毎年興行の数の少ない1月から2月。
春の訪れとともに、ボクシングの興行数はグッと増加する。
毎年恒例の現象だが、この原因の一つに新人王トーナメントがある。
4回戦ボクサーの多くが出場する新人王トーナメントの組み合わせが発表されるのが1月下旬から2月になり、
それまでは、4回戦のどの選手がエントリーするのかがはっきり見えない。
ボクサーの多くは4回戦ボクサーであり、その選手たちのスケジュールが見えない時期は、
当然、試合が組みづらく、興行数も激減する。
興行を行うには最低ラウンド数の規定があり、それを満たすことができなければ興行は打てない。
選手数が減少した昨今、4回戦ボクサー抜きの興行はなかなか成り立たないのが実情だ。
年明けから春までの興行数減少の傾向は地方の方が顕著で、
中日本では、基本的には3月が開幕になる年がほとんどとなる。
今年は2月に静岡で1つ興行があったが、これは珍しいケースと言える。
年末世界戦など、ボクシングが最も盛んな12月を終えると、試合のない1月、2月が訪れる。
その、いわばオフシーズンを3月の開幕を待ちわびながら耐えることとなる。
本格シーズンの3月、最初に打たれた興行のメインイベントはWBO世界フライ級タイトルマッチ。
田中 恒成(畑中)vs田口 良一(ワタナベ)
中日本のファンのみならず、全国からファンが駆けつける…
「絶対に面白い」と言われるカードとなった。
前日夜からなかなか寝付けない。
そわそわしながら翌日の準備を整え、落ち着かない夜を過ごす。
まるで遠足の前の子供のよう…。
田口と田中、強いのはどちらなのか。
勝者にはどんなストーリーが用意されるだろう…。
敗者にはどんなストーリーが用意されるだろう…。
ボクシングに勝敗がなくなればいいのに…なんて思うことがよくある。
岐阜の帰り道、そんな気分で帰路に着くのかもしれない。
そんなことをうだうだと考える。
翌日に備えて23時過ぎには布団に入ったが、実際に眠りについたのは1時を過ぎていた。
翌朝…目覚ましが鳴る前に目が覚める。
まさに、遠足の日の子供。
身支度を整えると、勢い良く玄関を飛び出す。
暖冬の中、つい先日急にやってきた冷え込みの残りか、少し寒さを感じる。
薄曇りの朝、いつもは通勤ラッシュに揺れるバスも、休日は人が少ない。
頭の中で到着時間を計算し、携帯電話に目を落とす。
Twitterでは方々のファンが岐阜に向かう旅路をツイートしている。
あるファンは飛行機で、あるファンは新幹線で。
現WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口 紘人(ワタナベ)や
前戦で田中と対戦した、元WBO世界フライ級王者の木村 翔(青木)も来場するようだ。
世界戦に対するワクワク感と、久しぶりのボクシング観戦へのワクワクが入り混じる。
自宅からバスに揺られて5分、最寄りの地下鉄駅に到着。
そこから約1時間で岐阜駅へ。
今回の会場の「岐阜メモリアルセンターで愛ドーム」は、そこからさらにバスに揺られる。
会場に着いたのは11時過ぎ。
第一試合の開始までは1時間以上ある。
途中、中日本のボクシング観戦でいつも会う観戦仲間と顔を合わせて少しだけお話。
オフシーズンを挟んだため、当然久々の再開となり、その嬉しさは大きい。
前日からのワクワク疲れと、現地到着でのホッとした感覚から、
一旦は落ちていたテンションが、またグッと上がって来る。
会場の入り口前では同郷の記者さんと談笑。
ボクシングの話題はもちろん、共通の知人などの話をしている間にあっという間に時間が過ぎた。
記者さんと別れたあと、この日一緒に観戦する予定の方々と合流。
久々に会う方々を見て、今年の中日本のボクシングが始まる実感が強くなる。
試合開始時間が近づき、入り口前には入場の列が。
チケットの確認などの為、入場口が狭く設定されており、
少しずつ少しずつ、全国から集まったファンが会場に吸い込まれていく。
会場に入ると、まだまだ客入りは少ない。
チケットはソールドアウトしているハズだが…。
メインの世界戦が16:00から生中継となっている為、その時間がズレることはない。
前座カードに興味のないファンが、そこの時間に合わせてやって来るために出来上がった空席だろう。
少し寂しさを覚えつつ、試合開始までのわずかな時間を過ごす。
さて、ここでいつもの
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
そして、TVで観戦するのとは違い、1つの角度しか見れず、スロー再生もない。
レフリーで隠れたタイミングでパンチが入っても気付けないし、かなり離れた自由席での観戦。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
第一試合開始の時間になっても、通路を移動するファンも多く、
どことなく落ち着かない雰囲気の中、選手が入場する。
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