2019/08/18 -大阪・天満橋エルシアターⅡ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/08/18 -大阪・天満橋エルシアターⅡ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【スーパーバンタム級8回戦】
大里 登(大鵬) vs 諏訪 亮(真正)

大里 登 22戦10勝(2KO)8敗(1KO)4分
諏訪 亮 12戦11勝(2KO)1敗
 

一回り大きな大里と、ジャブを刺し合う諏訪。
プレスをかけていく諏訪だが、大里が長いジャブを諏訪に突き刺していく…
ラウンド終盤には、諏訪が踏み込んで左アッパーを突き刺せば、
諏訪が踏み込んだ所に大里が左フックをヒットさせる。
お互い譲らぬ展開の中…ラウンド終了間際、諏訪が右ストレートをカウンターで突き刺す。

まずはより多くジャブを刺した大里が制したか…
 

2R、下がりながらジャブを頻繁に出し、ワンツーに繋げて諏訪を捉える大里。
しかし、時折、その撃ち終わりに右ストレートを突き刺す諏訪。

ラウンド序盤、強烈に右ボディを突き刺した諏訪。
中盤から大里の右ストレートが強烈に諏訪を捉えていく。
諏訪にとっては距離が遠い展開の中、距離を詰めた諏訪が、右アッパーをもらいながら右フックを突き刺す。

この撃ち合いで揺れたのは諏訪の方…たたらを踏んで後退するが、
体制を立て直すとすぐにお互いのパンチが強烈にあたる距離に踏み込んでいく。
少しダメージがあるか…鈍さを感じる諏訪に対し、ここの撃ち合いは大里が上回り的確に捉えて行く。
 

3R、大里のジャブとワンツーがはっきりと試合をコントロールし始める。
撃ち終わりにパンチを振るう諏訪だが、大里は上体柔らかくそのパンチをことごとく躱す。
ラウンド終盤、若干踏み込んだ大里に対し、諏訪が左右フックを突き刺して反撃。
 

4R、距離の遠い諏訪…変わらず大里の長いジャブが機能しているが、
踏み込んで右ボディを強烈にヒットさせた諏訪。
諏訪のパンチが捉える頻度もわずかずつ増えて来るが…
諏訪が空振りしてバランスを崩したところ、冷静に大里がワンツースリーと突き刺す。

ラウンド終盤には諏訪の入り際を強烈に捉えていく大里…
それでも諏訪はアタックの数を減らさず、強烈にボディをえぐってこのラウンドが終了。
 

5R序盤、諏訪の右ボディが大里を強烈に捉える。
距離があるところでは右ストレートで捉える大里だが、
諏訪がズイズイ距離を詰め、テンポを上げて大里を捉えて行く。

ラウンド中盤、諏訪が入り込もうとするところに、大里が右フックを浴びせる。
強烈な被弾も、諏訪は詰め続け…形勢逆転のようにも見える。
 

6Rもボディから攻めて行く諏訪、そのまま顔面も強烈に捉える。
しかし、距離ができれば大里が優位…ラウンド中盤には大里が右ストレートを突き刺し、
諏訪が一瞬止まる場面も。

ラウンド後半に入ると大里がはっきりと足を使い始め、
諏訪の顔面を強烈な右フックでえぐるなど距離を作って戦うが
諏訪の圧力を止めきれず、ラウンド終了間際には距離を潰して攻め込んでいく。

このラウンド、諏訪が大里のパンチでヒッティングカット。
 

7R開始直後、大里の左をかいくぐって潜り込んだ諏訪が左アッパーで強烈に突き上げる。
対して足を使う大里も、ジャブを突きながら、右ストレートを撃ち込む場面を作る。

足を使って捌く大里と、詰めて勝負したい諏訪。
強烈にボディをえぐる場面は作るもののなかなかパンチを、まとめる場面を作れなかった諏訪と
ジャブを頻繁に突き続けるものの、はっきりとした大きなヒットは奪えなかった大里。
終盤に来て、ポイントの難しいラウンドとなる。
 

8R序盤、大里をロープに詰めて右フックを強烈にヒットさせた諏訪。
手ごたえがあったか諏訪は一気に攻めて行き、さらに右フックを追加。
しかし…足を使ってこの場面を逃れた大里…諏訪、詰め切れず。

踏み込んだ諏訪に、右ストレートを浴びせる大里。
大里のパンチの合間に強烈なパンチを差し込む諏訪。
足を止めての撃ち合いにはならずも、激しくパンチを交換し合って最終ラウンドが終了。
 

マイジャッジ 76-76 ドロー
 
 

公式ジャッジ 78-76、77-75、78-75

3-0 勝者:大里
 
 

マイジャッジとは離れたが、ジャブでしっかりとヒットを奪っていた大里…納得の範疇と思える。
大里がフレーム差を活かし、しっかりとジャブで叩き続けたからこその結果。
中身は生き残った…という言葉が当てはまる際どい試合。
制したのは、基本のジャブだった。
 

諏訪は、頭一つ以上にも見えたフレーム差を覆しかけた試合。
試合前半を奪われる中、ボディをきっかけに試合を猛烈にまくった。
これだけフレームが離れれば、何もできずに試合が終わってしまうのもよくある展開。

試合をあと一歩まで拮抗させたことに、諏訪の強さを感じる。
…あと一歩。

その一歩の遠さは、戦ってきた者の多くが口にするところ。
わずかを埋める道のりが、ここからの諏訪を待っているようにも思える。
きっとここからの諏訪は、より魅力的になるだろうと感じた。
 
 

【バンタム級8回戦】
城後 響(井岡) vs キチャン・キム(インドネシア)

城後 響 11戦9勝(4KO)2敗
キチャン・キム 18戦9勝(2KO)8敗1分
 

試合開始から前に足を進めて好戦的に左右フックを振るうキム。
さらに城後をコーナーに押し付けて強烈に左右ボディをえぐっていく。
ハンドスピードもあり、威力もあるパンチが強烈に襲う中、
城後の左ボディが刺さると、キムは一撃でダウン。

立ち上がったキムはしばらくガードを固めてやり過ごすと、
また鋭利に左右ボディで城後を襲っていく。

ダウンが無ければ、このラウンドを制していたのではないかと思える…。
 

2R開始早々いきなり飛び込むように左フックを叩きつけたキム。
頭を着けて撃ち合いとなる二人…城後にパンチをまとめながら、
城後の右ボディが刺さるとキムはコーナーに後退し、
ガードを固めて撃たれる中、潰れるようにダウン。

再開後、攻め込んだ城後にまたもボディを襲われ、この試合3度目のダウン。
ここも立ち上がったキムだが、ファイティングポーズをとらず、テンカウントが数えられた。
 

KOタイムは2R 2分25秒
 
 

ハンドスピード豊かな強振で城後のボディを強烈に捉え、さらに顔面も強烈に襲ったキム。
攻撃力はかなり高かったが、ボディを叩かれると脆くダウンした。
キムが攻めれば会場はどよめきに包まれ、キムが倒れればあまりのあっけなさに唖然。
攻防のギャップの激しいボクサー…世界中には面白いボクサーがいるものだ。
 

結果的には圧勝を飾った城後…相手を貶めることなく、勝利者インタビューに答える。
プロとして立派な立ち振る舞いだったと感じる。

あまりにもキムが脆くダウンした為、見落とされそうにも感じるが
勝利者インタビューでリングアナが触れたとおり、そのボディは美しく強烈に相手の腹をえぐっていた。
次の試合も見てみたい…現代の「なにわのロッキー」に強く興味がわいた。
 
 
 

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