場面も多くなる。

押し込んでボディを削りに行く山本だが、
武藤は押し合いの中でふっと位置を変えて拳を滑り込ませる。

4R終了時点の公開採点は39-37×2、38-38の2-0で武藤。
マイジャッジは38-38

6Rも前に出る山本だが、手数がぐっと減り始める。
武藤が一気に攻め立てていくが、山本はもらってもらっても前へ。
押し合いが目立った試合が次第に撃ち合いとなっていく。

全身全霊、体で押し込みながらのファイト。
最終ラウンドには落ちていた山本の手数も戻り、
お互いが強烈に顔面を捉え合う。

下がりながらも的確に捉える武藤。
死力を振り絞って立ち向かっていく山本。
熱量のたぎったまま8Rが終了した。

マイジャッジは76-76のドロー。
ただし、4Rまでで39-37の傾向を踏まえれば78-74が妥当とも思えた。

6Rにはっきりとしたラウンドを作った武藤。
接戦だった試合をここから突き放した印象もある。

押してくる相手の圧をスッと外してサイドに回っての武藤の強打。
押し引きのテクニックが大きく効いたようにも思えたが、
なんだかそういった分析じみたものがちんけなものにも思えた。

山本が全身全霊で向かっていった。
形は綺麗ではなく泥臭く泥臭く、ボディを削りに行った。
その山本の作った展開を受けて立ち、はじき返した武藤。

ユースとは言えチャンピオン。
強い王者が勇敢な挑戦者をはじき返した…そんな構図だったようにも思う。
二人のホープが見る者の感情を揺さぶった試合だった。

武藤 涼太 11戦9勝(5KO)1敗1分
山本 愛翔 9戦7勝(1KO)2敗

 

■日本スーパーフライ級ユース王座決定戦
【スーパーフライ級8回戦】
村田 碧(松田) vs 森脇 龍星(KWORLD3)

8R判定 3-0(78-73、78-73、79-72) 勝者:村田

激しく細かくテンポを刻みながらスピードに乗って拳を繰り出してくる森脇。
ゆったりと構えて迎え撃つ村田。

2R、ジャブの差し合いが続く中、森脇が深追いしたところに村田が左フックで捉える。
膝を着いた後、立ち上がろうとしたところでバランスを崩し、
派手に後ろによたついてしまう森脇。

痛烈なダウンシーン。
ラウンドの残り時間はわずか、森脇がなんとかクリンチで乗り切る。

3Rに入り、森脇が積極性を増すが、攻め込む森脇から村田が巧みにヒットを奪っていく。
ただ森脇が踏み込んで乱戦に持ち込むと、村田が持て余す場面も。

4Rには森脇がショートで村田を揺らす。
一気に形勢逆転かと思えた場面、村田は下がりながらボディを突き刺して森脇を止める。

公開採点は39-36×2、38-37 3-0で村田が優勢。
マイジャッジは38-37で村田。

乱戦じみた場面では強さを発揮する森脇。
だが、多くの時間は村田が足を使ってのヒット&アウェイ…シャープにパンチを突き刺していく。
森脇が攻めあぐねるように手数を減らす場面も。

体から先に行って後からついてくるようなタイミングをずらした右を撃ち込むなど、
森脇もあの手この手で、攻略を試みるが…。
村田がリングを大きく飛び回って突き放していく。

ラストラウンドは撃ち合いでも村田が上回って試合終了。

マイジャッジ77-74で村田。
公式ジャッジは78-73×2、79-73 3-0で村田。

たった4戦目のキャリアでここまでの強さを見せた森脇。
凄まじいスピードと、多種多様なパンチの引き出し。
明らかに強い選手だった。

より強いものに挑んだからこそ喫した二つの黒星。
ジュニア時代、高校時代とその世代で日本一にも輝いた逸材。
ここから復活して、まずは国内戦線をかき回してほしいとも思えた。

これまで相手を圧倒し続けてきた村田だったが、
この試合では森脇の強打が入る場面もあり。
最も相手に見せ場を与えた試合とも言えるように思えた。
しかし…それでも終わってみればダウンを奪っての大差判定。

世界を期待される関西のホープを相手に、村田がその強さを誇示して見せた。
ユースタイトル奪取でランキングも大きく上がってくれることと思える。
上位は混戦模様…中日本の誰が最初にチャンスを掴むか。
まだまだサバイバルは続いていきそうだ。

村田 碧 9戦9勝(5KO)
森脇 龍星 4戦2勝(2KO)2敗

 

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