2019/02/10 -静岡・本川根B&G海洋センター- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【フライ級4回戦】
溝口 孝良(西遠) vs 堀井 俊佑(ワタナベ)
溝口 孝良 10戦2勝5敗3分
堀井 俊佑 6戦3勝(1KO)3敗
試合開始直後、鋭くジャブを突き刺して行った溝口。
距離が縮まったタイミングでは強烈に右フックをねじ込んだ溝口だったが
ラウンド中盤、近い距離で堀井の左フック、さらに右アッパーが幾度も溝口を捉える。
溝口は時折右フックを強烈に返すものの、いずれも単発で終わってしまう。
ラスト10秒、一気に攻め込んだ堀口。
溝口はなんとか耐えきり、1Rが終了。
2R、堀井の回転の速いパンチを浴びながらも、足を前に進めて押し込もうとする溝口。
ラウンド中盤に入ると、強烈にボディを叩いていく堀井。
一瞬効いたように後退する溝口。
溝口も左ボディを撃ち込むが、堀井に右フックを合わされてしまう。
堀井のショートレンジの回転の速さ、鋭さは見違えるよう。
溝口を上下に襲っていく。
3R、頭を着けて撃ち合い始める二人。
回転と的確さではやはり堀井が勝るが、そんな中で強烈な左ボディを差し込む溝口。
さらに強烈に右を撃ち込み、堀井が揺れる。
前半劣勢に立たされながら、後半をまくるのがいつもの溝口。
ここからこれまでの試合と同じく、盛り返し始めるか…そんな矢先、
堀井のアッパーが溝口に突き刺さる。
足元をバタつかせる溝口、立て直す前に堀井の次が襲い掛かる。
そのまま堀井が矢継ぎ早に溝口の顔面を襲い続ける中、
溝口は膝をガクガクさせながらダウンを拒否するも…
後続のパンチを浴び続ける姿にレフリーが割って入る。
TKOタイムは3R 1：44。
訪れたチャンスを決して逃さず、一気に仕留め切った堀井。
僅差判定に終わった前回、今回ははっきりと差をつけたうえでTKO。
特にショートレンジでの攻撃は、鋭く早く…別人のようだった。
勝利者インタビューでは今年の新人王に出場するとコメント。
伸びてきている7戦目…この選手が、どこまで昇るのか…。
そして、今年が終わる頃、どこまで強くなっているのか、気にかかって仕方ない。
溝口は悔しい敗戦…僅差敗北からのリマッチではっきりとした敗北での返り討ち。
この日のB級昇格を見込んで、次戦では6回戦が組まれていたようだが…念願叶わず。
この選手が負けるところを何度も見てきた。
負け試合を驚きの盛り返しで引分にする試合も何度も見てきた。
あと1Rあったら…あと2Rあったなら…そんなタラレバを思ってしまう試合が幾度もあった。
どうしても思いを馳せてしまう溝口の5R、6R。
未だ見ぬその姿が見れるまで…あと、0.5勝。
【ライト級4回戦】
鈴木 紘平(琉球) vs 丸谷 雄亮(高崎)
鈴木 紘平 デビュー戦 サウスポー
丸谷 雄亮 5戦1勝(1KO)3敗1分 サウスポー
ジャブの刺し合いで始まった試合。
お互いに距離を測り合いながら緊張感の高い立ち上がり。
最初のクリティカルヒットは鈴木の大きな右フック。
頭がくっついたタイミングでは鈴木の右アッパー、右フックが丸谷を襲う。
鈴木は前の手の使い方がデビュー戦とは思えない程に多彩。
対する丸谷は鈴木の入り際に強烈に右フックを合わせてみせる。
さらに1R終了直前には丸谷が力のこもった3連打を叩きつけて1R終了のゴング。
2R、距離を詰めて連打で攻める丸谷に対し、強烈な右フックを叩き込む鈴木。
足を使い始めた鈴木、丸谷が入って来るところを鋭利な角度で捉える。
追いかけて行く丸谷だが、この段階では捕まえきれない。
3R序盤、足を使う鈴木は、時折単発の強烈な右フックを叩き込む。
それでも丸谷はしつこくしつこく鈴木を追いかけていく。
ラウンドが後半に進むにつれて、クリンチが増える中、
丸谷がコツコツと鈴木のボディを叩いていく場面が増えていく。
4Rは開始直後から猛烈な撃ち合い。
丸谷の右フックが強烈にカウンターで突き刺さる。
撃ち合いになると、次から次へと手がでてくる丸谷を持て余す。
ラスト30秒を切った頃、鈴木が強烈な右アッパーで丸谷の顔面を跳ね上げる。
しかし…丸谷のしつこさは衰えない。
両者撃ち合ったまま、最終ラウンドのゴングを迎える。
マイジャッジ 38-38 ドロー。
公式ジャッジ
39-38 鈴木
39-38 丸谷
…接戦を物語るようにジャッジが割れる。
三人目のジャッジ…。
38-38 ドロー
前の手の使い方が目を引いた鈴木。
この先、途中でへこたれなければ、きっと4回戦は乗り越えていくだろうと感じる。
デビュー戦だったこの日は、まさに経験で白星を逃したようにも感じる。
ただ一点、相手のしつこさにやられてしまった。
最初の試合でこの試合を経験した…。
沖縄で戦うこの選手に、大きなものが与えられたようにも感じる。
今年の西部日本新人王にはエントリーしていないが…
来年あたり、エントリーはあるのだろうか。
もしあるのだとすれば…中日本新人王の前に立ちはだかる可能性も高くある。
しばらくその道のりを注視したい思いにも駆られた。
丸谷の試合を観戦するのはこれで2度目。
結果は前回見たときと同じく引分。
今回も、前回も、自分を上回るものをたくさん持つ相手に対し、
しつこくしつこく戦って、試合を盛り返した。
綺麗なボクシングではない、スピードもパンチ力も、目を見張るようなものは感じない。
ただし、ここまでしつこいボクサーはなかなか目にしない。
それはそのまま、このボクサーの大きな武器にも感じる。
パンチ、スピード、テクニック…強豪選手となっていくボクサーは、それぞれ何かしら秀でたものを持つ。
丸谷の”しつこさ”もまた、それらに違わぬ秀でたものの一つ。
4回戦で負け越している丸谷だが、ここから登って行くための武器はしっかりと携えていると感じる。
1年後…2年後…この選手がいったいどの位置にいるのか、楽しみにしていたい。
【カテゴリ別】
2019年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る
中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る
カテゴリ別記事一覧に戻る
【日付別】
【記事一覧】2019年2月に戻る
【記事一覧】2019年に戻る
【記事一覧】に戻る
各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑
2019/02/10 -静岡・本川根B&G海洋センター- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
中日本ボクシング観戦記
コメント