2019/04/28 -岐阜・じゅうろくプラザ- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/04/28 -岐阜・じゅうろくプラザ- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

【57.5kg契約8回戦】
佐伯 瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ) vs 河村 真吾(堺東ミツキ)

佐伯 瑠壱斗 9戦7勝(1KO)2敗
河村 真吾 22戦15勝(8KO)6敗1分
 
 

1R、お互いに距離を測り合う静かな入り。
中盤に入り、距離を取る佐伯に対し、ぐっと近づいて拳を連続でボディに叩きつける河村。
手数少なかった佐伯だが、入って来た河村に対し強烈に左フックを浴びせると二人は乱打戦に。
撃ち終わりに右フックを浴びせていく佐伯…しかし、ロープ際でお互いの右フックが相打ちした瞬間。
佐伯が崩れ落ちるダウン…すくっと立ち上がった佐伯、ダメージはそこまで無さそうだが…。
試合が再開されたところでラウンド終了のゴング。
 

2R、開始すぐ、プレスをかけて詰める河村と、踏み込んだ佐伯の頭がクラッシュ。
佐伯が左目上をカット…大量の出血に下を向いて、目に血が入ることを防ごうとするが…。
試合は中断し、ドクターチェック。

ドクターは続行不可の判断で試合がストップ。
 
 

結果は2R負傷ドロー。
 

ストップの瞬間、悔しそうに「すいませんでした!」と声を上げた佐伯。
形勢不利の中のストップ…。

昨年の計量失格から東京で元日本王者への大善戦。
暖かく佐伯を支え続けて来たファンに地元凱旋を見せるはずだったリング。
ダウンを奪われた末、いいところを見せることなく、負傷ドロー。

唇をかみしめて詫び続けた佐伯。
続けたかった…そんな思いが伝わって来る。
…誰も悪くない。

3分と少し、佐伯は日本ランカーとしっかり勝負になることを地元の観衆の前で改めて示した。
ダウンを奪われた劣勢の試合ではあったが、太刀打ちできないような内容ではなかったと感じる。
以前の岐阜の頃には感じなかった自信、そしてスピード…。
わずかな時間でも佐伯の成長は見て取れた。
 

対して、有利な状況が負傷ドローとなってしまった河村。
インタビューでは恨み言一つ言わず、最後まで佐伯を立てる。

佐伯が攻め込みすぎた所で奪われたダウン。
あそこに合わせた河村は見事だったと思う。

河村は日本ランカーたる凄さを示した。
叶うことなら改めて見たい試合。
試合後の二人から伝わるものも多くあった。
 
 

帰って来た佐伯の姿が見れた…それだけで泣いてしまった。
カッコいい佐伯はまた次回…それでいい。
 
 

会場を出て、携帯に目を落とす…芝田 モート(フォーラムS)、1RTKO負け。

家に帰り、数年ぶりに辰吉 丈一郎(大阪帝拳)の試合映像を見る。
芝田が憧れた選手だ。

その後、芝田 モート(フォーラムS)vsイスラエル・レイエス(メキシコ)を見る。
10年以上前に芝田が戦ったチャレンジマッチ。
段違いのスピード差の中、殴られても殴られても、めげることなくレイエスに殴りかかっていく芝田。

僕のヒーローは辰吉より芝田…。
そんな思いが沸きあがる。
自分が思い入れを込めたヒーローは、それほど偉大だ。
 

しばらく経って、インスタグラムで試合映像を見ることができた。
開始早々ダウンを奪われた芝田…再開後すぐに殴りかかっていき、
大振りの左フックをカウンターでぶち当てダウンを奪い返す。

再開後、相手の武田 誠人(倉敷守安)もまた、全力の撃ち合いに突っ込む。
昨年5月に同じ倉敷で見たときとは比べ物にならないほどパワフルになっている。

壮絶な撃ち合いの中、コーナーに詰まった芝田…。
積み重なる被弾にレフリーが芝田を救出。

レイエスに殴りかかっていった10年前の芝田がそのままそこにいた。
涙が止まらなかった。
ありがとう、最後まで戦ってくれて。
 

芝田のトランクスにはボクシング選手名鑑のワッペンが入っている。
僕の思いも一緒にリングにあげてくれた…。
芝田モート物語の登場人物にしてもらった…。
おこがましいかもしれないが、そんな思いがある。
 

「悔しい気持ちは勿論だけど、後悔は本当にないです!」

勝ち負けより、選手が喜ぶ姿が見たい。
喜ぶ姿が見たいから、勝って欲しい。
芝田が後悔がないと言うなら、それは勝つより嬉しいこと。

芝田というボクサーの存在を知れて、本当に良かった。
 
 

僕の青春時代のボクシングの最終話は、主人公の壮絶な敗北で幕を閉じた。
ここから、僕のボクシングもきっと色を変える。
 
 

故障していたPCの修理が完了し、たまりにたまった観戦記や選手名鑑の更新作業に勤しむ。
様々なファンの思い出のボクサーたちの記録を、誰でも見れる場所に残す。
きっと喜んでくれる人たちがいるはずだ。

一人の選手がリングを去るだけで、これだけ感情が揺さぶられる。
ファンそれぞれに特別なボクサーが存在する。

プロボクサー…彼らは、きっと自分が思っている以上に多くの人たちの感情を揺さぶり
多くの人たちの人生に影響を与えている。
リングの上のヒーローたちは、みな僕の人生の恩人たちだ。
 
 

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