2024/5/5 -三重・AGF鈴鹿体育館- 第3試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/5/5 -三重・AGF鈴鹿体育館- 第3試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーバンタム級6回戦】
中本 豊(結花) vs 武藤 涼太(松田)

大きく振ってくる中本を距離で外しながら、的確に強打を浴びせて行く武藤。
ラウンド中盤には前の手の右フックで叩いて、中本が前のめりに手を着くダウン。
立ち上がった中本に対し、無理攻めすることなく。
しっかり外しながら、ラウンド終盤にはパンチを纏めて2度目のダウンを演出。

2Rに攻勢を強めた劣勢の中本。
そのほとんどを外す武藤だが、全弾は避けきれず、
大きな左フックがヒットする場面も。

それでもやはり内容は圧倒…左ストレートに吹っ飛ぶように中本がバランスを崩す場面も。
それでも逆転を狙って大きく大きく振り込んで行く中本。

3Rも攻勢は弱めず、撃たれても撃たれても攻め続ける中本。
撃ち合いに応じる武藤だが、猛烈な攻めに対しても
ほとんどまともに被弾はせず、一方的に拳を叩き込んで行く。

前に前に…しかし、一瞬腰が落ち…
ここはこらえたが、ダメージの深さにレフリーが試合をストップ。

TKOタイムは3R 48秒

逆転を信じて前に出続けた中本の姿は熱かった。
試合内容としては武藤の圧勝だが、中本に拳を握りしめた観戦者も多いはず。
敵地で格上に対峙した中本が、しっかりとボクサーとしてのカッコよさを見せてくれた。

思い切り振り込んで来る相手を嫌がる素振りも見せず。
冷静沈着にTKO勝利を挙げてみせた。
これだけ来られれば嫌がる選手も多いはずだが、意に介さず。
2023年全日本新人王MVPが強さをはっきりと指し示して中日本凱旋のリングを終えた。

中本 豊 11戦4勝(3KO)7敗
武藤 涼太 7戦6勝(4KO)1分

 

【スーパーフェザー級8回戦】
山辺 蓮(市野) vs 李 鎮宇(角海老宝石)

序盤からしっかり李のパンチが見えているように思える立ち上がり。
ワンツーを中心に積極的に攻め、グッと踏み込んだ場面では強烈に左フックをヒット。
まだ様子見か、あまり手の出ない李に対し、
グッと踏み込んで左ボディ、左アッパーで捉える場面を見せる。

2Rに入ると李の手数も増え始める。
鋭利なパンチが飛び交う中、山辺が中盤にパンチを纏める場面を作る。
距離と上体で巧く李のパンチをかいくぐりながら続けざまに捉える山辺。

3R、踏み込んで鋭利に襲う李だが
山辺は近距離で忙しくポジションを変えながら、左アッパーを突き刺していく。
ラウンド中盤にはボディの削り合い。
徐々に李が捉える場面も増え、終盤にはお互いにパンチを纏める場面を作る。
ラウンド終了間際には山辺が左ストレートをクロスで突き刺し、
一瞬李が硬直したように見える場面も。

4R、このラウンドも拮抗した内容…そんな最中、山辺の左アッパーに左をかぶせた李。
たった一撃でリングに崩れ落ちた山辺。
甚大なダメージに足元がふらつき、立ち上がっても静止することはできず。
そのまま10カウントが数え上げられた。

KOタイムは 4R 1分32秒


ここまでのマイジャッジは山辺の1Pリード。
3Pリードでもおかしくない内容だったとも思う。
後楽園ホールで「強い」と認められるノーランカーに対し、互角以上に戦っていた。
しかし…たった一撃で試合が終わってしまった。

まずはこれだけの選手が、この地方まで戦いに来てくれたことを嬉しく思う。
そして、その李に対して優勢に試合を進める戦いぶりを見せた山辺。

ただ…たった一発を、たった一瞬を奪い合うのがボクシング。
その一瞬を李が見事に制してみせた。
善戦はした…しかし、敵わなかった。
いくらラウンドを制していようが、強かったのは李だ。

山辺がいい選手であることははっきり示された。
ランキングを得れる実力も持ち合わせているだろう。
しかし、ベルトを巻くにはこういった相手に勝つ必要がある。

たった一発で…これまでの戦いでも経験してきた負け方。
ある意味、山辺の負けパターンとも言える。
自分の弱点とどう対峙していくか…。
山辺がベルトを巻くほど強くなる為に、この試合が必要だったと信じたい。

「強い」と言われる選手になり、そして「強い」と言われる男たちの中の熾烈な競争へ。
まだ距離はある…しかし、きっと届かない距離じゃない。

山辺 蓮 10戦7勝(6KO)3敗
李 鎮宇 12戦10勝(5KO)1敗1分

 

【バンタム級6回戦】
中村 祐斗(市野) vs 熊谷 祐哉(M.T)

強打を誇る中村に臆せず飛び込みカウンターを奪っていく立ち上がり。
中盤、熊谷が左フックで強烈に捉えると、中村がグラつく。
コーナーに詰まった中村の返す手にも全く臆せず責め立てる熊谷。

ここはなんとか脱出した中村だったが、仕切り直したところ、
今度は右ストレートでグラつかせ、一気に攻め立てると
たまらず中村がふっとぶようなダウン。

立ち上がって試合再開となるが、足元からダメージは甚大に見える。
再開してすぐにラウンド終了。

2Rが開始されると、ここでも中村からカウンターを奪っていく熊谷。
左ボディを効かせると、一気に詰めてのラッシュでこの日2度目のダウン奪取。
ここでレフリーが試合をストップした。

TKOタイムは2Rは1分40秒

強打の中村に対して全く臆さず、綺麗にカウンターをとり続けた。
元世界王者でさえ沈めたシロモノを全く恐れなかった。

B級初戦で敵地でランカー挑戦。
見事にランキングを強奪して行った。
中村が強いことを知っている観衆の前だったからこそそれが際立った。
まさに「殊勲」の言葉が相応しいKO劇だったように思える。

タイトルマッチが決まりながら流れること2度。
チャンスが不運で流れる中で、ノーランカー相手に痛い敗戦を喫した中村。
再浮上には登り直しが強いられることとなった。
ここからもう一度が大変な道のりなのは承知の上で…

もうだめだ…からの大逆転が中村であるとも思っている。
元世界王者をなぎ倒したときもそうだった。
彼の強打は何を引き起こすかわからない…。
中村のボクサーズロードもそうであって欲しいと思っている。

中村 祐斗 22戦12勝(9KO)8敗2分
熊谷 祐哉 8戦5勝(3KO)3敗

 

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