ライト級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/11/11

ライト級日本王座連続防衛回数ランキング(記録関連) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2018/11/11
 
 
 

長いボクシングの歴史の中でも、オルズベク・ナザロフ(キルギス)ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)を含めて
日本からの世界王者は5人しか産まれていないライト級。

しかし近年、1階級下のスーパーフェザーまでは日本人王者が誕生する土台が出来上がって来てる。
ラスベガスを中心に周っている階級だが、商品価値さえ認められれば、
チャンスをつかむ選手は出てきておかしくない。
世界挑戦さえ叶えば、ベルトを巻く可能性を持つ有望選手が国内にくすぶっている状況でもある。

また、欧州にもチャンスはあり、最近は日本人ボクサーがロシアへ遠征することも出始めている。
「日本人が獲得できる階級」として次の標的となる階級。
昨今続く日本ボクシング黄金期が続いていくのか否か…ライト級が一つの要素になる可能性も高くある。

そんな今後のボクシングのキーとなりそうな国内ライト級の歴史を追う、日本王座連続防衛ランキング。
 
 
 

ライト級日本王座連続防衛回数トップ10
 
 

 

第1位 22度防衛 第46代日本ライト級王者

リック 吉村(石川)(2期目)

米国で2戦2敗の戦績を持つリック。
青森県三沢市の米軍三沢基地配属の空軍兵士として来日。
青森の八戸帝拳ジムより日本のリングに上がる。

2年強で日本スーパーライト級王座を獲得。
誰も崩せないと思わせるほどのハイクオリティなアウトボクシングで勝利を重ねた。

この王座は2度防衛後、ソ連のトップアマとして来日したスラフ・ヤノフスキー(協栄)に奪われる。
その後、配属基地が変わるのに合わせて東京の石川ジム所属となる。
移籍初戦から1年で日本ライト級を制して日本二階級制覇を達成。
初防衛戦で迎えたのは…坂本 博之(角海老宝石)

試合前から痛めていた肩でショルダーブロックをしたところで、肩を骨折。
この試合は当時国内ボクシングのスーパースターだった坂本の強打伝説の一つともなっている。

坂本を止められずに陥落したリック…肩にメスを入れ万全で復活すると…。
1年後には王座に返り咲き、そこから5年以上…22連続防衛を叶える。
この間、何度も世界挑戦のチャンスが訪れながら、恵まれない資金面の関係でそのチャンスは毎回流れていた。
米国籍の輸入ボクサーゆえに、世界挑戦の資金を工面できるほどのスポンサーが得られない。

ようやくチャンスを得られたリックは既に36歳となっていた。
畑山 隆則(横浜光)に挑んだ世界初挑戦では、「リックが勝っていた」と言うファンも多くいた内容でドロー。
途中受けた減点1が明暗を分けた。

その後、2敗を重ねて現役を引退。
引退後、米軍を退職し、リック吉村ジムを開設。
長年、プロ非加盟のジムを経営していたが、今年に入り、
クラウドファンディングでプロ加盟金の300万円を募る。

現役当時、リックの応援の際に響いた「レッツゴー!リック!」の声とともに資金集めは成功。
リングを降りたリックは、また新たな挑戦に踏み出している。
 
 

第2位 19度防衛 第4代日本ライト級王者

秋山 政司(極東)

戦後のリングで戦った名ボクサー。
戦績には諸説あるが、最初の王座獲得時は既に66戦目。
既にウェルター級とライト級で1度ずつ日本王座に挑戦した後だった。
その後はノンタイトル戦での5敗とOBF東洋ライト級王座戦での3敗を挟みながらではあるものの
5年以上に渡って日本王座を守り続け、当時の日本記録である19連続防衛を叶えている。
この間の戦績は44戦33勝8敗3分。

途中、日本ウェルター級王座にも挑んで引分け、のちの世界王者であるフラッシュ・エロルデ(比)を撃破。
OBF東洋ライト級王座を2度獲得するなど、日本王座防衛ロードもそれ以外の試合も熾烈な戦いを行った。

引退後はボクシング記者として活躍し、1980年9月、急性リンパ性白血病のため56歳で没。

達成当時歴代最高記録だった19連続防衛は、その後40年間破られず、
長年アンタッチャブルレコードとされた大記録だった。
 
 

第3位 9度防衛 第34代日本ライト級王者

大友 厳(大川)
 

日本王座を5度防衛していたシャイアン 山本(国際)を破って日本ライト級王座を獲得。
2年間という短いスパンで9度防衛を積み上げた後、
五代 登(トーア・ファイティング)に王座をさらわれた。
日本三階級目の王座に挑んできた五代は、大友に対しては自分のボクシングを捨て、
距離を潰したインファイトで攻略。
名王者同士の対決で、記録を止められている。
 

大友は再起戦で、OPBF東洋太平洋ライト級王座に挑んで見事に王座を奪取。
この王座は5度防衛し、いよいよ世界ランキング3位まで上り詰める。

ここで、現実的に世界挑戦を叶えるために戦ったのが、ポール・ナサリ(豪)。
のちに世界を獲るオーストラリアの強豪に完敗。

次戦ではソ連からやってきた元トップアマの最強挑戦者、オルズベク・ナザロフ(協栄)の挑戦を受ける。
世界挑戦が難しいこの階級で、立ち消えかけた望みを繋ぐには、より強い相手に勝つ必要があった。
しかし…ナザロフものちに世界を獲る男。
この試合にも敗北し、王座を明け渡したそのリングで引退を表明してリングを去った。

世界4階級制覇を叶える世界の名王者、パーネル・ウィテカー(米)を指し
「ウィテカーのコンピュータを狂わす」と宣言…
世界を目指して少ないチャンスを得ようともがいた日本の名王者だった。
 
 

 
 

第4位 7度防衛 第57代日本ライト級王者 加藤 善孝(角海老宝石)
第5位 5度防衛 第11代日本ライト級王者 石川 圭一(新和)
第5位 5度防衛 第17代日本ライト級王者 高山 将孝(ピストン堀口)
第5位 5度防衛 第33代日本ライト級王者 シャイアン 山本(国際)(2期目)
第5位 5度防衛 第49代日本ライト級王者 嶋田 雄大(ヨネクラ)
第9位 4度防衛 第12代日本ライト級王者 小坂 照男(帝拳)
第9位 4度防衛 第15代日本ライト級王者 染谷 彰久(野口)
第9位 4度防衛 第26代日本ライト級王者 バトルホーク 風間(奈良池田)
 
 
 

トップテンに名を連ねる11名のうち、世界挑戦を叶えられたのはわずかに5名。
挑戦することさえ難しいことを感じさせる。

加藤 善孝以降、5人の日本王者が登場したが、短命政権が続いている。
長期政権王者はどこかの時代に固まることなく、おおよそ10年に一人の割合で出現。

次の長期政権王者は誰になるのか…それとも…
ライト級の世界挑戦ルートのハードルが下がれば、
長期政権王者登場のスパンはさらに長くなる可能性もある。

時代の変わり目の真っただ中にある階級と思われるだけに…この階級の動向は読みづらい。
ライト級の牙城を崩せる時代が訪れるのか…そのハードルは未だ、とてつもなく高い。
 
 

※記録は2018/11/11時点
 
 

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