自分の生まれ故郷でもある三重で行われるボクシング。
メインイベンターの中村 祐斗(市野)が、近藤 冬真(蟹江)とユース王座を争う。
僕は近藤というボクサーが好きだ。
昨年、後楽園ホールにまで行った興行の一つに、近藤目当ての試合もあった。
デビュー戦から見て来た愛着のあるボクサー。
そして…中村も好きだ。
先日発刊されたWINの取材で中村にインタビューをさせてもらって以降、
中村 祐斗という青年の魅力、そしてその家族たち、市野ジムの魅力に取りつかれている。
どちらが勝っても、きっと負けたほうに目が行く。
ボクシングから勝敗が無くなってしまえばいいのに…そんな思いさえ感じる。
そして、菅原 秀馬(市野)が勝負のチャレンジマッチに挑む。
相手はロリ・ガスカ(大阪帝拳)…我らがチャンピオン、大橋 弘政(HEIWA)から
ベルトを奪い去って行った強豪だ。
発表されたとき、思わず正気か!?と突っ込んだカードだったが…
高瀬 衆斗(蟹江)を相手に菅原が見せたパフォーマンスを思い出すたび、
勝つ可能性はある…からきっと勝てるに変化していった。
それでも…正直怖い。
そしてこの日、熊本では森 武蔵(薬師寺)がリチャード・プミクピック(比)とのリマッチ。
前回は超接戦…この試合を落とせば、森の今後がどうなるかも不透明。
絶対に落とせないカードに立ちはだかるのは超強豪…胃が痛い。
好カード特有のワクワクした感情と、どこか悲壮な感情が入り乱れる中、電車に乗り込む。
地下鉄で名古屋駅に出て、そこから近鉄に乗り込む。
急行列車で津新町まで1時間以上を揺られ、そこからバスを待つ。
しかし…これから繰り広げられる試合を妄想しては落ち着かなくなってしまい、
駅前のタクシーに声をかけ、メッセウィングまでいくらかかるか聞いてみる。
…1300円くらいとの答え。
バスより1000円分高くなる。
あと15分待てばバスが来るが…ワクワクを抑えきれずに15分を1000円で買うことに。
開場1時間前にメッセウィングに到着する。
到着したとたんになにかホッとしてドッと疲れが襲い掛かる。
これは遠征あるある。
前日からのワクワクと長距離移動で気持ちが一旦スタミナ切れを起こす。
ここから開場時間に向けて、徐々に徐々に気持ちが高まっていき、
第1試合のころには全身で試合を楽しむ気持ちの準備が整う…。
第1試合は初見となる選手同士の対戦。
また、この選手たちも好きになってしまうのだろう。
開場前に、菅原と顔を合わせる。
菅原が出る試合はいつも菅原からチケットを購入していたが、
この日は日本ユース王座のベルトを持ち帰ってくれた中村からチケットを購入。
どことなく気まずい思いもありつつ、明るく「絶好調」を報告してくれた菅原にホッとする。
やがて開場時間を迎えて、試合会場に滑り込む。
この日は立ち見の観戦。
最後尾の席の真後ろに陣取り、試合開始を待つ。
パンフレットに目を落とすと、この日の試合に出場する市野ジムの面々のこれまでのストーリーが掲載。
去年も確かこのページがあった。
デビュー戦の選手まで色濃く知れる。
市野会長のブログにはより濃い選手や試合の見どころが掲載されている。
このブログでは中日本の興行に対していつも見どころを掲載しているけれど…。
やっぱり身近な人が書くものにはかなわない。
選手たちのありのままの魅力が掲載されている。
しばらくして、緑ジムの岡庭マネージャーを見つける。
慌てて駆け寄り少し談笑…
翌週に韓国で試合をするテル のび太(緑)、溝越 斗夢(緑)へ向けた贈り物を預ける。
どうか怪我無きように、御守りを…。
ファンにできることは限られている。
金を払うか、思いを伝えるか…きっとそれくらいしかない。
国際マッチメーカーとして活躍する岡庭さんに頼んだ面倒ごと。
若造に使い走りのような扱いをされての返答は…
「怪我なく帰ってきますように」
粋な大人っていうのはいつの時代もカッコいいもんだ。
さて、ここでいつもの
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
そして、TVで観戦するのとは違い、1つの角度しか見れず、スロー再生もない。
レフリーで隠れたタイミングでパンチが入っても気付けないし、かなり離れた自由席での観戦。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
岡庭さんと話している間に一気に時間が過ぎ去り、第1試合の時間。
初めて見るボクサーが赤コーナーと青コーナーに。
いよいよ…今年の三重が開幕する。
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