2018/4/1 -刈谷あいおいホール- 1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/4/1 -刈谷あいおいホール- 1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

■中日本ライトフライ級新人王準々決勝
【ライトフライ級4回戦】
マンモス 和則(薬師寺) vs 十河 正人(MSG平石)
 

・マンモス 和則 5戦4勝(4KO)1敗
・十河 正人 5戦1勝3敗1分
 
 

前日、対抗ブロックで太田 アレックス(西遠)が中日本ライトフライ級新人王決勝進出を決めた。
この試合に勝った方が、太田とぶつかることとなる。
わずか4か月前、太田にKO負け寸前に追い込まれながら、大逆転のTKO勝利を飾ったマンモス。
本人の口から…「もう一度アレックスとやりたい」という言葉が出ていた。

ゴング開始とともに両者攻め込むかと思ったが…
十河がじわっと距離を詰め…オープニングヒットは十河の右ストレートと
マンモスの強烈な右フックの相撃ち。
そのままマンモスが狂暴に襲い掛かる。

一撃で試合を決めるマンモスの強打。
それを何度も浴び続けながら細かく返そうとする十河だが…
効かされて上半身と下半身がちぐはぐになり、力のこもったパンチは出せない。

そのまま一方的に強烈なパンチを浴び続け、最後は押しつぶされるようにダウン。
レフリーは即座に試合をストップ。
 
 

TKOタイムは2分ちょうど。
 

あまりにも狂暴で圧倒的なマンモス。
しかし…何人もが一撃で試合を決められてきた強打を、ただひたすらに耐えた十河。
戦慄を覚えるほどに残酷な120秒…。

十河の勝ち筋は、思い切り振るマンモスのスタミナ切れからの後半勝負しかなかったように思える。
ひたすたに耐え抜き、最後まで勝利にすがったその姿は、
いつもひたすらに手数を出し続け、全力で勝ちに行く「頑張るボクシング」の十河そのもの。

十河らしく…また、リングの上で精一杯を見せつけてリングに沈んだ。
これで6試合して1勝…。
弱いボクサー…しかし、その背中は魅力に溢れている。
 

そしてそんな十河を、完璧に撃ち砕いたマンモス。
2年連続の中日本新人王へ堂々の決勝進出を決めた。
あとは怪我などで、期待のリマッチが流れないことを願う限り。
 

試合後、家族のもとを訪れたマンモス。
今回もまた、色々説明してくれたが…いや、だから俺素人だから…。
試合後の興奮と喜びをそのまま素直に見せてくれるマンモス。
彼の試合では、この感じが恒例になっていきそう。

ボクサーと話すのは苦手な自分だけど…面白いし、楽しい。
愛される存在だと思う。
 
 

 

■中日本バンタム級新人王準決勝
【バンタム級4回戦】
桐林 迅児(HEIWA) vs 青柳 冴亮(浜松堀内)

・桐林 迅児 5戦2勝(1KO)3敗
・青柳 冴亮 デビュー戦

この試合は桐林が怪我で棄権。
デビュー戦の青柳が決勝進出を決めた。

たった一つの負けで脱落する新人王。
称号を手に入れられるかそうでないかはその後のロードが一変する。
地方で新人王の肩書を手に入れられなければ、その後はまさに茨のロードと化す。
その茨の道を進む選手の面白さもあるのだが…。

トーナメントでは不戦勝の幸運も必要…運なしにチャンピオンになった選手はいないだろう。

今年の中日本新人王の注目でもある、浜松堀内ジムの5人のデビュー戦の選手達。
まだ脱落者は出ていない。
 

桐林…輝きを取り戻しつつある桐林が、ここでの棄権はとにもかくにも残念。
しかし…桐林の存在が輝けば、中日本のボクシングが厚みを増す…重要な存在になると思っている。
しっかり怪我を治して、次に備えて欲しい。
 
 

 

■中日本フェザー級新人王準々決勝
【フェザー級4回戦】
佐藤 康平(薬師寺) vs 高田 雅人(とよはし)

・佐藤 康平 3戦1勝(1KO)2敗
・高田 雅人 デビュー戦
 
 

1Rから、体で押し込んでいく佐藤…密着戦となる。
いきなり佐藤が自身の土俵のケンカボクシングに引きずり込んだ形。
至近距離のもみ合いのような展開の中、思うように戦えない高田だが
時折うまく腕を折りたたんで、強烈なフックを浴びせる。
 

2Rが始まると、足を使ってジャブを着き始める佐藤。
追いかけていく高田…ミドルレンジでの戦いとなった中盤。
佐藤のストレートが高田の顔面を跳ね上げ始める。
 

3Rは1Rと同じく密着戦となる。
体で押し込みたい佐藤だが、うまく腕を折りたたんだ高田の右フックにさらされる。
しかしロープ際まで押し込めば、ロープに押し付けて作った距離に右ストレートを滑り込ませる佐藤。

決して技術的に目を見張るような試合ではないが、ボクシングの原点ともいえる殴り合いとなる。
綺麗ではなが、押し合いながらお互いがただただ殴り合う。
 

4R、体で押し込みながら、距離ができると右ストレートを撃ち込む佐藤。
腕を折りたたんでフックを撃ち込む高田。
強烈に相手を捉えるパンチはお互いに1種類…それをただただぶつけ合う。

押し合いの中で消耗した高田は、バランスを失いながらパンチを出していく。
大きく振りすぎて反撃を受けるも、それでも必死に腕を振り続ける。

試合はそのまま終了のゴング。
 
 

マイジャッジ 38-38 ドロー。
優勢点は高田。
 

割れる要素も充分にある試合…果たして。
 
 

39-38 佐藤
38-38 ドロー
38-38 ドロー
 

1-0のドロー…
優勢点は…
 
 
 

一人目が佐藤。

この時点で佐藤がトーナメント上の勝者扱いとなり、勝ち抜けが決定。
中野 元気(トコナメ)と対戦する準決勝進出を決めた。
 
 

ケンカボクシングという言葉を聞くと、僕は佐藤の顔が頭に浮かぶ。
普通は下手糞なボクシングを悪く言うときに使う言葉だが…
僕の中での佐藤の「ケンカボクシング」は…負けん気の殴り合いを指す。
技術もへったくれもない、ボクシングの究極の原点が殴り合い。

僕は次の佐藤の対戦相手の中野を優勝候補に挙げているが…。
それは大化けに期待してのもの…まだその域に達していない中野であれば、チャンスは充分にある。
 

高田はデビュー戦、佐藤の形となった時間が長かった。
引きずり込まれたという表現が適切なのかどうか…
高田自身も密着戦を好む可能性もあり、実はなんともいえないところも多い。

「佐藤の形」で進んだように見えた試合だったが、その土俵でドローまで持ち込んだ。
高田の形…が見てみたい。
今後の試合も注視して行こうと思っている。
 
 

 
 

【カテゴリ別】
2018年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る
 
 

【日付別】
【記事一覧】2018年4月に戻る

【記事一覧】2018年に戻る

【記事一覧】に戻る
 
 

 
 

各選手の戦績はこちら。
ボクシング選手名鑑
 
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました