2018/5/20 -ふじさんめっせ-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/5/20 -ふじさんめっせ-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【バンタム級4回戦】
中島 彬(KTT) vs 冨田 風弥(伊豆)

・中島 彬 2戦2敗
・冨田 風弥 デビュー戦 サウスポー
 

未勝利の中島と、デビュー戦の冨田の試合。
ゴングとともに一気に攻めていったのはフレームで一回り上回る冨田。
劣勢に回る中島だったが、凌いで一旦落ち着くと左フックで何度も冨田の顔面を跳ね上げる。
さらに鋭利なボディを強烈に叩きつける。

既にボディが効き始めたか、冨田はなかなか手が出なくなる。
時折、前の手でボディを襲うサウスポーの冨田だが、ゴング開始直後の勢いは戻らない。
前の手の激しい応酬となった1R。
 

2R、一回り小さな中島に撃ち合いを挑んで行く冨田。
ガードの上からでも強引に叩き付けていくが、
狙いすましたような中島の右ボディストレートが突き刺さる。

冨田は細かくポジションを変えながらガードを叩く中、
時折中島が内側から鋭く冨田の顔面を跳ね上げる。
その後、もみ合いのような展開の中で、中島が足をふら付かせる場面。
勝負所で攻めていった冨田だが、今度は中島の強烈な左フックで冨田がたたらを踏む。

熱戦…第一試合から観客の声援が凄い。
 

3R、足を使う冨田だが、なかなか綺麗なヒットが生まれない。
中島は強烈なボディを叩き付ける。
冨田は苦悶の表情を浮かべてラウンド終了のゴング。
 

4R、足を使って回る冨田、
左オーバーハンドが綺麗に中島の顔面を捉える。
インファイトでは中島の的確なパンチが数多く冨田を捉えるシーンが目立つ。
小さな体でアウトボクサーをグイグイ押し込んでいく中島。

ラウンド中盤、頭をつけて撃ち合う中、中島の強烈な左フックで冨田が後退。
追い込んでいく中島だが、ロープ際ではするりと脱出する冨田。
中島は捕まえきれない…。

試合終了直前の撃ち合いでは、中島の顔面が跳ね上げられて試合終了のゴング。
 
 

マイジャッジは39-37で中島。
最終ラウンドの取り方ではドローもあり得るか…。
 
 

公式ジャッジが発表される。
 
 

38-38

39-38
39-37
 
 

2-0 勝者 中島。
 
 

中島は嬉しいプロ初勝利
 
 

上と下がバラバラになってしまうことが多くあった冨田。
ぶきっちょに見えるアウトボクシングだったが、それは伸び代。

まだまだ、完成には程遠いが、時間をかけて強くなって行ける選手だと思う。
こういった選手が地道に登って行く姿を見せてくれれば、
それはもう愛着沸きまくりの忘れられないボクサーになってくれること間違いなしだと思う。
ここから長く頑張って欲しいと思える選手。
 

中島はフレーム差のある相手に対して、しっかりと詰めてファイトしていった。
乱打戦になった中でのディフェンスも悪くなく、ガードも徹底していた。
攻め込まれればしっかり反撃して相手の勢いを止めており…。
デビュー2連敗の戦績に首を捻る思い。
ここから盛り返していって欲しいと思う。
 
 

 

【スーパーバンタム級4回戦】
ヤノ ジョン(駿河男児) vs 中村 賢治(オークラ)

・ヤノ ジョン 6戦2勝4敗
・中村 賢治 5戦1勝4敗
 

1R、ハンドスピードのある二人が近い距離で駆け引き合戦。
丁寧にディフェンスしながら、ヤノがコンビネーションで中村を捉えるシーンが目立つが、
中村はラウンド終盤になるとヤノのボディを強烈に襲っていく。
 

2R、両者の攻勢が強まり、撃ち合いのシーンが目立ち始める。
ラウンド中盤、ヤノの左ボディからの右フックが中村を綺麗に捉える。
攻めていこうとするヤノだが、中村は右を返してヤノの顔面を跳ね上げ、相手の勢いを遮断。

ラウンド中盤からヤノのボディが中村を捉えるシーンも。
 

3R、ゴング開始とともに中村が一気に攻めて出るが、これを下がりながらことごとく外していくヤノ。
1年前と比較して、ディフェンス面の向上が凄い。

しかし、ガンガン前に出る中村の勢いは止まらずに、被弾するヤノ。
この場面では撃ち合って中村を止め、頭を着けてボディアッパーでえぐる。

ひたすら足を前へ前へと進める中村。
手数でガードの上からでも強引に叩き付ける。

対していなしながら、的確に捉えるヤノ。
ラウンド終了直前には、狙いすましたようなヤノの右が突き刺さる。
 

4R、下がりながら左フックを突き刺すヤノ。
前進するしかない中村はそれでもがむしゃらに手を出していくがなかなか捉えられずに被弾。
このラウンドは一方的になっていく…これまでになかった巧さを発揮したヤノ。
はっきりと試合を制して終了のゴング。
 
 
 

マイジャッジ 40-36 ヤノ

公式ジャッジは
39-38、39-37、40-37でヤノ。
 

どれだけパンチをもらっても前に前に足を進めた中村。
決してガムシャラだけのファイターではなく、形も綺麗でしっかりしたファイター。
ただし、その分、相手にとってはやりづらさを感じないタイプかもしれない。
丁寧な反復を感じる選手、そして前進を止めない強さもある。
こういった選手、切に結果がついてきて欲しいと思う。
弱くて負けがかさんでいる…選手ではないと思う。
 

ヤノは…こんな強かったっけ?なんて思った試合。
今回は久々にフレーム差のない相手との試合だった。
中間から近い距離では抜群の強さを発揮するヤノ。
ロングレンジで戦う選手を引きずり込むような選手になれば、連勝していく姿もリアルに想像できた。

はっきりと伸びている選手を見るのは、心が躍るような思い。
あと1勝でB級昇格…このままグングン力を伸ばしていって欲しい。
 
 

 

【スーパーライト級4回戦】
木原 宗孝(帝拳) vs 赤岩 俊(マナベ)

・木原 宗孝 5戦3勝(1KO)1敗1分
・赤岩 俊 4戦2勝(1KO)1敗1分
 

試合開始とともに、木原の大きな左フックにショートの右を合わせた赤岩。
さらに右ストレートを叩き付ける…そのままガンガン前に出て行く赤岩に対し、
木原は押し込まれながらも鋭いパンチを振るっていく。

密着した距離で細かく細かく撃っていく赤岩。
木原が距離を取ろうとするすぐさま追いかけていく。
…とにかく距離を潰す作戦か。

距離がわずかでも空けば振るわれる木原のパンチはあまりにも鋭くかなり脅威。
くっついて来る赤岩をグッと押し返して右クロスをかぶせ、
赤岩が腰砕けになったところでラウンド終了。
 

2R、密着する前に撃っていこうとする木原だが、赤岩はガードしながら距離を潰して密着戦に持ち込む。
どれ程練習したのか、ゼロ距離での攻防で赤岩は巧く体重移動しながら力強く撃ち込んでいく。
木原がクリンチに逃れようとしてもそれを許さず、小さく細かく撃っていく。

木原はこの距離で強烈に赤岩のボディを襲って対抗…しかし、赤岩の回転力に後手に回る。
 

3R、少しでも距離ができればスピードもパンチも…ポテンシャルで上回る木原が圧倒的に優勢。
押し合いながらスッと半歩下がって距離を作って強烈なパンチを滑り込ませる。
ガードの上からでも赤岩の顔面が跳ね上がるほど、木原のパンチは強烈。

それでも、撃ち合い以外にない赤岩はがむしゃらに前進し続け、手数と回転で勝負していく。
ポテンシャルで明らかに上回る相手をドロドロのファイトに引きずり込んでペースを強奪していく。
 

4R、木原はとにかくやりにくそう、距離を作り切れず押し込まれるシーンが目立つ。
赤岩は相変わらず距離を潰してボディに連打を叩き込む。
消耗して下半身に粘りがなくなって来たか、木原が足元をふら付かせる場面が出る。
それでも綺麗に捉えるのはいつも木原の方…押し込まれながらも試合終了が近づくにつれ
赤岩の顔面を捉えるシーンが増えていくが…倒すには至らず、試合終了のゴング。
 
 

綺麗なダメージブローは木原の方が多いが、不格好でもお構いなしに叩いた赤岩。
試合を通じて、ジャッジによって採点が分かれそうな試合。
 
 

マイジャッジ 39-37で赤岩。

獲り方によっては赤岩フルマークもあり、木原につくのもあり。
 

公式ジャッジが発表される。
 

39-37 赤岩
39-37 木原
 
 

39-38
 
 

 

…赤岩
 
 
 

2-1で勝者 赤岩
 
 

才能にもパンチにも木原の方が恵まれている。
しかし、勝ったのは赤岩。

様々なもので上回る相手を、密着して攻略してしまった。
ゲームプランも、信じて貫いた選手も見事。
燃えた…心底から燃えた試合。
 

木原…抜群の素材が4回戦で2敗目。
名古屋で生まれ、世界王者を目指して名門で力を磨く選手。
東の選手なので継続して見れないのが残念だが…

またいつか彼をリングで見るとき、どんな選手になっているのか。
負けるということは弱いということ。
裏を返せば強くなれば勝てるということ。

強くなれ…名古屋から、その姿を信じていようと思う。
 
 

 
 
 

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