2019/04/28 -岐阜・じゅうろくプラザ- 第6試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/04/28 -岐阜・じゅうろくプラザ- 第6試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【女子48.0kg契約4回戦】
近藤 佐知子(駿河) vs 狩野 ほのか(世田谷オークラ)

日本女子フライ級5位
近藤 佐知子 6戦2勝3敗1分

日本女子アトム級17位
狩野 ほのか 1戦1勝(1KO)
 
 

1R、離れた距離から牽制し合う二人…なかなか距離が縮まらない中
近藤の左に狩野のクロスが刺さる。
終盤に距離が縮まると、回転よく近藤の顔面を跳ね上げた狩野。
対して近藤が返した左が刺さってラウンド終了のゴング。
 

2R、近付いた場面で的確にパンチを当てていく狩野だが、
その出鼻を徐々に近藤のワンツーが捉える場面が増えていく。
圧力を強めた狩野に、近藤のカウンターが刺さり、狩野は鼻血を吹き出す。
 

3R開始直後、狩野の右クロスが強烈に刺さるも、前に出る近藤。
狩野を押し込みながら、ワンツーを突き刺していく。
近付きすぎた場面で被弾することはあるものの、強烈に右フックをヒットさせる。
 

4R、お互いに押し合いながらの撃ち合い。
激しいファイトとなる中、より細かく撃ち込む近藤の方がヒットで上回るか。
しかし、狩野もラウンド中盤には強烈に右フックをヒットさせる。
試合は最後まで激しく撃ち合ったまま終了のゴング。
 

マイジャッジ 39-37 近藤
 
 

公式ジャッジ

39-37 近藤
38-38×2 ドロー
 
 

近藤から見て1-0 ドロー
 
 

押し込まれて劣勢に立った狩野が、最終ラウンドしっかり前に出て
ドローをもぎ取った試合に見えた。
もらいながら決死で前に出た2分間。
大きなドローだと感じる。
 

毎回がむしゃらファイトを見せる近藤。
この日は相手を押し込みながら、しっかりカウンターを獲り、
はっきりと獲ったラウンドを2つ見せた。
前戦から3か月弱、わずかな期間でも伸びを見せる近藤。
今回は悔しいドローだとは思うが…また、勝って喜びを爆発させる姿が見たい。
 
 

【スーパーライト級4回戦】
原 英右(岐阜ヨコゼキ) vs 冨田 雅季雄(三津山)

原 英右 6戦4勝(3KO)2敗
冨田 雅季雄 6戦3勝(2KO)3敗 サウスポー
 
 

1R、4年振りに復帰の原。自分が今程現地に通えていなかった頃の選手の為
この試合が初見となるが…「天才肌」と耳にした通り、サウスポーをまったく意に介さず
抜群のスピードで威力のあるワンツーを撃ち込んでいく。
冨田も右フックで強烈に捉えるが…。

ジワジワと詰めていく冨田の先手を奪い、的確に強打を突き刺していく原。
ラウンド終盤には右フックでグラつかせると、パンチをまとめていき
右の撃ち下ろしでダウンを奪取。

まさか…タフな冨田がダウンする姿は想像がつかなかった。
立ち上がった冨田…足に来ており、かなりダメージは深そう。
再開後も攻め立てる原だが、TKOも目前かという所でラウンド終了のゴング。
なんとか冨田が生き延びたような形。
 

2R、これまで何度も逆転を演出してきた冨田。
このラウンド、攻勢に転じて攻め込んでいく。
強烈な右フックを何度もヒット…ダメージもある中、
決して軽くない原の強打をもらいながら撃ち合いに引きずり込む。
スピードは圧倒的に原に分があるが、そんな中で冨田が盛り返してみせる。
 

3R、一旦は冨田が圧力で盛り返した試合。
ここで原が手数を増やし、強烈に的確にパンチを叩き込んで盛り返していく。

時折飛んでくる強烈な右フックを被弾しながらも、冨田にしっかりとダメージを植え付け
タフな冨田が膝を揺らしながらなんとか持ちこたえる…。
 

4R、単発ながら力のこもった右フックを叩きつける冨田と、
スピードあるコンビネーションで冨田の顔面を弾き飛ばす原。
ラウンド序盤、右フックで原が揺れたところに左ストレートが突き刺さり、
なぎ倒されるように原がダウン。

ここに来て試合が五分に引き戻される。
立ち上がった原に対し、強烈な右フックを何度も叩きつけた冨田。
原はここを最後まで耐えきって試合は判定のゴングへ。
 
 

マイジャッジ 37-37
 

公式ジャッジ
38-37 原
38-37 冨田
 
 

37-37 ドロー
 
 

1-1 ドロー
 
 

聞けば原はこういった試合を何度も繰り返してきたとのこと。
冨田もまた劣勢からの逆転劇を繰り返してきた選手。

スタイルも積み重ねた試合展開も何もかもが噛み合った試合。
この春の中日本最高試合だと感じた。
 

試合後、リングの上で公開プロポーズに成功した原。
会場は暖かい拍手に包まれた。
また、試合が見たい…そう思ったファンは一人や二人ではないはずだ。

撃たれ脆い天才肌と、逆転の冨田。
名勝負を産み出す二人が相まみえたリングでは、
劇的過ぎる試合が繰り広げられた。

もう、ただ素直な気持ちを一言だけ。

「もっかいやれ!」
 
 

【51.5kg契約4回戦】
溝口 孝良(西遠) vs 山崎 隼人(名古屋大橋)

溝口 孝良 11戦2勝6敗3分
山崎 隼人 デビュー戦 サウスポー
 

頭一つ分フレームが大きいのは山崎。
試合開始直後から、距離の詰まった二人。
溝口の右と山口の左が相打ちするとともに撃ち合いとなる。
中間距離で的確にパンチをヒットさせていく山崎。
溝口は距離が詰まると組み付いて強引に拳をねじ込んでいく。
 

2R、足を使う山崎、距離がある状態ではワンツーで綺麗に溝口を捉えるが
溝口が組み付くように距離を潰すと、隙間のないところに
溝口がコツコツと拳をねじ込む。

山崎が溝口の密着ファイトに自由を奪われる時間帯が増えていく…。
 

3R、開始直後山崎の右に右を被せた溝口。
そのまま密着し、コツコツとボディを叩きながら上へも返していく。

ラウンド終盤、押し込まれ続けて来た山口だったが
溝口の入り際に強烈な左ストレートを撃ち込み、溝口をグラつかせる。
しかし、それでも詰めていった溝口、変わらずコツコツと腹を叩く。
 

4R開始直後、近距離で細かく溝口の顔面を襲った山崎。
しかし、グイグイ押し込んでいく溝口に、思うように試合が作れない。
お互いにがむしゃらファイトとなったラストラウンド。
溝口はひたすらに細かく手を出していく…この試合でボクサー定年。
ラストファイトを最後まで戦いきり、試合終了のゴングが響く。
 

マイジャッジ 39-37 溝口
 
 

公式ジャッジ

39-38 溝口
 
 

39-38 山崎
 
 

密着した場面での溝口の決して綺麗ではないヒットをどれだけ獲ってもらえるか…
判定の分かれ目はそこ一点だと感じる…。
 
 

39-38 山崎
 
 

2-1 勝者:山崎
 
 

デビュー戦でキャリアのある相手と対峙した山崎。
綺麗なヒットを奪っていたのは山崎の方、押し込まれながらも飲み込まれず
しっかりと勝利を手に入れた。

デビュー戦でセミファイナルのリングに上がり、相手が引退試合としてフォーカスされる。
やりにくい状況だったと感じるが、はっきりとしたヒットを重ねて判定を勝ち取った。
歴戦の相手に飲み込まれることなく勝ち切った姿は、上々のデビュー戦だったようにも思う。
ナイスファイト。
 

溝口は、勝ったと思ったか…悔しそうな表情。
引退のあいさつの場が与えられる中…出た言葉。

「勝負の世界は厳しかった」

接戦が続くこの日、様々な戦いにこの言葉が当てはまるようにも感じた。
 

4回戦で大幅負け越し…溝口がもがき続けたキャリアは濃厚だった。
デビューは東日本の新田ジム。
ドロー1戦のみで10年近くのブランクを空け、33歳で西遠ジムより再デビュー。
序盤にダウンを喫することも多く、KO負けも多い。
でも、後半に向けてどんどんまくっていく溝口は魅力的だった。

4回戦の負け越しボクサーながら、最後までやり切った溝口に挨拶の場が設けられる岐阜の暖かさ、
そして、溝口の率直な言葉に涙が出てくる。

「厳しい勝負の世界」に挑み続けた溝口…。
素晴らしい選手の戦いをいくつも見れた。
 

最後までやってくれて、本当にありがとう。
 
 

 

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