2024/12/14 -愛知・名古屋国際会議場イベントホール- セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
[試合映像はこちら]
【スーパーフライ級8回戦】
神崎 靖浩(倉敷守安) vs 犬塚 音也(松田)
試合映像 [1:28:19 – 2:16:40]
犬塚が右ストレートで先制した立ち上がり。
ぐいぐいと詰めて手を出していく犬塚に、しっかりとガードしながら
長いパンチで遠ざけ、様子見にまわる。
ラウンド中盤には逆に神崎が詰めて、犬塚がまわる展開。
クリーンヒットは少ないが、手数では犬塚がはっきりと上回る。
2R、詰めてボディから強烈にたたいていく犬塚。
鋭くジャブを飛ばす神崎、お互いにディフェンスよく、
ガードで受け止める場面が多い…見た目以上にクリーンヒットが少ない。
ラウンド中盤、犬塚がコンビネーションで連続で捉える。
積極的に攻める分、ヒットも犬塚が上回るか。
3R、神崎のジャブにかぶせた犬塚の右が強烈にヒット。
変わらず神崎のジャブは鋭く、終盤にはカウンターでも捉える場面が目立ち始める。
単発になる神崎に対し、コンビネーションで撃ち込む犬塚。
印象はやはり犬塚か…ガードで防ぎきれないボディへの被弾も積み重なる。
4R、詰めていく犬塚にカウンターで捉える神崎。
犬塚が踏み込んだところで捉えた神崎の左フックで犬塚の体がズレる場面も。
しかし、ラウンド終盤には犬塚が右クロスが神崎をとらえ、神崎の足がバタつく。
5R、積極性を増した神崎。
犬塚が入ってくるところを次々と捉えていく。
しかし、犬塚のトライは止まず、ボディから顔面へコンビネーションでとらえる場面を作る。
入るまでを数多くとらえる神崎、入ってから連続で捉える犬塚。
6R、変わらずお互いガードは固く、ここまで来ても雑にはならない。
ほとんどの大砲はお互いのガードに吸収される。
左手勝負となっているようにも思える。
こうなるとシャープにとらえる神崎の印象がいいか。
7R、大きく足を使う神崎に対し、追いかけていく犬塚。
ガードの上からでも拳を叩きつけていく。
時折襲い掛かる神崎のカウンターに臆することなく、
さらに、神崎の左に右をかぶせる場面も何度も作る。
8R、出し切りにかかるように勢いを強めて攻めてかかる。
手数で後手に回る神崎だが、右ストレートを強烈にカウンターで突き刺す。
ラウンド中盤、ズバズバと神崎のカウンターが刺さる場面も訪れるが、
持ち前の打たれ強さでびくともしない犬塚。
最後は猛烈に撃ち合う中で試合終了。
マイジャッジ 78-74
公式ジャッジ
78-74×2
77-75
3-0 犬塚
正真正銘のランカーだった。
詰め続けた犬塚に対し、最後まで運動量を落とすことなく、
カウンターで強烈にとらえた神崎、ジャブも最後まで走り続けていた。
旺盛な手数に前半のポイントを奪われていった印象。
その実、きわどいラウンドも多く、取り方によっては
もう少し接近してもおかしくなかったように思う。
この相手を乗り越えたからこそ、犬塚のランキング獲得劇に価値が出たとも感じる。
攻撃パターンの豊富さ、うまさが目に付くが、
その実、戦う姿勢は泥臭く、襲い来るカウンターに立ち向かい続けた。
撃たれ強さに頼る部分が気になっていたが、
ここ数戦でディフェンスも向上、ラストラウンドは少し悪癖が出たか。
アゴは消耗品、長く戦っていくにあたっては大事にしてほしい。
本当の勝負所はまだまだ先にある選手だ。
ともあれ、この勝利でランキング獲得は明確。
引き分け敗者扱いで新人王トーナメントを脱落した犬塚が、
その時の相手、藤野 零大(カシミ)へ宣戦布告した。
「新人王で引き分けた相手、レオン選手と来年、日本ユースタイトル、やりたいです」
自己顕示欲の強い選手じゃない。
アマチュア時代から、後輩に先を越されることも多く、明確な結果を残せずに来た。
プロになっても武藤 涼太(松田)に全日本新人王、日本ユースと先を越された。
それでも粛々と自分のやるべきことをこなしていく。
客観的に自分の立ち位置を見れる選手でもある。
だからこそ、自信の誇示ではないし、おごりでもないはずだ。
ライバルとの決戦を、観戦者に喜んでもらいたい…そんな意思を感じる。
これで盛り上がらなきゃ何のためにファンをやっているのか…。
全身全霊、血沸き肉踊ろうと思っている。
神崎 靖浩 15戦10勝(2KO)4敗1分
犬塚 音也 10戦8勝(4KO)1敗1分
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