2021/08/08 -刈谷・あいおいホール- 見どころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
今年もいよいよこの日がやってまいりました。
中日本新人王決勝戦、勝者は各地区新人王と拳を合わせる旅に出ます。
日本全国4地区での新人王が決定した後、各地の新人王が戦って全日本新人王を決めます。
全日本新人王は日本ランキング最後尾にランクされることとなります。
西部日本新人王と対戦する、中日本・西部日本新人王対抗戦。
西日本新人王と対戦する、西軍代表決定戦。
東日本新人王と対戦する、全日本新人王決定戦。
中日本新人王は、他3地区すべての新人王を破らなければ全日本新人王にはなれません。
今後のキャリアを左右する肩書を手に入れられるかどうかと共に、
これから過酷な旅に出る、我らが代表を決める戦いが、中日本新人王決勝戦です。
以下より動画配信予定となっております。
どうぞお楽しみください!
※動画が見れない方はこちらをクリックしてみてください。
■中日本ミニマム級新人王決勝
【ミニマム級4回戦】
原田 竜輔(岐阜ヨコゼキ) vs 亀川 陵太(ARITOMI)
原田 竜輔 6戦2勝2敗2分
最高のライバル対決の一つと言われたヨッシャー 松本(HEIWA)との4試合。
熱戦4試合を2勝2分として、決勝の舞台へたどり着きました。
しつこい攻めは胸を熱くさせるものがあります。
昨年はドローの優勢点負けで獲り逃した中日本新人王。
B級昇格の権利へもあと1勝と迫っています。
亀川 陵太 3戦2勝(1KO)1敗
負けた試合も含め、これまでの3試合全てでダウンシーンを演出。
最軽量級のミニマム級の選手としては珍しい。
決して大振りするわけではない右フックに威力あり。
唯一敗れた試合は3階級上のスーパーフライ級ウェイト。
粘りと手数で原田が寄り切るか、それとも亀川の右が火を噴くか。
ライバルの松本が引退したこともあり、原田にはその分も…の思いも。
■中日本ライトフライ級新人王決勝
【ライトフライ級4回戦】
各務 海都(尾張水野) vs 鈴木 尊虎(トコナメ)
各務 海都 3戦2勝(1KO)1敗
鈴木 尊虎 5戦3勝1敗1分
昨年の中日本新人王対決は、各務が棄権により鈴木の中日本新人王獲得が決定。
「中日本軽量級4回戦は鈴木を中心に動いている」
そう言って過言ではないほど、有望選手と拳を合わせ続けてのこの戦績。
昨年のリベンジへ…実力派が今年こそ、その名を売る旅へ進みます。
■中日本フライ級新人王決勝
【フライ級4回戦】
森川 祐輝(緑) vs 松浦 克巳(岡崎)
森川 祐輝 2戦1勝1分
サウスポーのスピードスター森川が決勝から登場。
柔らかな上体、抜群の反応…不安が残るのはペース配分か。
デビュー戦から実力者の鈴木 尊虎(トコナメ)と引き分けた試合では
前半を完全に支配して見せた。並みの選手ではないと感じている。
松浦 克巳 1戦1敗
こちらもまたデビュー戦で鈴木 尊虎(トコナメ)と相まみえた選手。
敗れはしたものの、スピードとテクニックに刈谷あいおいホールが驚嘆に包まれた。
全日本新人王決定戦まで勝ち上がった兄の松浦 克貴(岡崎)にも劣らぬ才覚。
スピードスター対決。
将来有望な二人の輝きがぶつかり合うカードとなりました。
この階級、西部日本では関 拳斗(関)が勝ち上がって来ています。
名ボクサー、関 博之(帝拳)の息子であり、U-15を3度制覇した選手。
この試合に勝てば、関と拳を合わせる…。
即ち、一気にその名を売るチャンスに辿り着くこととなります。
■中日本スーパーフライ級新人王決勝
山崎 隼人(名古屋大橋) vs カレル・アニス(畑中)
山崎 隼人 4戦2勝(1KO)2敗
懐の深さがありながら、近いところで勝負することも多い山崎。
今回の新人王戦は決勝からの登場ですが、接戦を重ねてのこの日のリング。
過去には逆転KO劇を演出した試合も。
カレル・アニス デビュー戦
アマチュアで14戦11勝3敗とかなりの好成績を収めている。
対戦相手棄権で勝ち上がってこの日がデビュー戦。
ネパール出身の22歳、プロのリングではその実力はまだベールに包まれています。
勝ち負けを重ねながら実力を伸ばしてきている山崎。
立ちはだかるのはベールに包まれた、ネパール出身のニューフェイス。
プロの洗礼か…それとも、新顔が華々しくデビューを飾るのか。
興味深い一戦です。
■中日本バンタム級新人王決勝戦
菅原 健太(名古屋大橋) vs 美濃 巧人(とよはし)
菅原 健太 4戦2勝(1KO)1敗1分
土台のしっかりしたスマートなボクシングが根本にあるものの…。
その実、激熱なファイター。
感情があふれ出んばかりのファイトを垣間見せてきています。
激闘型の渡辺 大和(カシミ)を最後は撃ち合いで寄り切って
引き分け優勢点で決勝へ勝ち上がって来ています。
美濃 巧人 2戦2勝
デビューから2試合連続の激戦を制しての決勝へ。
特に渡辺 大和戦は2020年の中日本ベストバウト候補とも思われる試合。
先輩で激闘派として名を馳せた太田 卓矢(とよはし)が引退。
スタイルは全く違うものの、図ってか図らずか…その系譜を踏襲しつつあります。
激熱ボクサー二人の激突。
名前の並びを見るだけで熱量が沸き上がってくるようなカードです。
拳で感情を魅せることができる両者。
頭を空っぽにして両者の殴り合いを楽しみたいと思います。
■中日本スーパーバンタム級新人王決勝
阿部 史也(タキザワ) vs プリンス 藤原(駿河男児)
阿部 史也 7戦4勝(2KO)2敗1分 サウスポー
2019年には両拳を負傷しながら中日本新人王技能賞を獲得した実力者。
昨年、全日本新人王候補として期待されながら、
中日本新人王決勝でまさかの1RTKO負け。
大本命、阿部がついに新人王の舞台に登場します。
プリンス 藤原 4戦3勝(2KO)1分
準決勝で魅せたのは、かわしながら詰めていくファイターとしての理想的なスタイル。
相手にアジャストしていく能力が高く、後半に進むにつれ試合を制圧していく。
上半身の柔らかさや細かいテクニックも短期間で増え続けている。
2019年は怪我により、中日本新人王以降の戦いを棄権。
昨年は決勝での敗北…。
大本命阿部が、今年こそに賭けて来る。
そこに割り込んで来たのが藤原。
伸び盛りと思えるほどに、1試合ごとに変化を見せている。
準決勝で魅せた姿は、阿部に対抗するに充分と思わせてくれる戦いぶり。
藤原の大変身が”大本命”の言葉を揺るがしている決勝戦。
勝ち抜けた方は間違いなく、「全日本新人王候補」だと思っています。
■中日本フェザー級新人王決勝
宮崎 裕也(薬師寺) vs 岩下 千紘(駿河男児)
宮崎 裕也 5戦2勝(2KO)2敗1分
かつて失神KOさせられた相手であり、全日本新人王候補としてその名が
上がっていた村田 翼(和光)を相手に、引き分けの勝者扱いで決勝へ勝ち上がった。
スリリングなカウンターパンチャー。
岩下 千紘 1戦1勝(1KO)
準決勝でデビューすると、3分に満たない試合で、
全日本新人王への期待を抱かせる圧倒的な実力を誇示した岩下。
まさに彗星のごとく現れた印象。
彗星のごとく現れたニューフェイスとなるか…。
並みいる強敵を下して勝ち上がった者となるか…。
全日本新人王候補を下した宮崎の前に新たなる強敵が立ちはだかる。
そう捉えると、宮崎にとってまるで漫画のような展開。
今年の主役を決める戦いとも思えてしまう。
■中日本スーパーフェザー級新人王決勝
花田 太一(HEIWA) vs 水谷 雄太(鈴鹿ニイミ)
花田 太一 4戦3勝(2KO)1敗
キックをベースにしたボクシングは体の強さを感じさせる。
デビュー戦からアマチュア30勝以上の選手を下してその名を売った。
1敗は海外でのもの。
水谷 雄太 1戦1勝(1KO)
一撃のぶつけ合いを制して準決勝を勝ち上がった水谷。
勝負度胸とタフネスはしっかりと証明している。
一発で勝負を決める可能性も孕んだ選手。
花田は全日本新人王を獲るために、九州から移籍してきた男。
家族そろってやって来たその覚悟、賭ける思いも強い。
そういったものが一撃で砕かれるのもまた、ボクシングのよくあるシーン。
そして、水谷はその可能性を孕む選手だと感じている。
ヒリつく空気となりそうな試合…KO必至の展開を予想します。
■中日本ライト級新人王決勝
山辺 蓮(市野) vs 中尾 公信(鈴鹿ニイミ)
山辺 蓮 1戦1勝(1KO)
デビュー戦ではペース配分を誤ったか、後半の疲弊が目についたが
ダウンを2度奪った左ストレートのタイミングは抜群。
上体の柔らかさにもセンスを感じる。
中尾 公信 1戦1勝(1KO)
休まずに攻め続ける…ペースで相手を削ってKO負け寸前からの逆転KO。
この選手を嫌がる選手は何人もいると感じる。
まだまだ伸び代だらけの選手、キャリア初期の現時点をしっかりと抑えておきたい。
一見不器用にも見える中尾だが、休まずに相手を疲弊に引きずり込んだ。
一方山辺は抜群のセンスを感じさせながら、後半に疲弊しギリギリの勝利。
対照的なデビュー戦を戦った両者。
仮に山辺がデビュー戦と同じようなペース配分の誤りを見せるようなら、
中尾のボクシングに引きずり込まれる可能性も孕む。
■中日本スーパーライト級新人王決勝
藤崎 紘成(和光) vs 近藤 裕真(中日)
藤崎 紘成 1戦1勝(1KO)
近藤 裕真 5戦2勝(2KO)2敗1分
この試合は近藤の棄権により藤崎が中日本新人王を獲得。
デビュー戦では詰めて来る相手をしっかりとかわしたうえでの鮮烈なKO劇。
西部日本新人王との対抗戦では、同郷の鹿児島出身で
5戦のキャリアを積んでいる逆瀬川 斗有(橋口)と対戦予定。
■中日本ウェルター級新人王決勝
上村 健太(緑) vs 後藤 宗士(とよはし)
上村 健太 1戦1勝 サウスポー
デビュー戦ではアマチュア実績のある選手を倒し合いで破って勝利。
力石 政法(緑)に憧れ、そのスタイルもよく似たモノ。
見本が近くにあるアドバンテージを活かし、
昨秋のデビュー戦から磨きがかかっていれば、注目を浴びることになるやも。
後藤 宗士 1戦1敗
デビュー戦を後楽園ホールで戦った後藤が中日本のリングに初登場。
身長177cmの長身選手。
後藤の戦いぶりを見れていない為、はっきりとした試合予想はできませんが…。
クレバーなボクシングを披露した上村 健太が、懐の深いであろう後藤とどう対峙するか。
後藤が果たして、どんなボクシングをする選手なのか。
わからないこそ、楽しみにできる部分が多くあります。
2年連続で西部日本新人王を獲得した平安山 太樹(ナカザト)が相手。
リベンジの今年、西部では決勝をフルマークで勝ち上がってきています。
その他、中日本ミドル級新人王はエントリー1名で早川 教文(中日)が新人王対抗戦へ。
スイッチしながら前進するときの迫力は圧巻、えげつない筋肉の持ち主。
父はプロ野球選手で本人は元ラガーマン。
同ジムのA級選手が舌を巻くほどに仕上がっている様子。
昨年は西軍代表戦で敗退。
中日本・西部日本新人王対抗戦ではデビュー戦の宮本 時代(本田フィットネス)と対戦予定。
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