まだやるの? ラリー・ホームズ(米)㉒ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/29

まだやるの? ラリー・ホームズ(米)㉒ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/29
 
 

 

さて、前回はラリー・ホームズ(米)が世界再挑戦に失敗しながらも、諦めずに再起4連勝を飾ったところまで。
 
 

続いて対峙したのはホセ・リバルタ(プエルトリコ)。
順調に勝ちあがってきたところで、ティム・ウィザースプーン(米)や
フランク・ブルーノ(英)、マイケル・ドークス(米)など…一流どころに5連敗。

直近の試合でホープだったウエスト・ターナー(米)を破って、ホームズとの一戦に漕ぎつけました。
 

1R、いきなり右のオーバーハンドから入っていくリバルタ。
長い腕に黒人特有のバネが全開、ジャブのスピードはまるでホームズの全盛期。
一気に緊張感を高めるホームズ。

スピード差を技術で埋めるようにリバルタのパンチを外しながら、パンチとパンチの隙間を縫ってジャブを差し込む。
相手のジャブは上半身のスウェーでかわし、差し込むジャブをカウンターでヒットさせる。
円熟したホームズの技巧が冴えます。

リング下ではWBO世界ヘビー級王者のトミー・モリソン(米)が見守ります。
 

2R、序盤オーバーハンドの右を反ばったリバルタにホームズの左フックが炸裂。
しかし…早すぎて何が起こったかよくわからない…。
コマ送りで見て、ホームズが当てていることが解りましたが…
アナウンサーはリバルタの右がヒットしたように見えたよう。
ヘビー級に似つかわしくないハイスピードの争いです。

中盤には飛び込んで強烈な右フックを合わせたホームズ。
千鳥足でダウンを拒否するリバルタをホームズが一方的に攻め立てるも、
なんとかこのラウンドを生き残るリバルタ。
 

3R、ダメージからか一気にスピードを失ったリバルタ。
撃ち込むパンチにも威力が感じられません。
2Rと同じような強打を浴びたリバルタはマウスピースを吐き出す。
完全にタイミングをつかまれてしまい…幾度もホームズの強打を浴びてしまう。
 

4R、遠距離からのジャブで立て直そうとするリバルタ。
しかし、当たるのはホームズのジャブばかり。
ジャブにジャブをいくつも合わされる…
飛び込めば右フックに襲われる…リバルタは八方塞がりになってきます。
 

5R、ボディストレートに右フックを合わされたリバルタはまたもマウスピースを吐き出す。
この辺りから自ら距離を詰め始めたリバルタ。
するとカウンターを合わされる頻度は減り…試合が拮抗し始めます。
 

6R、やはり前に出るリバルタ。
手数が減ったホームズに対して展開を盛り返す。
ここからすべてのラウンドを押さえていけば…まだまだ逆転の可能性は残されているように感じます。
 

7R、拮抗した展開だったものの終盤、ボディを狙ったところにカウンターの右フックを合わされたリバルタ。
またもマウスピースを吐き出して時間稼ぎ…再開後、やはり効いていたリバルタ。
後退しながら右ストレートを連続で撃ち込まれ、ロープに伝いにダウンを拒否しながら後ずさったところ、
レフリーがスタンディングダウンを獲ります。
この最中、このラウンド2度目のマウスピース吐き出し。時間を稼ぎます。

再開後、一方的に攻められるもなんとかこのラウンドを生き残る。
 

8R、開始直後から幾度もホームズの右ストレートを浴びるリバルタ。
攻勢を強めたホームズにリバルタが右をヒットさせた直後…。
右フックに右フックを合わされ痛烈にダウン。
再開後、一方的に攻められると、ホームズを突き飛ばすリバルタ。
後ろ向きにひっくり返るホームズ…リバルタはなりふり構わずピンチを逃れます。
 

9R、このラウンドは少し撃ち疲れたか、ホームズの手数が減ります。
ダメージを蓄積させたはずのリバルタ…。
残り6分を切った試合、かすかな望みを捨てずにコンビネーションを撃ち込むなど抵抗します。
しかし、ホームズも流れは渡さず、丁寧なジャブでコントロール。
 

最終10R、攻めて出るリバルタ…
残り1分程となったタイミングで、痛烈な右フックのカウンターがホームズを捉えますが
しかしリバルタの見せ場はここまで…芯を外し続けるホームズの技巧にタイムアップ。
 

終わってみれば圧倒的大差でホームズの勝利。
しかしながらなりふり構わず抵抗した…そんなリバルタに、僕はボクシングの美学を感じてしまったりします。
 
 

これで世界戦での敗北から5連勝。
WBCの世界ランキングも7位まで上がってきました。

ガーリング・レーン(米)との対戦を迎えます。
このレーンは11勝10敗1分…と平凡な戦績ながら…
レコードを覗いてみると、レイ・マーサー(米)、トレバー・バービック(米)、
リディック・ボウ(米)とは2戦、レオナルド・スピンクス(米)…。
数々の強豪と手を合わせています。

戦績の数字通りに受け取れなさそうな相手。
一回り以上身長が低く…しかしながらウェートではホームズを上回る。
 

1R、丁寧に頭を振りながら飛び込むタイミングをうかがうレーン。
しかし大きなリーチ差は如何ともし難く、ホームズのジャブの餌食になっていきます。
 

2R、頭を下げて体ごと突っ込み距離をつぶすレーン。
押し返そうとするホームズを体全体の力でグイグイ押し込みます。
一旦距離が開くと強烈なフックで襲うホームズですが、明らかにもてあます。
レーンはコツコツとボディを重ねます。
 

3R、レーンの入り際に強烈な右ストレートを叩き込むホームズ。
しかし、意に介さず距離を詰めるレーン。
ボディをコツコツ叩きながら、ホームズの強烈なアッパーやフックをもらうものの止まらないレーン。
 

4R、足を使って左を刺すホームズ。
こうなると手が届かないレーン。
しかしようやく中盤、レーンがロープ際に追い込むシーンが出てくると、
しつこくしつこくホームズのボディを叩く。
 

5R、序盤クロスを合わせながら飛び込むレーン。
中盤にはコーナーに追い込んで右フックを叩きつける。
しかし少し距離があけば、ホームズの力のこもったコンビネーションを叩き込まれる。
それでも前に詰めるしかないレーン…タフさ全開に戦います。
 

6R、レーンは、追い詰めればコツコツとボディへヒットを奪う。
距離を取られると一方的にパンチを浴びる。
中盤まではなんとか競り合うものの、このラウンドの終盤は
ホームズが下がりながらレーンを滅多撃ち。
 

7R、なかなか詰められないレーン。
コツコツと撃つボディをどれだけジャッジが獲るか…で採点に開きは出そうですが
ボディをしっかり獲ったとしても、ホームズがしっかりリードしていそうな展開。
さらに簡単にレーンを近づけさせなくなってきたホームズ。
レーンはただ愚直に進むしかなくなってきます。
 

8R、疲れからかレーンの圧が弱まってきます。
下がりながら撃つホームズの左に一方的に試合を支配される。
ほとんどパンチを撃ち込めないままラウンドが終了。
 

9R、タフさに任せて前に出続けるレーン。
このラウンドではホームズが左だけでなく、コンビネーションを幾度もヒット。
一瞬後ろに下がってしまうレーン…しかしすぐに前へと足を進め…。
またホームズの連打の餌食になっていく。
 

最終ラウンド、振るっても振るっても届かないパンチを当てるには前に出るしかなく、
しかしそうするにはホームズのコンビネーションをいくつも浴びなければならない。
心が折れてしまいそうな展開ですが…中盤、最後の力を振り絞ってホームズをロープ際に追い込んだレーン。
自分の強打をいくつかヒットさせますが…その3倍以上はホームズの強打をもらい…
それでもあきらめることなく食らいついていく…。

結局レーンはタフさで最後までホームズに食らいつき…終了のゴングまでその手を止めることはありませんでした。
 

結果、フルマークをつけるジャッジもいるほど、一方的な採点でホームズの勝利。
ホームズが格下を一方的に下した…そんな試合なのは間違いないのですが…
食い下がるレーンの心の強さに感動さえ覚えてしまう試合だったりします。
 
 

いよいよ世界再挑戦が見えてきたところ、ここで立ちはだかったのがジェシー・ファーガソン(米)。
WBA世界ヘビー級王座に挑戦後、
レイ・マーサー(米)やフランク・ブルーノ(米)らと熾烈な生き残りマッチに連敗していたところ。
ビッグチャンスをあきらめず、世界上位ランカーとなっていたホームズへ挑んできます。

しかしこの相手も大差の判定で退けたホームズ。
イベンダー・ホリフィールド(米)への挑戦から3年。
45歳にして約3年ぶりの世界タイトルマッチを迎えます。
 

相手は第17代WBC世界ヘビー級王者 オリバー・マッコール(米)

動向を気にしていない人には
「こいつまだいたのか?」なんて呆れられそうなホームズの世界挑戦。

そのあたり、また次回。
 
 

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