2018/4/28 -泉大津市TEXPIA OSAKA- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
また遠征を行ってきたので少しだけ報告がてら・・・番外編を。
4/28 中川 抹茶(角海老宝石)vs入口 裕貴(エスペランサS)を目当てに
大阪行きの計画を立てていた・・・。
というより、降って沸いた話。
大阪までABCジャパンの興行を一緒に見に行ったファンから、
この日のチケットを譲ってもらっていた。
それがたまたまこのカード。
中村 祐斗(市野)の日本ユース王座挑戦を阻んだ中川 抹茶(当時:武田 航)と、水野 拓哉(松田)に
大善戦の末、内容では勝っていたと思える試合で日本ユース王座を逃した入口。
中日本のファンとして、主人公のライバル達が拳を交えるような試合。
これは、絶対に見たいカード!!!
そんな思いでそのチケットを受け取り、この日を楽しみに待つ。
しかし、前日に届いたのは・・・入口、計量超過の報。
僕の手元にあったのは入口ファンから、友人のファンを介して渡ってきたもの。
応援している選手が計量超過を犯す・・・
当然、応援している身からすれば信じきっているし、晴天の霹靂となる。
他のファンに自分の愛する選手がボロクソに言われ、
でも・・・これまでの道のりを知っているから、嫌いにはなれない。
ファンが選手にしてやれることなんて限られている。
一緒に喜び、一緒に落ち込み・・・僕自身は、そうする以外に答えを持っていない。
選手と一緒にファンも苦しむ。
だからこそ、失態を犯した選手はもう一度やり直してほしいと思う。
どれだけ非難されようが、一緒に苦しむファンのためにも。
そういったファンは、どれだけ周りに非難する人々がいても、変わらず一緒にいてくれるはずだ。
翌日、電車に乗り込み大阪に向かう。
・・・その最中SNSで情報を漁るうちにあることに気付く。
神戸の興行が17:00スタート・・・。
大阪は15:00スタート・・・すべては見れないかもしれないが、
運がよければ数試合は見ることができるかもしれない。
慌てて情報を集め、電車の工程や時間を確かめる・・・。
「イケる!」
せっかく大阪まで行くのなら・・・このチャンス・・・逃してなるものか。
よっぽどのことがない限りの梯子観戦決行を心に決める。
大阪駅でJRから私鉄に乗り換え南大津駅へ・・・。
駅からわずか数分で目的の泉大津市TEXPIA OSAKAへ到着。
不慣れな場所におどおどしながら会場に滑り込む。
譲ってもらった席を確認すると・・・リング真正面。
リングサイドの特等席。
しかし・・・ここであることに気付く。
ここは・・・入口選手を応援する人達がたくさんやって来る席ではないだろうか。
この日・・・僕はついうっかり角海老Tシャツを着てきてしまった。
青木 クリスチャーノ(角海老宝石)にもらったもので、それ以来愛用している代物。
上に羽織っているので見えはしないものの・・・
なかなかの気まずさに最初はいつもの立ち見観戦・・・。
※左側が勝者
【フライ級4回戦】
森 青葉(泉北) ○4R判定 2-0(38-38、39-38、39-38) 下谷 凌一(ヨシヤマ)
サウスポーの森に対し、いきなりの右をヒットしていった下谷。
1Rこそおとなしかったが、2R以降、森のカウンターも要所で炸裂する。
特に2R後半のフックの連打で下村を捉えていったシーンはこの試合の山場だった。
この森の攻勢で下谷がカット、さらに3Rには鼻血を噴出し鮮血に染まる。
その後も効かせあうように大砲を交し合った二人だったが、
単発で終わってしまった下谷と、その後が続いた森。
クロスゲームの結果はマジョリティデシジョンで森に軍配。
下谷の血染めの抵抗にはグッと来た。
■西日本新人王戦
【スーパーバンタム級4回戦】
原 優奈(渥美) 3RTKO 三浦 勇弥(ハラダ)
村田 諒太(帝拳)のようにガードを固めてプレスをかけていく三浦。
対して、足を使って距離を測る原・・・。
2Rに入り、距離をつかんだ原がジャブで突き刺していくと・・・三浦は距離が遠くなかなかパンチが届かない。
3Rに三浦が強引に入ろうとしたところを、原が切って落とすような右フックでダウンを奪う。
立ち上がった三浦だったが、明らかに足に来ているところを原がとどめの右ストレートで2度目のダウン。
原・・・なかなか強い。
中日本で言うところの加賀 聖也(タキザワ)に近い選手とも思える。
西日本新人王準決勝では武田 誠人(倉敷守安)とぶつかる。
前に前に出てくる武田との対戦は、どちらに転ぶのか・・・
正反対のタイプの激突はまず間違いなく面白くなるだろう。
三浦は相性的に悪い相手だったようにも思える。
力を発揮できないまま終わってしまったように見えた。
こういった選手・・・相手が変われば、激烈的な試合をする姿も想像できる。
中村 龍明(市野)のような選手との対戦が見てみたい。
【女子アトム級4回戦】
吉良 優輝(フュチュール) 中止 白方 愛花(泉北)
この試合は白方の棄権による中止。
吉良の2Rのスパーリングが実施された。
【スーパーバンタム級8回戦】
此村 勇(堺東ミツキ) 4RTKO ナティートーン・サイトーンジム(タイ)
なかなか噛み合わなかった二人の対決。
序盤、ディフェンスのうまさを見せた此村だったが、ダメージを与えるには至らず。
3Rあたりから此村がボディで切り崩し、強引に押しつぶすように攻めていき、
4Rには此村のアタックを防ぎきれずにナティートーンが2度ダウンのTKO。
此村の印象は巧い選手。
現在OPBFにランクされる五十嵐 嵩視(トコナメ)との対戦が脳裏によぎる。
きっとテクニカルな部分が引き出され、両者の魅力が存分に楽しめる試合になると感じる。
【ミニマム級8回戦】
冨田 大樹(堺東ミツキ) 1RKO ポンパットレック・シットサイトーン(タイ)
ポンパットレック、ディフェンスも悪くはなく、力強く危険なパンチを振ってくる。
しかし、冷静に対処して腹を強烈に効かせていく冨田。
ラウンド終了間際、狙い済ましたような右ストレートを顔面に叩き込み、3分ちょうどのKO勝利。
一昨年の西軍代表決定戦で水谷 流(トコナメ)を破り、全日本新人王にまで駆け上った冨田。
日本ランカーとして遜色なく、タイトルに絡んでもおかしくない選手に思える。
群雄割拠のミニマム級だが・・・近い将来、日本のトップランカーとしてその名を全国区にするのではないだろうか。
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途中、元WBOアジア太平洋スーパーフェザー級王者の野上 真司(堺東ミツキ)と
現WBC女子世界フライ級暫定王者の好川 菜々(堺東ミツキ)、
日本史上初のチャンピオン夫婦に対して表彰式や、
エスペランサジムの橋本 隆志会長の入口計量超過に対する謝罪もあった興行。
そしてもうひとつ、出番を失った中川 抹茶と、兄の中川 麦茶(角海老宝石)の公開スパー。
公式戦では絶対見られない日本のトップランカーと、日本ユース王者の兄弟対決。
1Rこそ弟に攻めさせた兄だったが、2R中盤以降は力の差を見せ付ける。
コンビネーションも弟のそれに比べて力感が違う。
2R終了前、コーナーに詰まる中で状況を打開しようとする抹茶の目は真剣そのもの・・・。
これを見れただけでも、この興行に来た価値は充分にあったように思う。
抹茶のように強い選手がいて・・・それよりさらに強い選手がいる。
日本王座・・・その頂はどれほど高いのか。
さらにその先の世界王座・・・気が遠くなってしまいそうだ。
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【フェザー級】
河村 真吾(堺東ミツキ) 2RTKO サックダーノーイ・シットサイトーン(タイ)
危険なパンチを思い切り振って来るサックダーノーイに対して
危なげなく出入りしながら内側から捕らえていった河村。
この選手もランカーとしてふさわしいその実力を誇示して2RTKO勝利。
このまま行けば、近い将来の日本王座挑戦も見えてくるだろう。
現王者の源 大輝(ワタナベ)とはスピード差を感じてしまうが・・・
トップランカー級のテイル 渥美(渥美)を破った男である。
王座を手にする可能性は充分に秘めている。
試合の終了を見届けて会場を飛び出す・・・。
ちょうど17:00。
神戸での戦いが幕を開けたころ。
何試合見れるだろうか。
いざ・・・神戸へ・・・。
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