2023/12/16 -台湾・桃園市- FirstDrop Anaconda vs Iron Breath 第3試合、第4試合(中日本ボクシング観戦記・番外編)
【ミニマム級4回戦】
イェ・ジーユェン(台湾) vs トゥアン・ディンミン(ベトナム)
お互いに少し離れたところから踏み込んではヒットを奪うイェ・ジーユェン。
ジリジリと下がりながら距離を維持し、凄まじいハンドスピードで反撃するトゥアン・ディンミン。
2Rにはお互いに大砲に合わせたカウンターを交換し合う。
終盤に入ると、痛烈なクロスを撃ち込むなど、トゥアン・ディンミンがカウンターセンスを見せつける。
ただし、3Rにはイェ・ジーユェンも躊躇ない飛込みから強烈な右を撃ち込む。
お互いに振り抜くようなカウンターの撃ち合いとなりスリリングな3分間となる。
もらいながらも撃ち返すイェ・ジーユェン…いつKOシーンが訪れてもおかしくない。
好戦的に攻めるイェ・ジーユェン、カウンターで迎え撃つトゥアン・ディンミン。
最終ラウンド終盤に入ると、下がりながら、時折スイッチし、
トゥアン・ディンミンをかわしにかかるイェ・ジーユェン。
トゥアン・ディンミンは追いきれず、イェ・ジーユェンが戦いの幅を見せつけた上で試合終了。
マイジャッジはイェ・ジーユェンが39-37。
公式ジャッジ
40-36
39-37×2
3-0で勝者イェ・ジーユェン。
トゥアン・ディンミンの強烈なカウンター、凄まじいハンドスピード。
これに一切怯まずに出入りを繰り返したイェ・ジーユェンが試合を制した。
技術と経験に裏打ちされた勇気と自信を感じた。
台湾国内、ベトナム国内ではどちらも試合数が少なくなっていくように思う。
試合数を重ねるには海外リングでの戦いが必要になり
きっと険しい道のりにはなると感じるが、どちらも力のある選手…。
仮に日本にリングに訪れ、素晴らしい戦いを見せたときには、
国籍関係なく、大きな拍手が送られて欲しい。
イェ・ジーユェン 2戦2勝(1KO)
トゥアン・ディンミン 2戦1勝1敗
【スーパーライト級6回戦】
シェ・ユーアン(台湾) vs キム・チョンホン(韓)
頭一つ大きなキム・チョンホンに対し、飛び込んで強烈にボディを叩くシェ・ユーアン。
お互いに踏み込み合う為、頭が当たる場面も目立つ。
シェ・ユーアンの撃ち終わりを狙うキム・チョンホン、強烈に捉える場面も目立つ。
キム・チョンホンが捉えては体を預けて反撃を遮断するため、撃ってはクリンチの流れが続く。
シェ・ユーアンは密着した場面でうまく腕を折りたたんで強烈に捉えて見せる。
体ごと押し込んで来る一回り大きなキム・チョンホン。
クリンチの多い試合ではあるが、パンチが交錯する場面では迫力満点。
鋭く撃ち込むシェ・ユーアン、大きく振るキム・チョンホン。
4R中盤あたりからフレーム差に削られてきたか、シェ・ユーアンの反応が鈍り始めると
終盤、キム・チョンホンが右ストレートで捉え、明らかに効かせた状態からラッシュ。
レフリーが試合を中断、ここはマウスピースが外れ落ちたことに対するブレイク。
大ピンチを脱する。
5R、一気に動きが落ちたシェ・ユーアンに対し、攻勢を強めるキム・チョンホン。
このラウンドではキム・チョンホンのマウスピースが落ちて試合が中断。
消耗し、下がりながらもシェ・ユーアンは出て来るキム・チョンホンを強烈に捉える。
しかし、止まらぬキム・チョンホン…シェ・ユーアンを押し込み続ける。
最終ラウンド、消耗するシェ・ユーアンを攻め込み続けるキム・チョンホン。
反撃の被弾を強烈に浴びながらも攻めに攻め、シェ・ユーアンはズルズルに疲弊。
パンチを撃つたびに体が流れるシェ・ユーアンを試合終了間際、強烈に捉えたキム・チョンホン。
後続打を浴びせて、レフリーはスタンディングダウンを奪取。
マイジャッジは59-54でキム・チョンホン
公式ジャッジ
58-55
57-56×2
3-0で勝者、キム・チョンホン
最終ラウンドのダウンが無ければドローだった計算。
マイジャッジは大差判定だったが、これも納得の採点。
2R、3Rはスイングラウンドだったように思えた。
スピードがあったのはシェ・ユーアンの方、技術の幅、パンチの種類も上回っていた。
キム・チョンホンは単純に体格差を活かして押し込み続けて削っていった。
パンチ以外の部分での戦略、技術がこの試合を決定づけた。
これもボクシング…自分より上回る武器を持つ相手に対して、自分が上回る部分で勝負する。
アウェイの地でキム・チョンホンが快勝をあげた。
シェ・ユーアン 3戦1勝(1KO)2敗
キム・チョンホン 6戦4勝2敗
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