2019/03/17 -愛知・刈谷市あいおいホール- 5試合目、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■中日本新人王バンタム級新人王準決勝
【バンタム級4回戦】
テル のび太(緑) vs 安西 蓮(岡崎)
テル のび太 5戦3勝(2KO)1敗1分
安西 蓮 4戦2勝(1KO)1敗1分
1Rから激しい撃ち合い。
生粋のファイターのテルに対して、安西が選択したのはファイト。
生半可に捌くより、これが正解に転ぶこともある…開始5秒で痺れさせてくれる。
頭の衝突でいきなりテルが左目上から出血。
血の量はかなり多い。
お互いに激しく撃ち合い、両者の顔面が跳ね上がるが、
インファイト本職のテルがボディを織り交ぜて優勢か…。
2R、一旦距離を置こうとする安西だったが、テルの圧力で一気に潰される。
生粋のファイターとしては中日本トップクラスに迫るようにも見える。
執拗にボディを叩きながら、内側では敵なしを印象付ける回転と威力で安西を圧倒していく。
テルの入り際を安西の右ストレートが捉える場面もあるが、テルを止めるには至らず。
3R、ワンツーを痛烈に撃ち込んだ安西だったが、もらいながらも入り込んでくるテル。
入って来るところに合わせるも、テルは怯まず。
ラウンド中盤、踏み込んだテルに対して、安西の左フックが痛烈に捉え、テルの腰が落ちる場面も。
テルは体制を立て直すと、すぐさま前に…回転、圧力ともに全く落ちない。
4R、激しい撃ち合いの中で、テルの右が強烈にヒットし、安西がたたらを踏む。
一気に攻めて出るテル、安西は体制を立て直すとファイトに応じる。
激し過ぎる攻防…熱戦に試合終了のゴングが鳴る。
マイジャッジ 40-36 テル
公式ジャッジ
40-36、40-36、40-37
3-0 テル
この階級、優勝予想に安西を挙げていたが…テルのインファイトに完敗を喫した。
新人王戦序盤では随一の好カード…どちらが勝ってもおかしくないカードだとは思っていたが…。
フルマークでテルが勝利する姿は想像がつかなかった。
中日本トップクラスのファイターを印象付けたテル。
それと激しく撃ち合い、足を使って詰められても完全に飲み込まれることはなく…
安西が力のある選手だという印象は変わらない。
「テルが強かった」
それしか言葉がない。
「減量が楽なのがバレてバンタムに下げました」
「今の僕では入場でドラえもんの曲を選択することはできませんでした」
刈谷がざわつく勝利者インタビューでの”のび太節”も板についてきたように思えるテル。
2階級下げたテルだが、コンディション作りには不安なしと感じる。
動きのキレもよく、回転は以前より増しているようにも感じた。
これで8月の中日本バンタム級新人王決勝戦への出場を決めたが…
対抗ブロックには前日、飛び抜けた力を示した木村 天汰郎(駿河男児)がエントリーしている。
相手のパンチを距離で外し続けた12分間。
常に相手の距離を潰していくテル…木村が勝ち上がって来るのであれば、
対極にも思える二人のボクシングがどんな展開になるのか…楽しみで仕方ない。
【70.85kg契約8回戦】
丸木 凌介(天熊丸木) vs カン・クンウー(韓)
日本スーパーウェルター級5位/OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級13位
丸木 凌介 22戦15勝(10KO)6敗1分
韓国スーパーウェルター級2位
カン・クンウー 9戦4勝(1KO)2敗3分
1R、プレスをかけて来るクンウーに対して、左を刺しながらサークリングする丸木。
ラウンド中盤、コーナーに詰まったところで、丸木はクンウーのジャブにクロスを合わせる。
まだまだ展開は静か。
2R、相手が入って来るところにジャブ、ボディを撃ち込んでいく丸木。
丸木のボディの打ち終わりに、左右のショートを合わせたクンウー。
ラウンド中盤、ロープに詰めたクンウーが、コンビネーションで丸木の顔面を襲う。
一気に攻めていこうとするクンウーだが、丸木の左ボディに動きが止まる。
その後も、丸木の撃ち出しに合わせたクンウーの左フックは脅威。
3R、いやらしくタイミングの読みづらい丸木のジャブが撃ち込まれていく。
…ジャブの名手と言っていい代物に思える。
クンウーはプレスをかけてコーナーに詰めると、右フックで丸木の顔面を叩く。
さらに打ち終わりにコンビネーションを浴びせる。
4R、開始早々、クンウーのワンツーを外した丸木が逆にワンツーを撃ち込み綺麗なダウンを奪取。
再開後、攻めて出たクンウー、小さく連打で丸木を捉える。
丸木は強烈な左フックを入れてクンウーを止める。
5R、ロープに詰めて強烈に左ボディから、左フックを撃ち込んだクンウー。
思わず「危ない!」と声が出そうになったその直後…
カウンターの右アッパーから連続で左フックの追撃を浴びせた丸木。
明らかに意識が飛んだクンウーが、倒れずに踏みとどまったところ、
一気に連打を浴びせてレフリーが試合をストップ。
チャンスを見極め、完璧に仕留めた姿に、トップランカーの凄みを感じる。
何度も丸木をコーナーに追い詰めたクンウー。
前進し、リスクを追って、丸木の顔面を捉えていった。
ダウンを奪われた直後には猛烈にに攻めて出る姿、
さらに最後は明らかに意識を飛ばされながらも、踏みとどまり続けたその姿は
敵地に勝利を奪いに来た勇敢な好選手のシルエットだった。
丸木がはっきりと仕留めにかかったタイミングは5RのTKOシーンのみに見えた。
少しもらい過ぎたようにも思えたが、連敗脱出の快勝は嬉しい限り。
東京で2戦連続で日本王座に挑戦し、いずれも紙一重の敗北。
誇らしい思いだった分、連敗中だった印象はなく、
再起戦よりも凱旋試合のような気持ちで見てしまっていた。
昨年8月に丸木に勝利した日本ウェルター級暫定王者の渡部 あきのり(角海老宝石)は
OPBF東洋太平洋のタイトルを狙う様子。
丸木のここでの韓国人との対戦は、渡部へのリベンジを見据えるようにも感じる。
日本のトップに匹敵する実力は証明した。
あとは…ベルトと言う名の結果のみ。
獲ってきてくれるはずだと信じている。
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