2023/10/08 -岐阜・じゅうろくプラザ(二部)- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

緊張感高く見合う立ち上がり。
ピンと張り詰めた空気…リングから目が離せない。
マンモスの試合は一瞬で終わる可能性がある。
観客席もきっとそれを理解している。

ラウンド後半まで明確なヒットがない中、
濱口が右から飛び込んでオープニングヒットを奪う。
しかし、マンモスが濱口をコーナーに詰めると
強烈な左ストレートを突き刺して一気にラッシュ。

ここは逃れた濱口だが、その後、
マンモスの飛び込み様の右がコンクリートが衝突するような音を響かせて突き刺さる。

2Rに入っても緊張感の高い戦い。
ラウンド終盤、マンモスが空振りの右アッパーで会場をどよめかせると、
そのまま猛烈な強打で襲っていく。

3R、高い高い緊張感に静まり返る岐阜・じゅうろくプラザ。
マンモスのジャブ一つで顔が跳ね上がる濱口にどよめく客席。
激戦が予想されたハードパンチャーvsエンターテイナーの試合。
静かに静かに時間が進んで行く。

4R、呼吸がしづらくなるほどの緊張感。
濱口が入って来るところにボディを合わせるマンモス。

突如そのシーンが訪れる。
ロープ際、スリークウォーター気味の左アッパーで濱口が吹き飛ぶようにダウン。
立ち上がった濱口をまたロープに追い込むと猛ラッシュ。
押しつぶすように濱口をリングに沈め、レフリーが試合をストップ。

TKOタイムは4R 2分1秒

エンターテイナー濱口は不発。
マンモスのスタミナ切れを狙ったか、後半勝負を仕掛けているようにも見えた。
普段は周りがおったまげるような変則ボクシングを見せる濱口だが、
勝利を狙ったからこそのエンタメなしの戦い。
後半の仕掛けが発動する前に試合が終わった。

「目立とうとしている」「勝とうとしていない」
そんな誤解を受ける濱口だが、彼の変則ボクシングはいつも勝つためのモノ。
今日も勝ちに向かったからこそのこの結果だった。

何も起こせなかった濱口を、僕は心底カッコいいと思う。

強打を爆発させたマンモス。
スタミナ切れもそうだが、以前はスタミナを
気にしすぎて抑えすぎてしまうようにも見えていた。

バンタムに上げて、不安が解消されたか…堂々とした戦いぶり。
倒したいがあまり、ボディがおろそかだった部分も改善。
様々な弱点が埋まり、さらに凄まじい強打や回転力も健在。

ランカー戦線に挑んだとて充分に勝負できる。

「強打のサウスポー」は避けられがちなスタイル。
ランカーたちの中に、この強打に立ち向かう猛者がいてくれることを願う。

マンモス和則　14戦8勝(7KO)5敗1分
濱口人夢　15戦6勝8敗2分

前に出る福田に、距離を維持する佐伯。
一定の距離が保たれた間合いの中で、佐伯が不意に踏み込んで強烈に撃ち込む場面を作る。
立ち上がり、静かに3分間が経過する。

佐伯が攻め込むタイミングを増やすと、得意のショートで強烈に福田を捉える。
接近戦になるとコンパクトな左右フックを叩き込んでダメージを与えて行く。
福田も右フックやボディからのコンビネーションで佐伯を捉える場面を作る。

3Rに入ると、圧を増して来た福田の攻撃をガードで受け止め
撃ち終わりに左フックを突き刺す佐伯。
中盤、バッティングにより福田がカット。

ドクターチェックが入り、続行となるが…ここで大きく展開が変わる。
早期決着もあり得る出血量、はっきりとラウンドを制しておきたい。
一気に攻めてかかり次々と福田の顔面を捉えていく佐伯。
福田に積み重なる被弾。

ラウンド終了直前、積み重なったダメージにレフリーは試合をストップ。

TKOタイムは3R 2分59秒

福田は持ち味のタフネスを披露する前にレフリーが試合をストップ。
バッティングカットから一気に試合展開が変わってしまったこともあり
不完全燃焼な部分はあったようにも思える。

また、中日本のリングで改めて雄姿を見せてもらえる機会に恵まれることを願う。

試合を優位に進める中、早期決着…最悪の場合、負傷ドローもあり得る状況。
迷うことなく攻勢を強め、試合を決めに行った佐伯。
状況に応じて手早く的確な判断を下した姿に、
大きな経験を積んで帰って来たことを実感する。

まだまだ幼きメインイベンターだった佐伯が、大きくなって帰って来た。
次がタイトルマッチになる可能性も出て来たと宣言した横関会長。
岐阜の夢をその肩に乗せて、これからの道を進んで行く。

佐伯瑠壱斗　16戦10勝(3KO)5敗1分
福田星河　12戦6勝(1KO)6敗

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