2019/03/16 -岐阜・岐阜メモリアルセンターで愛ドーム- 1試合~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/03/16 -岐阜・岐阜メモリアルセンターで愛ドーム- 1試合~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

 

■中日本フェザー級新人王準々決勝
【フェザー級4回戦】
甲斐 貞行(HEIWA) vs 中野 精(杉田)

甲斐 貞行 2戦1敗1分
中野 精 2戦1勝(1KO)1敗
 
 

1R、足を使ってサークリングする甲斐。
ジワジワと詰めるように歩みを進める中野。
お互いジャブを刺し合いながらの攻防。

甲斐が動き回るスペースを削るようにプレスをかけていく中野だが、
スペースが狭くなるとするりと、その場から抜け出す甲斐。
どちらも距離が遠く、はっきりとしたヒットは産まれない中、領域の奪い合い。
中野の右が二度ほど浅くヒットする場面が産まれる。
 

2R、開始とともに距離がグッと詰まる。
遠かった序盤とは明らかに展開が変わり、お互いのパンチがスリリングに交錯し始める。

その瞬間は突然…
ラウンド中盤、甲斐がサイドに飛んだところに中野の右ストレートが突き刺さる。
アゴをえぐられた甲斐が尻もちを着くようにダウン。

立ち上がった甲斐だったが、再開後、中野がしっかりまとめてレフリーストップ。
 

TKOタイムは2R 1分47秒。
 

甲斐にとっては2年近くのブランクを経て挑んだリング。
攻防が本格的な形になってきた矢先…たったの一発のパンチで勝敗が決まった。
その一発を入れるのが、その一発を防ぐのがボクシングだと言えばそうではあるが…。
もう少し見たかったという思いが本音。

3戦未勝利…好選手に思えるだけに、意外な戦績に見える。
結果がついて来ない…苦しい状況だとは思うが、ここを乗り越える姿もまた、
プロが客席に与えられるものの一つのようにも思える。

負けに負けるな…強くそう願う。
 
 

中野は前回の敗北を払拭する快勝。
高山のヒーローが、一つの敗北を経て濃い魅力を身にまとったようにも感じる。
デビュー戦も、右ストレート一閃のKO劇。
抜群のタイミングと、鋭利な切れ味を持つように思えるその武器は魅力的だ。

勝者の中野は4月28日、岐阜・じゅうろくプラザでの準決勝に進出。
対手はフェザー級で僕が優勝候補に推す三輪 珠輝(名古屋大橋)

テクニシャンでありながら、局面によっては激しい撃ち合いもこなす三輪。
中野が高い壁に挑むこととなる。
 
 

【125lb契約8回戦】
ワン・ジアン(中) vs 竹嶋 宏心(松田)

WBOスーパーバンタム級ユース王者/WBOアジア太平洋スーパーバンタム級13位
ワン・ジアン 9戦7勝1敗1分

竹嶋 宏心 2戦2勝(2KO)
 

試合開始直後、ファーストコンタクトで竹嶋の右が炸裂。
いきなりのダウンを奪う。
立ち上がったワンに攻め込む竹嶋だが、ガードを固めながらも、撃ち返すワンに
ダメージがそれほどないことを見取ったか、一旦仕切り直す。

ガードの固いワンに対し、顔面への綺麗なヒットは産まれない中、強烈にボディを襲う竹嶋。
頭で倒した後に、ボディで改めて崩しに行ける冷静さに、アマチュアでの歴戦のキャリアを感じる。
1R終盤には右ボディストレートを効かせて最初の3分が終了。
 

2R、顔面のガードの固いワンに対し、強烈にボディをえぐる竹嶋。
ワンは撃たれながらも思いきり振るフックは、怖さを醸し出す。

ラウンド終盤、ワンが竹嶋の腹を強烈にえぐり返すと、
竹嶋がコンビネーションで反撃し、織り交ぜるボディでさらにダメージを植え付ける。
腹の叩き合いとなる。
 

3R開始直後、ロープ際に追い詰めると一気にパンチをまとめて出た竹嶋。
手が出ないワンに対し、一方的な時間となったところでレフリーが試合をストップ。
 

TKOタイムは3R 51秒。
 

WBOアジア太平洋ランカーが噛ませ犬に見える…。
まさにそんな試合だったと思う。
ワンのパンチはスリリングな威力を備えたようには見えたモノの、
竹嶋との力量差の前に、はっきりした実力は見えなかった。

ボクシングが相対的な力比べとなる以上、ある程度力があったとしても、さらに強い力を前にしたとき
まるで全く実力のない選手に見えてしまうように見えるときがある。
テレンス・クロフォード(米)vsジュリアス・インドンゴ(ナミビア)などがいい例だろう。

このグレードでは物足りない…その領域に竹嶋がいることがはっきりした試合だった。
これで竹嶋はWBOアジア太平洋のランクを手に入れることとなるだろう…。
この先、ランカーとして、さらに上を目指すための相手や、
そのランキングを狙う者と対峙していくこととなる。

竹嶋に相応しい相手はいったいどのグレードの選手なのか。
それは即ち、竹嶋がどのグレードの選手なのかという疑問の答えとイコールになる。
名古屋の老舗、松田が抱える鳴り物入りのスーパールーキー。
まだその実力の底は見えていない。
 
 

【54.5kg契約8回戦】
田中 裕士(畑中) vs ユ・ヨウグ(中)

元WBCユース世界バンタム級王者
田中 裕士 26戦21勝(14KO)2敗3分

ユ・ヨウグ 8戦5勝(2KO)1敗2分
 

1年半ぶりの試合、まずは田中のスピードのある綺麗なジャブに一安心する。
距離の測り合いから始まり、緊張感のある静かな展開が続く。
ラウンド終盤にはユがクロスを合わせ始めるが、まだお互いに距離が合わないか…。
 

2R、ジャブを中心に、ワンツーを撃ち込んでいく田中だが…
怯まずにその隙間にパンチを差し込んでいくユ。
細かく数で捉えていく田中。
力を込めて捉えるユ…強烈なボディを撃ち込む。

綺麗でスピーディーな田中のジャブだが…、ラウンド中盤には慣れてきたかユがそのジャブを外しはじめる。
するとラウンド終盤、ユの強烈な右フックが田中を捉え、田中が揺れる。
 

3R、ラウンド開始直後もユの右フックが田中の顔面を襲うが、
このラウンド中盤ごろにはようやく距離が合い始めたか、
田中のジャブがユを捉えるシーンが増えていく。
さらに強烈に右ストレートを突き刺すシーンも。
 

4R、田中のジャブに合わせるユの右が田中を捉えるシーンが増える。
それでも、生命線のジャブを撃っていく田中だが…肩ごしに被せたユの右が炸裂。
横倒しのダウンを奪われる。

すぐに立ち上がった田中だが…膝がガタつく大ダメージ。
カウンター狙いの為にユは手数が少ないか…。
追撃は乗り切り、このラウンドを終える。
 

5R、左ボディを執拗に狙い始める。
ユのパンチをもらうシーンもあるものの、ジャブと同じくスピードのある
左ボディではっきりと効かせてペースを取り戻す。
 

6R、強烈な右フックは健在だが、ボディのダメージからか勢いが下降線に入ったユ。
田中は執拗に執拗に腹を襲い続けていく…
しかし、ラウンド中盤にはユの右フックが攻勢に出る田中の顎を貫き、田中を揺らす。
クリンチに逃れて、仕切り直した田中は、またさらにボディを叩いていく。
ラウンド終盤、ユの右がまたも田中を襲い、またも田中が揺れる大ピンチ。
ここはなんとかゴングに逃れる…。
 

7R、見合う展開になると、相手の左に右フックをかぶせ始めた田中。
このパンチが幾度もユの顔面を跳ね上げる。
さらにワンツーも綺麗にユを捉えるが…ユの右のタイミングは脅威のまま、衰えず。
 

8R、倒しに出たか、これまで有効に作用してきたボディの数が減った田中。
攻勢を強めるモノの、はっきりしたヒットの数は減ってしまう。
ラウンド終了直前には激しく撃ち合った二人。
拮抗した試合内容のまま、終了のゴングが鳴る。
 
 

マイジャッジ 56-55 ユ。
 
 

公式ジャッジが発表される。

76-75 田中
 
 
 

残り二名 76-76
 

田中から見て1-0のドロー。
 
 

これには観客席からどよめきの声が…。

僕自身は1Rを田中、4Rをユに振ったが、この2つのラウンドは
どちらについてもおかしくないラウンドに見えた。
8Rもまた、視点によっては拮抗するようなラウンドだったように感じる。

特に4Rは終盤の大ダメージからユが獲った印象が残ったが、
それまでの2分半以上、ヒットを多く集めていたのは田中で、
ヒット数でみれば大差で田中につくラウンドだったと感じる。

地元の田中に有利についた分、地元判定の印象を与えたのかもしれないが、
ユ側の目線で見れば、手数とクリーンヒットが少な過ぎる印象もある。
 

試合が接戦だったこと。
そして、1-0ではあるものの、田中にとってはダウンを奪われた、分の悪い引分けだった。
この辺りが確定的なことなのではないかと感じる。
 
 

田中にとっては久々の復帰戦、距離が合うのに時間がかかり、
ようやく合ってきたところで、痛恨のダウンを喫した試合。
そこから、ボディを効かせて終盤を盛り返した…。
劣勢の展開をドローに持ち込んだ試合に見えた。

田中に対する”粘り”の印象は初めて感じるモノ。
綺麗なジャブ、ワンツー、豊かなスピード…。
どこかスマートな印象を与える田中に、泥臭い”粘り”というキーワードが加わる。

決して喜ばしい内容や結果ではなかっただろうが…、
このボクサーがさらに魅力を増すニオイを醸し出した試合。
次の試合に繋がってくれるだろうと感じる。
 

判定がユに転んでいてもおかしくなかった試合。
元WBCユース王者、そして日本タイトル挑戦経験者である田中に対し、
日本のリングでしっかりとその力を示した形。

ユは日本国内では無名の中国人ではあるが、元々この試合の前には
地域タイトル戦の話も挙がっていたようだ。
今後、この選手がアジアの土俵で結果を残してくれることを望む。
 
 

 
 

 

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