2019/04/21 -石川・石川県産業展示館2号館- 第1試合～第2試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
■中日本スーパーフェザー級新人王準決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
長谷 和紀(トヤマ) vs 樋口 和輝(ARITOMI)
長谷 和紀 2戦1勝(1KO)1分
樋口 和輝 2戦2勝(2KO)
1R開始と共にジャブを突き合う二人。
今にも攻め込むタイミングを見定めるかのような好戦的なジャブの応酬。
激しいジャブの交換の中で左フックをヒットさせた樋口だったが、
長谷は右クロスを浴びせるとそのままラッシュで樋口をロープまで追い込む。
ここはクリンチで逃れた樋口だったが、ラウンド中盤、またも長谷の右クロスが炸裂。
なぎ倒されるようなダウンシーン。
再開後、一気に攻め込んでいく長谷…樋口は応戦するものの勢いは止められず強烈に被弾。
そのまま押し込んでいく長谷だが、もつれ合って押し倒してしまう。
樋口は踏ん張りがきかないか…スリップからの再開後は
一旦試合が落ち着いてラウンド終了のゴング。
2R、このラウンドもジャブの刺し合いから始まる中、
長谷のボディへのストレートが強烈に樋口を捉える。
樋口もジャブを主体に、距離を詰めていくが、
樋口が危険な距離に入るときっちりサイドに動いてリスクヘッジする長谷。
お互いの拳がわずかに届かぬ距離が維持される中、
届かなくともジャブを突き続ける樋口に、長谷は入り込めず。
強引に入ろうとすると、樋口のジャブが五月蠅く長谷を襲う。
しかし、ラウンド終了直前、またも長谷のクロスが樋口を襲う。
3R開始直後、距離が詰まったところで強引に攻めようとした長谷に対し、樋口のジャブが突き刺さる。
長谷は足を使いボディを突いては離れを繰り返す。
ラウンド中盤、ひたすらにジャブを続けた樋口が
突如振るった右フックが炸裂し、長谷が腰を落とす。
攻め込もうとした樋口に対し、長谷は鋭く小さなコンビネーションで撃ち返し
攻めることで窮地を脱出する。
ラウンド終了直前にはお互いの右フックが交錯。
4R、樋口が前に出る圧を強める中、長谷が強烈な右クロス。
しかし、右を被せられることに臆することなく、
ジャブを突きながら前に前に歩みを進める樋口。
ラウンド中盤には試合は乱打戦に突入し、
下がる長谷に対して、樋口が右ストレートを突きさす。
長谷は樋口が入ってきたところに下から上へとコンビネーションを浴びせる。
ダウンを奪われている樋口は最後まで前進を繰り返し、
体で押し合いながらがむしゃらに攻め込むも、試合終了のゴング。
マイジャッジ 39-36 長谷
公式ジャッジ
38-37、39-37、39-36
3-0 長谷
長谷強し。
試合序盤でクロスのタイミングをつかみ、足を使いながら的確に樋口を襲い続けた。
しっかりとサイドへ動きながら、完成度の高さを見せつけたように感じる。
好選手同士の戦いをはっきりと勝ち切り、8月4日の中日本新人王決勝進出を決めた。
クロスを合わせられてのダウンを喫しながらも、
憶することなく、ジャブを突き出し続けた樋口。
最終ラウンドには果敢なアタックを見せて燃えさせてくれた。
攻撃力の高さに加えて、ARITOMIの選手らしい愚直さを感じさせてくれた試合。
この負けを経ての樋口がより楽しみになった。
長谷は8月の決勝で4年間に及ぶ6連敗を乗り越えた岡田 和晃(富士)と対戦。
4回戦で12試合目となる岡田…負けは多いが、前戦では経験値を力にしたところを見せている。
長谷の3倍ものキャリアを誇り、その経験を力へと昇華させた男は…きっと生易しい相手ではない。
【スーパーバンタム級4回戦】
渡辺 大和(カシミ) vs 小坂 和成(スパイダー根本)
渡辺 大和 デビュー戦
小坂 和成 2戦2敗
お互いのガードがくっ付くほどの近い距離で始まった試合。
渡辺が左右フックをボディから上へと撃ち込んでいく。
小坂は被弾しながらも、小さく小さく左を突き刺していき
時折強烈な右アッパーで渡辺のガードを割る。
1R終盤、力のこもった右を単発で放り込み始めた渡辺。
ボディへ、顔面へ、次々と撃ち込んでいく。
2R、硬くガードを上げて守りを固めながら、ボディへ左右フックを撃ち込んでいく渡辺。
被弾しても細かく細かく手を出し続ける小坂。
ラウンド中盤、小坂の細かい手数がカウンターの3連打となって渡辺に突き刺さる。
しかし、渡辺の勢いは止むことはなく、頭を着けたファイトの中で的確に小坂を襲う。
3R、渡辺の強烈な右が幾度も幾度も小坂を捉える。
お互い頭を着けての撃ち合いになる中、バッティングへの注意が繰り返される。
ラウンド中盤、小坂の強烈なボディブローの衝撃音が響くとともに二人は撃ち合いに。
お互い手数止まることなく、渡辺が強烈に捉えるのに対し、小坂は捉えると細かく撃ち込んでいく。
4R、渡辺は徹底的にボディを攻め立てながら、上に返す時には的確に強烈に小坂の顔面を捉える。
中盤には渡辺の右ストレートで小坂の腰が落ちるが、変わらず前進する小坂。
渡辺が攻めの姿勢を強めたことで、小坂の細かいパンチが渡辺にヒットする頻度が増える。
熾烈な撃ち合いとなる中、二人の勢いは右肩上がりに激しくなって試合終了のゴング。
マイジャッジ 40-36 渡辺
公式ジャッジ
40-36、40-36、40-37
終始固められたガードで、しっかりと守りながら徹底的にボディを攻め上げた渡辺。
ファイターとしてやるべきことをしっかりやった素晴らしいデビュー戦。
近距離で撃ち合った試合にもかかわらず、強烈な被弾少なく試合を終えたように感じる。
来年の新人王トーナメント参戦…あるなら期待したいところ。
小坂はガードの上からでもひたすらに手を出し続けた12分間。
これでデビュー3連敗となったが、あれだけ激しくボディをえぐられながら
延々と手を出し続けてガス欠しなかったのは努力の賜物のようにも感じる。
普段の練習風景を知るわけではないし、勝手な妄想になってしまうのかもしれないが…
努力の跡が試合で垣間見えるボクサーは応援したくなるボクサーだと感じる。
東京から北陸に乗り込んできたボクサーが魅力を振り撒いて帰っていく…。
叶うことならまた、中日本のリングに上がってほしいと感じた。
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