2019/08/18 -大阪・天満橋エルシアターⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2019/08/18 -大阪・天満橋エルシアターⅠ- (中日本ボクシング観戦記番外編)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 

東日本2興行、西日本3興行と飛び回った夏のボクシング観戦も
この日が遠征ラスト…これが終われば名古屋での世界戦を残すのみとなる。

この日は岐阜のメインイベンター、佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)が敵地大阪のリングに乗り込む。
 

【スーパーバンタム級4回戦】
渡辺 悠基(大鵬)　vs　松本 絢也(守口東郷)

渡辺 悠基　2戦2敗
松本 絢也　1戦1敗
 

1R開始早々ジャブを突き合った二人、刺し合いでは松本が上回るか…
しかし、先に大砲をヒットさせたのは渡辺…踏み込んでの右ストレートを強烈に突き刺す。

ラウンド中盤、頻繁に右ストレートをボディに持っていく渡辺。
さらに頭を振って松本のジャブを外しながら、肩越しに右ストレートを突き刺す場面を何度か作る。

対して松本は頻繁にジャブを突いていく中、軌道を変えて左フックを引っ掛ける。
ラウンド終盤には渡辺が踏み込んだ所、松本が左アッパーを撃ち込んで、
渡辺がたたらを踏んで後退する場面も。
 

2R、ジャブを刺し合う中、渡辺のワンツーが松本を捉える。
その後ロープ際での撃ち合いは、お互いにカウンターで捉え合う。
ラウンド中盤、ジャブを刺し続けてきた松本が、軌道を変えた左フックで強烈に捉えるが
次の場面では渡辺が一発強烈に当てると、コンビネーションで捉えて行く。

このラウンド、渡辺が左目上と右目下をパンチカット。
 

3R、開始直後、渡辺が右を振ったところに松本の右ストレートが直撃。
仰向けに倒れ動けない松本に対し、カウントが進む中、タオルが投げ込まれて試合がストップ。
 
 

TKOタイムは3R 26秒。
 
 

マイジャッジではここまで渡辺の2Pリード。
松本が一撃で逆転を飾ったKO劇に見えた。

終始、しっかりとジャブを突き続けた松本。
ジャブの数が多ければ多いほど、踏み込む方にとって、タイミングや動きは制限される。
衝突事故のような右ストレート…しかしそれは、松本が呼び込み、当てたモノに見えた。
基本のジャブが呼び込んだ鮮烈なKO劇、見事の言葉しか思い浮かばない。
 

相手より距離が短く、ジャブで刺し負ける中、ダイレクトの右やワンツーを頻繁に当てていた渡辺。
前の手を制された時点で後手に回ってもおかしくない展開の中、
タイミングのいい右ストレートで試合を優位に運んでいた。
この試合でデビュー3連敗…しかし、持ち合わせのない選手ではないように感じる。

負けの続く選手にとって、必ず勝てる方法は一つだけ…勝つまでやる事。
決して諦めないで欲しい素材だと感じた。
 
 

【ミニマム級4回戦】
川上 竜希(堺東ミツキ)　vs　須藤 凪(江見)

川上 竜希　1戦1勝
須藤 凪　1戦1敗
 

1R、お互いにジリジリと、距離を調節しながらパンチを躱し合う立ち上がり。
スピード溢れる攻防、お互いにクリーンヒットをもらわない中、
川上が大きく振ってバランスを崩し、ロープにもたれたところに、ワンツーを撃ち込んだ須藤。
しかし、ラウンド中盤には、須藤の肩越しに川上が右ストレートをヒットさせる。
ラウンド終盤には川上がロープに詰まったところでコンビネーションを撃ち込んだ須藤だったが
右のオーバーハンドをカウンターで突き刺してロープを脱出した川上。
さらに川上が右のオーバーハンドを追加してこのラウンドが終了。
 

2R、お互い間合いを測り合りながら、距離で外し合う緊張感の高い展開は変わらず。
プレスをかけていくのは須藤の方…距離が詰まったところでワンツーを突き刺してみせる。
1Rに須藤を捉えた川上の右オーバーハンドは、須藤がきっちりとガードを上げて対処。
ラウンド終盤、ぐっと近付いて右フックで捉え合う。
終了間際には、コーナー付近でジャブから右ボディストレート、さらにジャブで捉えた須藤。
伸びのある須藤のジャブが深く刺さると、川上の顔が弾け飛ぶ。
 

3R、距離を詰めてコンビネーションを撃ち込む場面を増やす須藤。
しっかり外す川上だが、圧力を強めてガードの上からでも強烈にワンツーを撃っていく須藤。
須藤の攻撃がひと段落したところ、川上は離れ際に右ストレートを突き刺して反撃。
攻勢を強める須藤に対し、巧く外している川上だが、コーナー付近に詰まったところでワンツーを被弾。
的確さでは上回る川上だが、手数で須藤が圧倒的に上回る展開。
終盤、ダイレクトの右を撃ち込んだ川上。
直後に須藤は川上の撃ち出しにワンツーを突き刺す場面を作る。
 

4R、ジャブで強烈に捉えた須藤に対し、踏み込んでダイレクトの右を突き刺した川上。
しかし、須藤はお構いなしにロープに詰めて素早いコンビネーションを撃ち込み、
飲み込みかけるかに思えたところ、川上は合間合間にパンチを差し込んで抵抗。

ラウンド中盤には川上が左フックで強烈に捉える場面も作るが、
須藤は距離を詰めてグイグイ押し込んでいく。
川上が押し込まれてクリンチになる場面も増える中、試合終了間際、
須藤がロープ際で強引にパンチをまとめて試合終了のゴング。
 

マイジャッジ　39-37　須藤

公式ジャッジ
39-38　須藤
39-38　川上
 
 

際どいラウンドが続いた試合…判定が割れる。
 

最後の一人…
 
 

39-37　須藤
 
 

お互いに強烈なヒットはそれほど多くなかったようにも思える試合。
スマートな攻防を捨て、泥臭く詰めた須藤。
手数で川上を抑え込んだ須藤に軍配が上がった形。

あれほどの手数の中、効かされる場面を作らず、
要所要所にしっかりパンチを差し込んで、的確に捉えることで試合を拮抗させた川上。

スピードもあり、ディフェンスもしっかりできる二人。
両者とも、先の期待できる二人だったように感じる。
 
 

 
 

 

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