2019/03/17 -愛知・刈谷市あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/03/17 -愛知・刈谷市あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

 

【61.5kg契約8回戦】
力石 政法(緑) vs 岩原 慶(本多)

日本ライト級13位
力石 政法 5戦4勝(3KO)1敗 サウスポー

日本ライト級12位
岩原 慶 15戦10勝(5KO)5敗 サウスポー
 
 

1R、右ジャブの刺し合い。
緊張感高く距離を測り合う…ジワジワと前に出る岩原。
大きく振るった力石の右フックは空を切る…が、続いての左ストレートがオープニングヒット。
これは少し浅いか…、一旦また距離が空くと、今度は飛び込んできた岩原に対し
力石は強烈に左ストレートを合わせ、右アッパーで岩原の屈んだ上体を跳ね上げる。
ラウンド終盤には左ストレートを出しながら飛び込んで右アッパーを撃ち込んだ力石。

まずはしっかりとラウンドを先取。
岩原は入るタイミングがまだつかめないか。
 

2R、長い距離でフェイントを賭け合いながら、力石が左ストレートをボディに撃ち込む。
岩原も踏み込んで右フックを撃ち込み、ようやくしっかりとしたヒット。
かっちりと固定された距離が維持されながら、お互い手数の少ない駆け引き合戦。
岩原が踏み込む回数を増やすが、岩原のジャブの打ち終わりにワンツーを撃ち込み
飛び込めばボディで迎え撃つ力石。

ラウンド終盤には力石の方から左ストレートを撃ち込み、強烈に岩原を捉える。
岩原も距離が詰まったタイミングで、力石の右フックに合わせて左フックで力石を捉えるが…。
ゴングが鳴るのとほぼ同時、力石が岩原の踏み込みに合わせて左ストレートを突き刺しダウン先取。

岩原が立ち上がったところで、ラウンド終了。
 

3R、やはり長い距離からフェイントをかけあう両者。
一撃の強力なハードパンチャー同士…静かながら、ピンと張りつめたような緊張感。
岩原の踏み込みにボディを合わせる力石、強烈なジャブで岩原の画面を跳ね上げるシーンを見せ始める。
距離が詰まったタイミングでは岩原が力石のボディを襲う場面も。

ラウンド終了直前、力石が左ストレートから右ボディのダブルを撃ち込んで終了のゴング。
離れた距離から両者が接触する場面で、頭が当たるシーンが多いのが気にかかる。
…展開に影響がなければいいが。
 

4R序盤、岩原が攻め込んだところを力石がいなし、お互いにパンチを外し合ったところ。
これまでは、ひとしきりの攻防が終われば、一定の距離に戻っていた二人だったが、
半端な距離にとどまってジャブを出した岩原…そこを力石の左ストレートが一閃。
岩原がこの試合、二度目のダウン。

再開後、二度ほど強烈に左ストレートで捉えた力石だが、無理に攻め込むことはせず。
逆に岩原が詰めて出る…が、力石は岩原の左アッパーに左フックを合わせて、岩原の勢いを寸断。

また、見合う展開に戻った終盤、力石の左ストレートが岩原を捉える。
腰を落としかける岩原…さらに力石の左ストレートがもう一度襲う。
しかし、ここでラウンド終了のゴング。
長い距離から突然撃ち出される左ストレートに、岩原は反応できない。
 

5R、お互いにフェイントを賭け合いながら、力石のジャブと左ストレートが岩原を捉える。
駆け引き合戦は力石が制し続け…なかなか距離を詰めれない岩原。
詰めた場面では力石がクリンチで絡めとる。
岩原にとっては八方塞がりになりかけた展開…このラウンド中盤以降、強引に距離を詰め始める。
ラウンド終盤…お互いに右フックを相打ち。

ポイント的には力石がかなり離してリードしているだろうが…、
パンチのある選手は全てをなかったことにする可能性を両拳に秘める。
下がる力石を追いかけていく岩原…力石は下がりながらも右フックで岩原を強烈に捉える。
 

6R、ラウンド中盤、岩原が近い距離に入り込む。
岩原の左フックと力石の右フックが捉え合うが、リスクは取らずスッと距離を置く力石。
終盤、前への圧力を増した岩原…距離が詰まりかけるが、力石がジャブを強烈に刺して突き放す。
 

7R、残り6分、一気に前に出て来る岩原。
接近戦となるが、しっかりと守り、内側からシャープに捉える力石。
強烈な右アッパーを効かされ、岩原がクリンチに逃れる…。
以降、一旦距離が離れると、力石のジャブが岩原を捉えていく。

このラウンドもう一度詰めた岩原だったが…
力石の右アッパーが連続で岩原を襲い、またも岩原からクリンチに逃れる展開。
ラウンド終盤、ロングレンジからの力石の左ストレートが強烈に岩原を捉える。

近づいても…離れても…岩原にとっては苦しい展開。
 

8R、倒さなければ勝ちのない岩原…詰めたいところだが、力石のジャブがそれを阻む。
さらに軌道を変えて右フック、さらに右アッパーと、力石が多彩な右を魅せつける。
距離を詰めると、力石の右フックが襲い、さらにラウンド終盤には力石が左右フックで捉える。

試合終了直前、前に出てきた力石…強烈に襲われながら、
左アッパーを突き刺した岩原だったが、逆転を演出するような一撃にはならず。
終始、力石が圧倒したまま、試合終了のゴング。
 
 

マイジャッジ 80-70 力石
 

公式ジャッジ
80-71、80-71、80-70 力石
 
 

パンチのある選手は、最後まで逆転の可能性を持つ。
どれだけ突き放されようと、その両拳の希望は消えない。
しかし…その希望を、24分間に渡って遮り続けた力石。

もらわなかったとは言わないが、頭を跳ね上げられるシーンは皆無。
日本ランカー対決…10位以下の両者だが、
力石が、自分の立ち位置がここではないことをはっきりと示したように見えた。
勝利者インタビューでは、年内にベルトを…と発した力石。

選んでもらえるか…勝ち取るか…。
挑戦者争いは単純計算で12分の1だ。
この勝利でどこまでランキングが上がるか…。
駆け上がるなら、シビアな戦いが、少なくとももう一つは必要になるようにも感じる。

骨太なマッチメイクを進む力石。
どこまでアピールできるだろうか。
この試合では、しっかりと結果を出した。
 

力はある。

この才能にベルトをつかませることができるかどうか…。
一筋縄では行かない世界…名古屋の名門、緑ジムの挑戦ともなる。
 
 
 

二日連続となった中日本の興行が終わり、丸木兄弟のところへ顔を出す。
弟の丸木 凌介(天熊丸木)の快勝に、新会長丸木 和也(天熊丸木)が満面の笑みだ。

「これで連敗脱出」の言葉に、凌介が連敗していたことを思い出す。
後楽園ホールでの二度の日本タイトル戦、二つとも紙一重の試合だっただけに、株を挙げていた凌介。
東京で名前を売った凌介が帰って来る…。
こちらとしては、まるで凱旋のような気持ちだった。

しかし、本人にとってはあとわずか、ベルトに届かなかった”負け”が二つ。
こちらが浮かれている間、本人は苦しんだ一年だったんだろう。
見ている者と、リングに立つ者のギャップを思い知る。
 

会長の父が会長職を退き、兄の和也が現役のリングを降りて新会長に就任した天熊丸木ジム。
和也、凌介…そして父の丸木 孝雄
3人の物語が凌介に集約される。

これまでの丸木家には沢山の失敗の歴史がある。

父が起こした天熊丸木ジムは経済的な理由で一時期は消滅。
ちょうどその時期にプロの道へ足を踏み入れた凌介は薬師寺ジムからデビューしている。
兄の和也は現役中、計量超過を犯したこともある。

それでも、その失敗を経験しながら、丸木家のボクシングは続いてきた。

父は中部のジム所属選手として初めて世界挑戦を叶えた選手だった。
そして、中日本で最も優れたトレーナーとして、一番多く名前が上がる人物の一人。
丸木和也は好漢として知られ、彼の人柄を悪く言う人には出会ったことがない。
 

「失敗と書いてせいちょうと読む」とは、プロ野球で名匠として名を残した野村克也の言葉。
失敗を経てきた彼らだからこそ、新生天熊丸木ジムへの期待を大きく感じる。
 
 

新たなストーリーの1ページ目を多く見れたこの日の興行。
やはり…試合後の酒がうまかった。
 
 
 

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