2018/5/5 -後楽園ホール- 1試合目~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
※左側が勝者
【54.5㎏契約6回戦】
山崎 真儀(協栄) vs 山口 結人(K&W)
この試合は山口の棄権により中止。
【ライトフライ級6回戦】
内田 勇気(KG大和) 6R判定 2-1(58-56、57-58、58-57) 木橋 拓也(上滝)
昨年、ジム制度の弊害に苦しむボクサーを見たとき、
自分の気持ちを救ってくれたのが大内 俊太朗(KG大和)のこの発言。
「地元にこんないいジムあったなんてって思う。是非KG大和にお越しください」
頑張ってる関係者も沢山いることを再認識。
以来、KG大和は全力応援と決めていたが…これまでなかなか試合を見る機会に恵まれなかった。
そしてこの日も、新幹線の遅延と第一試合の中止…。
ホールに飛び込んだ瞬間は既に判定の発表中。
2-1の判定で内田の手が挙げられたところだった。
初めてリング上で見るKG大和の選手…今日は…仕方ないか。
とりあえず、この姿だけでも見れただけで…。
内田はA級昇格。
中日本にはこの階級に二人のランカーがいる。
いつかぶつかってくれたら…なんて思いを密かに抱く。
【62.5㎏契約6回戦】
酒井 孝之(協栄) 1RTKO アディサイ・チャンタン(タイ)
元々は岐阜のコパン星野所属として中日本のリングで活躍していた酒井。
ジムの消滅に伴い、協栄ジムへ移籍。
もう見れない選手…だと思っていた。
それが…ここで見れるチャンスがあるなんて!
相手のタイ人に対して「しっかりしたタイ人呼ぶねぇ」なんて声が漏れる。
たしかに、やる気も満々、体もばっちり出来上がっている。
途中多少強引な撃ち合いになりながらも、ボクシングでは酒井の方が上。
1R 2分9秒のTKOでA級昇格を決めた。
【女子48.5kg契約6回戦】
矢吹 純(協栄) 3RTKO サオワラック・ナリーベンシー(タイ)
女子ボクシングに疎い自分にとって初めての女子ボクシングのKO決着。
しっかりダウンを奪ったうえでの完勝。
サオワラックの力強く振るパンチは脅威に見えたが、しっかり外しながら丁寧に戦い
3Rに訪れたチャンスに一気に攻めてダウン奪取、立ち上がったところもしっかり詰め切った。
TKOタイムは3R 1分40秒
女子の奮闘ぶりに対する面白さをこれまで感じていたが、強い選手の競技的な面白さを感じた。
カープ女子やら、なんちゃら女子やらがスポーツ界で流行っている昨今。
もしかすると女子ボクシングが女性ファンを集めるかもしれないと感じた。
カッコいい女性に集まる女性ファンの構図…全然あり得る。
強さや競技としての激しさは、当然男子に比べれば見劣りするが、それは全てのスポーツで同じ。
それでもバレーボールなんかは女子の方が人気がある。
女子は女子の魅力があるように感じる…男子との比較は必要ないようにも感じた。
競技としての底深さを感じて、この試合を堪能。
【56.5㎏契約4回戦】
亀田 京之介(協栄) 2RTKO 渡辺 和幸(上滝)
試合開始とともに、しっかりとセットしてジャブから作っていく京之介。
序盤から渡辺を圧倒し始める。
この選手…しっかり強い…と思っていたら、イケると思ったからなのかどうか…
徐々に守りにルーズさが見え隠れし始める。
2Rに入ると強引な撃ち合いに突入してTKO勝ち。
いいパンチをもらう場面は幾度もあった。
しっかり練習している背景も見えるボクサー。
試合への入りの段階ではかなりの強さを感じたが…経験か、メンタルか。
まだまだ青さを感じてしまう…だけれど、いちボクサーとして期待していい選手に思えた。
面白くて、そして楽しめる。
ボクシング自体が、とても面白い。
それにしても…渡辺はえげつない角度で思い切り振られる京之介のパンチを何度も浴びたが…。
決して最後までリングに沈むことなくのTKO。
ファイティングスピリッツは、絶対に伝わっている。
この選手もまた、濃厚に魅力を感じた。
観戦者からも「頑張った」「根性ある」と感嘆の声が聞こえた。
【56.8㎏契約10回戦】
亀田 和毅(協栄) 判定 3-0(100-88、100-88、100-88) ダニエル・ノリエガ(メキシコ)
和毅の強さに客席で圧倒された。
世界のトップクラスの実力を未だ堅持する元世界王者…実力については疑いようはないが…。
何より冷静沈着なゲームプランに身震いした。
「ラスト1分」の声とともに一気に攻めていく。
全てのラウンドで、勝負は残り1分のみ…そして無理な撃ち合いは一切しない。
必ずカバーできる範囲で攻めていき、完璧にリスクヘッジを行う。
一撃で終わるボクシングの怖さ、相手の怖さを踏まえたうえで徹底的に勝ち切ること主眼。
戦い方自体に、相手へのリスペクトが込められている。
決して相手を…ボクシングをナメない。
創られたゲームプランをレースドライバーのように忠実に冷静に実行し、
12R一定のペースでスタミナの疲弊を見せず、最終的に出し切るペース配分もまた凄い。
コーナーを信じることのできる環境、そしてゲームプランを遂行できる実力と日々の鍛錬を感じ、
セコンド含めて世界のレベルというのを実感した。
果たして、これほどまでにゲームプランをしっかり立てて送り出していくコーナーや
そしてそれを遂行しきれる選手…中日本にいるのだろうか。
どちらかが高望みすれば成り立たない選手とコーナーの関係性に鳥肌が立った。
全ラウンド、1分間の攻めで奪ったダウンは合計2度。
リスクを負うべき場面、負わなくていい場面の棲み分けは…上で勝負する意思を感じる。
完璧な勝利に、強豪の多い日本国内でも頭一つ抜けている感覚を覚えた。
そして、しこたまボディを撃たれ、顔面を跳ね上げられながら12R耐えて
最後まで逆転の望みを捨てなかったノリエガにも拍手。
面白くていい試合だった。
続いて…この日のファイナル。
いよいよあの男がリングに戻って来る。
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