中日本所属選手 5月の試合結果(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2024/06/01
【ウェルター級4回戦】
鳥居 翔太(LUSH緑) ○ vs 片岡 一平(本田フィットネス)
1RTKO
ロングレンジでの探り合いから、テンポよくワンツーを撃ち込み始めたサウスポーの片岡。
じっとこらえてタイミングを掴んだか、鳥居がワンツーの合間に踏み込み、強烈な左で捉える。
なんとかこらえようとする片岡に左を追加してダウンを奪取。
再開後には、左ストレートをテンプルに浴びせ、
一瞬動きを止めた片岡に更に追撃の左ストレート。
2度目のダウンを喫した片岡にレフリーは試合をストップ。
先にパンチをヒットさせ始めたのは片岡の方だった。
ロングレンジでの攻防の中、落ち着いて強烈なカウンターを浴びせ、
再開後も初発で仕留めてみせた。
お互いにストレート系のパンチの応酬の中で上回った形。
「ワンツーこそ最強のパンチ」と言われることもある。
威力とタイミングのある左ストレート、初勝利の試合で凄みのある武器を見せた。
鳥居が中日本のリングに立つ日が楽しみでたまらない。
鳥居 翔太 2戦1勝(1KO)1敗
片岡 一平 1戦1敗
【フェザー級4回戦】
佐藤 陽太(LUSH緑) ○ vs 外村 悠翔(本田フィットネス)
3RTKO
足を使って距離をとり、入って来たところに合わせる岡村。
岡村のカウンターもスリリングだが、近距離で放たれる佐藤のパンチも強烈。
3Rに入ると、佐藤が距離を潰し、インファイトを仕掛け押しつぶすように2度のダウン。
ダメージが深そうな岡村に、レフリーが試合をストップした。
カウンターセンスが秀でたように見えた岡村に対し、
岡村が仕掛けたファイトでは角度の多彩さが目を惹いた。
長い距離で互角の展開ながら、近い距離で優位に立つと踏むと、
その距離での戦いを譲らず、やっかいな相手をねじ伏せた。
戦える展開の種類、ファイトで繰り出されるパンチの種類。
たった2戦目で手札の多さを感じさせた。
来年の新人王にエントリーとのこと、間違いなく注目選手になると感じた。
佐藤 陽太 2戦2勝(1KO)
外村 悠翔 1戦1敗
【バンタム級8回戦】
テル のび太(LUSH緑) △ vs △ リー・カイメイ(中)
1-1(78-74、75-77、76-76)
テルのファイトに対して、真っ向から応戦したリー。
お互いに腹を削り合い、顔面にも返していった。
強烈なボディにもリーは休むラウンドを作りさえすれど消耗せず。
逆にテルのボディえぐり返し、試合は激しい熱戦へと昇華した。
マイジャッジは77-75でテルだったが、
公式ジャッジは1-1のドロー。
ジャッジはリーに2P有利についた判定も許容範囲の試合だったと思う。
休むラウンドでも巧くヒットを重ねてラウンドを拮抗させたリー。
撃ち合いでも、テルのパンチを恐れず、腹を犠牲にしてでも数多くのカウンターをとった。
前半飛ばしすぎたペースも、休む時間をうまく作り、8Rでしっかりとスタミナを使い切った配分試合展開の作り方。
ファイト主体の試合だったが、この試合をドローに持ち込んだのはリーの巧さだったようにも思う。
開場を熱狂に包んだテルではあったが、結果がついて来なかったことに悔しそうだった。
「凄い」と言われる試合は彼にとって最早当たり前だ。
4回戦時代には相手に触れず敗れたような試合もあった。
この選手がA級に昇格し、大声援を浴びるようになるとは思えなかった。
試合をすれば、観客を熱くする試合を約束できるような選手。
あとは結果…本人が誰よりもそれに渇望している。
トンネルを脱出する日の喜びを一緒に味わうためにも、
今、苦しむテルをしっかりと見て行きたいと感じた。
テル のび太 15戦8勝(3KO)5敗2分
リー・カイメイ 12戦6勝(2KO)5敗1分
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フェニックスバトル115&ふじの国PROFESSIONAL BOXING5
5月14日(火) 18:00~ 東京:後楽園ホール
【バンタム級4回戦】
山本 晃弘(秩父) ○ vs 岡田 篤憲(尾張水野)
2RTKO
両者のバッティングからスタートした試合。
真っ向からの撃ち合いとなる中、岡田が一気に展開を握るかに思えたが
1R終盤に山本が盛り返すと、的確なヒットで撃ち合いを制して行った。
撃ち合いの中でも、避ける動作があった山本と、それが小さかった岡田。
蓄積するダメージか、岡田の動きが落ちて行き、最後は一方的に。
デビュー3連敗となった岡田だが、攻撃力や真っ向勝負に挑む心は持ち合わせている。
勝つまでやれば勝てる、まだまだ強くなれる。
彼の初勝利を心待ちにしていたい。
山本 晃弘 3戦2勝(2KO)1敗
岡田 篤憲 3戦3敗
【スーパーバンタム級6回戦】
植松 卓美(駿河男児) ○ vs 星野 凌(JBスポーツ)
3-0(60-54、60-54、60-54)
植松が実績上の相手に対してフルマークの完封劇でA級昇格を決めた。
アマエリートたちが多くいる駿河男児の中で希少なたたき上げであり
駿河男児で一番の努力家とも言われる男。
クリーンヒットを許さず、リスクを削り取った姿は
過信せず、徹底して勝利に向かって一直線に走った戦いぶりに思えた。
ディフェンスは間違いなくさらなる高みでも通用するハズ。
ここから強敵や難敵がひしめくA級戦線。
ランキングを手に入れた後も、他に負けない存在感を放ってくれると思える。
強くなった…みるみると強くなった選手。
令和のディフェンスマスターとして、植松の名が刻み込まれる未来を期待したい。
植松 卓美 6戦6勝
星野 凌 11戦6勝(2KO)3敗2分
【58Kg契約8回戦】
木村 蓮太朗(駿河男児) ○ vs ジェスレイ・ワミナル(比)
1RKO
両者体重オーバーで迎えた試合。
結果は、左ボディ一撃での木村のKO勝利。
木村自身の不祥事、他選手の反則、続く体重超過…。
ダーティーなイメージがついてしまった駿河男児ジム。
特に看板選手である木村が不祥事、体重と重ねたことは大きく感じる。
駿河男児の一部の選手がやらかしていること。
個人競技である中で、連帯責任のように全ての選手が
ヒール的なシルエットになってしまうのは理不尽だ。
しかし、世間はそういうもの、理不尽なものだ。
6か月の出場停止、そして日本フェザー級1位にまで
上り詰めたランキングもどうなることか。
彼を応援して来た人達、支えてきた人たちに向き合って欲しい。
選手がやらかしたとき、応援してきた人たちは心を痛める。
大好きだったからこそ、心を痛める。
そして、人間まではなかなか嫌いになれない。
嫌いになったとしても、その過程には苦しみがある。
「選手が主役」の世界だが、それを支える脇役がいなければどんな物語も成立しない。
きっと時間はかかるし、今回の事は時が経っても繰り返し言われるだろう。
この状況を覆すことは簡単な道のりではないはず。
それを乗り越え、木村が大きな声援を受けながら、より大きな舞台に立つ姿を願っている。
木村 蓮太朗 9戦8勝(4KO)1敗
ジェスレイ・ワミナル 27戦16勝(9KO)10敗1分
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4月の敵地戦績
6戦4勝(3KO)1敗1分
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