2021/03/21 -刈谷・あいおいホール- 第6試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2021/03/21 -刈谷・あいおいホール- 第6試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■中日本バンタム級新人王1回戦
【バンタム級4回戦】
大城 雄都(トコナメ) vs 大久保 俊亮(中日)

大城 雄都 デビュー戦 サウスポー
大久保 俊亮 デビュー戦


1R、鋭くジャブを飛ばしていき、左ストレートにつなげるサウスポーの大城。
長い左を飛ばしながら距離を取る大久保。
中盤、密着戦の中、揉み合うようになりながらコンパクトに
拳をぶつける大城に対ししつこくボディを叩く大久保。
見栄え良く顔面を捉えるのは大城の方だが、
大久保の強烈なアッパーが大城を捉える場面も。


2R、組み付いた場面で隙あらばボディを襲う大久保。
先に先に手を出し、手数でしっかり上回りながら顔面にも返していく。

ラウンド中盤にはフレーム的に一回り下回る大城だが、体で押し込んで行き
中盤には大久保の右ボディに、強烈な右フックを合わせて大久保を後退させる。

グイグイ押し合う展開は小さい大城の方が不利に思えたが、
体の力で負けていない。


3R、このラウンドも至近距離の攻防…大城の手数が増え始める。
大久保の上への攻撃を丁寧にダッキングしながらコンパクトに手を出し、
次々に大久保を捉えて行く…時折大久保のパンチを強烈に浴びるも
下がることなく、前へ前へ進みながら、細かく、細かく捉えて行く。


4R、とにかく手を出しながら追いかけていく大城。
距離を取ろう下がる大久保だが、押し込まれて被弾を重ねる。
中盤、足を止めて密着戦へ…しつこくボディを叩いて展開を盛り返す。
大城も負けじとアッパーを繰り出し、お互いに体力の限界を試すような
消耗戦のまま試合が終了。

 

マイジャッジ 39-37 大城

39-37×2
38-38

2-0 勝者:大城


一回り大きな相手に対して押し負けない戦いぶりは、フィジカルの強さを感じさせる。
また、コンパクトに撃っていく場面では当て勘の良さも感じさせてくれた。
バランスの整った好選手…エントリー選手が多く、中日本新人王まで
3戦を勝ち抜く必要がある中、充分に可能性を感じさせてくれたように思える。


準々決勝では、1回戦を1RKOで勝ち上がったドプラド・フェリペ(緑)と対戦。
5/9のリングで対峙します。


対して、大久保…距離を潰され、
フレームの大きさを活かしきれなかったが徹底したボディは有効だった。
リーチのある選手では、長い距離に依存して近い距離の武器に乏しい選手もいるが
デビュー戦から、しっかりと武器を見せてくれたように思う。
今後の戦いぶりに期待したい。

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【52.5kg契約4回戦】
野元 尚樹(岐阜ヨコゼキ) vs 百田 康平(唯心)

野元 尚樹 2戦1勝1分
百田 康平 4戦2勝1敗1分


1R、ガードを固めて前進する百田に対し、
下がりながらスピード豊かに拳を飛ばす野元。
強烈にボディを突き刺し、入ってくる百田をアッパーで襲う姿は
スマートでセンスに溢れているように見える。

百田はひたすらにプレスで野元を詰め続けロープに押し付けてボディを叩く。
その間、野元の鋭利なパンチを浴びてもビクともせず。
固いガードで致命傷は負わない。


2R、しつこくしつこく詰めてはボディを撃ちつける百田。
ガードの固い百田に対して、野元もボディをしきりにえぐる。
試合は見ているだけでえづいてしまいそうな地獄の腹の削り合いへ…。


3R、このラウンドもボディ攻めを徹底する百田。
ガードの上からでもお構いなしに上下に撃ち分ける野元、
響き渡る炸裂音と大きくずれる百田のガードがその威力を物語る。
しかし…しっかりとガードを固めて腹撃ちを繰り返す百田に対して、
終盤に入ると、野元の手数が減っていく。


4R、時折上へも返すが、やはり百田は最終ラウンドも腹攻めを徹底。
野元の足は完全に止まっている…。
中盤に入って手が出始めるが、強烈に拳をぶつけても百田はビクともしない。
百田が押し込み続ける中…試合終了のゴング。

 

マイジャッジ 38-38 ドロー

公式ジャッジも38-38×3
0-0のドロー。

 

センスの塊とも思える野元…。
2戦連続のドローだが、間違いなく結果はついてくる選手だと思っている。
パンチ力もスピードもある…今年の新人王トーナメントにエントリーはなかったが
もしエントリーすれば、優勝候補の一人として名前の挙がる存在だと感じる。
勝ち切れなかったのは、この日の相手が並みではなかった…そう感じた試合だった。


徹底した腹攻めで、野元をドローに引きずり込んだ百田。
試合によってはボディがなかなかポイントに反映されない場合もあり、
上を狙いたくなるのが常だとは思うが…貫くように12分間ボディを攻め続けた。

ハートの図太さもファイターとして申し分ない好選手だと思える。
生粋のファイターとしては、この地方では干場 悟(蟹江)テル のび太(緑)が中心だと思っている。
まだ少し時間はかかるだろうが、そこに食い込む逸材だと感じた。
ここからの道のりを存分に期待したいと思う。

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