2025/04/06 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/04/06 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■2025年度中日本ミニマム級新人王準決勝
【ミニマム級4回戦】
大久保 颯(とよはし) vs 天野 博貴(名古屋大橋)


入り込むタイミングを測る天野、迎え撃つ大久保。
踏み込んでボディを叩く天野に、大久保は左で入りを叩く。
大久保の左ボディが強烈に入る中、天野はリードにかぶせるオーパーハンド気味のクロスを連発。


左をこまめについて作り直す大久保。
リードを狙う天野に対し、大久保はスイッチを繰り返すなどして対抗。
天野のタイミングのいい右フックが何度も襲うが
大久保は強烈にボディを襲って対抗していく。


しつこく詰めていく天野。
ハンドスピードでは大久保が上回るが、上半身をせわしなく動かして被弾を制限する天野。
ラウンド中盤以降、これまで以上に足を使う大久保に、天野は手を出す距離まで行けなくなるが
詰め続ける天野に大久保もかなり苦しそう。


ラスト、大久保も前に出て真っ向勝負。
天野の力のこもった右を浴びながら、猛烈にボディを削っていく。
天野も出し切りにかかる…ただがむしゃらにひたすらに、
これまで積み重ねてきたものをぶつけていく二人。

猛烈に撃ち合う中、試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-37 天野

39-37 天野
39-37 大久保
39-37 天野


2-1 勝者:天野


第1ラウンド終了後、思わず声が出た。
「天野が強くなってる!」

左にかぶせる右が当たる…それを徹底的に出していった天野。
迎え撃つ大久保が繰り出すボディに体を折りながらも前進していった。
明らかに力を増した天野、ただ、大久保もまた力を伸ばしていたからこその割れた判定。

見栄え良く刺さった大久保のボディをどれだけ重くとるかで採点は分かれたように思えた。
初戦ドローのリマッチはひとまず決着となったが、
ここから大久保が盛り返して立ち位置を揃える可能性もある。
人数の少ない階級…またこの先、3度目の対戦があってもいいと思える。

2人のライバル関係は崩れず、まずは天野に軍配といった印象。
天野は決勝で細川 弦汰(駿河)と対決する。

今回の右オーバーは大久保対策だったようにも見えた。
猛烈な手数を誇る細川にどんな対策を敷いてくるか。
名古屋大橋陣営のチーム戦にも期待したいところ。


大久保 颯 3戦1勝(1KO)1敗1分
天野 博貴 2戦1勝1分

 

■2025年度中日本スーパーバンタム級新人王準決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
佐治 大輝(タイガーウイング) vs 高橋 梨久(トコナメ)


きびきびとリズムを刻みながら鋭くワンツーを突き刺し、詰めていく高橋。
待ち受けながら、撃ち終わりに強烈に返す佐治だが高橋は止まらず。
距離が詰まっての攻防が増えていく。


2R、ジャブの数を増やし、入ってくる前を勝負所に置こうとする佐治。
潜り込んで強烈に捉える場面を突くる高橋だが、佐治が強烈な右アッパーを叩きこむと、
佐治が鋭く踏み込んでカウンターを獲る場面が増える。
ミドルレンジの公募が増え、お互いに危険な距離で捉え合う場面が増える。


3R、佐治が足を止め、高橋のファイトに応じる。
お互いに捉え合うも、回転では佐治が勝る。
ガードを固めてボディを叩きこむ高橋だが、
合間合間に佐治の高回転のコンビネーションが襲う。


4R、お互いに前に出ての撃ち合い。
がむしゃらな殴り合いの中でも、佐治の回転が勝っていく。
もらいながらも前に出続ける高橋の拳がその回転の合間にカウンターとなって刺さる。
派手に顔面を跳ね上げられても、佐治の回転は止まらず、
耐えながら撃ち返す高橋、両者の猛攻の中で試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-37 佐治

39-37 佐治
39-37 高橋
38-38 ドロー

1-1 ドロー

優勢点:高橋


応援合戦が響き渡る、激しい試合となった。
やはり、高橋の試合は盛り上がる、そして佐治の人気の高さ。
熱い熱い試合だった。

佐治からすれば、デビューからの2連続KO勝利の勢いをストップさせられた試合。
ただ、連勝よりも実のあるドロー劇だったのではないかと感じる。
少なくとも、この試合で佐治の存在を認知したり、その名を覚えて帰ったファンはいたはずだ。

決着は、高橋が新人王戦を終えてから…。
まだ続きが見たいと思えた試合。
叶うことなら、リマッチが成立してほしい。


勝ち上がったサウスポーのファイター高橋。
8月3日の決勝では、藤川 晃成(名古屋大橋)vs鈴木 蒼平(とよはし)の勝者と対戦予定。

藤川vs鈴木は「事実上の決勝」とも言われるカード。
勝ち上がってきた方を、高橋が猛烈なファイトで食い破るシナリオが一番面白いかもしれない。
この日の戦いぶりから、そう感じさせてくれた。


佐治 大輝 3戦2勝(2KO)1分
高橋 利久 6戦3勝2敗1分

 

【50㎏契約4回戦】
大城 琉一(尾張水野) vs 笹本 知哉(花形)


大城を中心に円を描くようにまわり、ボディを叩いていく笹本。
じっくりと観察しながら、大城が距離をとると、ぴったりと張り付くように追いかけて来る笹本。
中盤以降、ジャブで叩く大城だが、笹本のテンポは変わらず、淡々とボディを叩く。


2R、撃ち合いになれば大城がわずかに上回るか。
しかし、笹本は淡々と淡々とラウンドを通じて手を出してくる。
ボディを中心にヒットを奪う笹本。
止まらず、乱れず、丁寧に。


3R、ガードを固めて出始める大城。
強打で捉えるが、大城の手が止むと笹本の手が変わらぬペースで出てくる。
中盤、強烈なボディで捉えた大城が攻め込むものの、
後半、効かされたか大城がずるずると下がっていく。
ロープに詰められてラッシュを浴びる中、なんとかクリンチに逃れてラウンド終了のゴング。


4R、出し切りに出てくる笹本のペースが上がる。
なかなか手を返せない大城だが、ラウンド中盤以降、
逆転の意志がこもったような強打を振るう。
しかし、捉えても捉えても前に出てくる笹本。

最後まで笹本の手は止まず、試合終了のゴングを迎えた。


マイジャッジ 40-36 笹本


公式ジャッジ
40-36 笹本×2
39-37 大城


2-1 勝者:大城


大城 琉一 3戦3敗
笹本 知哉 4戦1勝2敗1分


終始丁寧に戦い続けた笹本が初勝利を挙げた。
見栄え良くボディを叩き、ラウンド中に山場を作り、しっかりとポイントを抑えていった。
3戦分の経験値を感じる戦いぶり。

これまでを見てきたわけではないが、落ち着いた立ち上がりから
やるべきことを遂行していく姿に、これまでの負けをこの日の勝利につなげたように見えた。
中日本であろうが、東日本であろうが、どちらも同じリング。
戦うボクサーが立ち向かうものは同じだ。


大城についた判定はジャブで稼いだヒットを獲ったか。
割れるということは、ジャッジ席に座る人員によって
大城の勝利もあり得た試合ということ。

ただ、この試合で大城初勝利はもったいないように思えた。
自分が見てきたこれまでの2試合、
熱い熱い感情をむき出しにしたような戦いぶりが印象的だった。
初勝利は大城らしい試合にとっておいてもらった方がいいように思う。

あくまで見る側の勝手な思い。
選手は純粋に勝利に向かえばいい。
迷い、考え、選び、誤り、やり直し、また挑み…
簡単じゃない、苦しくないわけがない。だからこそ。

まだまだ続いてく大城の戦いを見ていきたい。
大城、もう1回!!

 

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