2021/03/21 -刈谷・あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【50kg契約4回戦】
鈴木 尊虎(トコナメ) vs 松浦 克巳(岡崎)
鈴木 尊虎 4戦2勝1敗1分
松浦 克巳 デビュー戦
静かに左を刺し合う立ち上がり…。
立ち姿が松浦 克貴(岡崎)とうり二つの弟、克巳。
鈴木が左右ボディでえぐると、コーナーまで下がって、
鈴木が入ってきたところに右ストレートを突き刺す松浦。
そのまま後続のパンチを浴びせながら、鈴木の反撃を上体で
ふにゃりとかわしてコーナーを脱出する松浦…目の良さ、柔らかさ…。
兄のデビューの頃と同じく、抜群のセンスを披露する。
しかし…相手は今年の全日本新人王候補と言って差し支えない鈴木。
ロープまで連打で詰めていくと、松浦が固めたガードの隙に右ストレートを突き刺す…。
流石にデビュー戦で鈴木は荷が重いか…そう思った瞬間、
松浦は相打ちの右を撃ち込んでロープを脱出。
気の強さは兄以上…さらにラウンド終了間際には入って来た鈴木に
左フックを浴びせる松浦…これが初めての3分間とは信じられない立ち上がり。
2R、緊張感の高いフェイントの応酬の中、お互いの右の相撃ちがオープニング。
次のコンタクトでは松浦がボディストレートを突き刺すが
今度は鈴木が右フックから左ボディを突き刺すと、ロープに追いつめて連打を浴びせる。
この場面で松浦も撃ち返し激しくパンチを交錯させる二人。
試合の熱力がグッと上がる。
仕切り直し後、松浦のワンツーを反応できずに浴びる鈴木。
もらってからの返しが異常に早い鈴木…こんなシーンは初めて見るように思う。
じりじりと詰めて下から攻めて行く鈴木。
一発当てれば後続が必ず出てくる鈴木と、足を使いながら単発を浴びせる松浦。
驚きのシーンを連発している松浦だが、ポイントは鈴木に流れているか…。
3R、逆に松浦のパンチを距離で外し始める鈴木。
駆け引きの中で踏み込んで下から連打を撃ち込み痛烈なヒットを奪っていく。
しかし中盤、踏み込んだ鈴木に松浦が左フックを突き刺すと、
次の場面の撃ち合いでは次々とカウンターを突き刺して撃ち勝ってみせる。
松浦…まったく譲らず、鈴木がギアを上げたように攻め込んでも
上体柔らかくその拳をかわしていく…。
4R、このラウンドも緊張感の高い攻防の中、
中盤には右フックからの左ボディをきっかけに鈴木が一気に攻め込む。
ガードとボディワークでかわしていく松浦だが、鈴木の連打の回転は止まらず
全弾はよけきれない…左フックを返してもタフな鈴木はそのまま攻め込んで来る。
ロープまで攻め込まれてクリンチで脱出…。
ここまでのポイントが微妙な中、獲れば勝利に大きく近づく最終ラウンド。
見栄えの悪いシーンができてしまった松浦にとって、攻めるしかない状況になる。
足を使い、入って来る松浦に拳を合わせる鈴木…。
前半とは逆の展開の中、キャリアに勝る鈴木が松浦を翻弄していく。
終盤には踏み込んでボディからのコンビネーションで印象を決定づける。
鈴木が最終ラウンドをしっかりと制して試合終了のゴング。
マイジャッジ 38-38 ドロー
微妙だった1Rと2Rを松浦に振ってのもの…。
公式ジャッジは…
39-37×3 鈴木
3-0
勝者：鈴木。
輝きに満ちた新星の登場に対し、4戦の中で
期待選手としての立ち位置を作った鈴木が仁王立ちしたような恰好。
しっかりとその強さを知らしめた。
鈴木が相手だったからこそ、松浦の輝きがあれだけの感嘆に満ちた。
それは即ち、鈴木の強さがはっきりと認められている証拠だと思う。
全日本新人王…今年こそ獲ってきて欲しい選手。
最後は力負けしたが…デビュー戦から鈴木を相手にする。
全日本新人王決定戦にまで勝ち進んだ、兄に負けず劣らずのセンスと、
それ以上の負けん気の強さ…驚きの連続だった。
ライトフライ級、フライ級の中日本4回戦は将来の
ランカー候補と思える逸材が群雄割拠の状況。
また一人、強烈な役者が登場したように感じる。
鈴木はねじ伏せるがごとくの強者、各務 海都(尾張水野)と。
松浦はロングレンジのサウスポー、森川 祐輝(緑)と。
8/8 中日本新人王決勝でそれぞれ激突する予定。
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2:10:07頃 ゴング
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