朝の4時に目を覚ます。
静岡の興行へのワクワクからの早起き。
歯を磨き、顔を洗い、既にテンションが上がり始める。
出発の準備を整えながらTwitterに目を落とすと、夜中と早朝の狭間の時間に
なぜかタイムラインがとても賑やか。
不思議に思いよくよく見てみると…
井上 尚弥(大橋) vs エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)
…今日だったか!
静岡で頭がいっぱいで完全に忘れ去ってしまっていたビッグマッチ。
慌てて見ようとするが…あたふたしているうちに試合終了。
せっかく上がりきったテンションが一気に落ちる。
まぁ…静岡までの旅路は長い。
移動中に今日の試合に思いを馳せるうち…きっとまた、興奮が高まっていくだろう。
気を取り直して準備を整える。
リュックの中に詰め込んだWINが重たい。
少しだけボクシング選手名鑑の更新作業を行い、8時を迎えて家を出る。
バスから地下鉄に乗り換え、名古屋駅からこだまに乗る。
三河安城…豊橋…浜松…掛川…静岡…決戦の地が近づいていく。
新富士でこだまを下車し、駅を出るとすぐに目に飛び込んでくる壮大な富士山。
雲がかかって半分以上が見えない。
確か昨年もそうだったか。
澄んだ空気に一年ぶりの新富士を実感する。
5分程歩いて、開場となるふじ・サンメッセに到着。
出店が並び、軽快な音楽が流れる会場前。
開場1時間前、かなり賑やかだ。
自治体のお祭りの中に、ボクシング興行があるような感覚。
ちょうどお昼時、飲食の出店を吟味して、付近の芝生の上で昼食をとる。
奥の方に作られたステージではダンスバトルが行われている。
優勝者は興行の合間に、リング上で踊れるらしい。
顔見知り数人に挨拶し、WINを受け取ってもらった後、
前日東京にボクシング観戦に向かっていた友人と合流。
しばらく談笑した後、東日本で活躍する稲元 純平(熊谷コサカ)と少しお話をさせてもらう。
この日は同ジムの選手が二人出場。
その応援に埼玉から駆け付けていた。
女子ボクサーを母に持つ少年は、屈託のない笑顔で対応してくれた。
ここに書いていいことなのかどうかよくわからず、割愛するが、僕はこの少年を心底尊敬している。
ボクサーとして以前に、人間としてこの少年のようでありたいと思わされたことがある。
緊張しまくりの中の挨拶を交わす。
この日、自由席は完売したらしい。
入り口には列ができあがっている。
席が確保できるか微妙なため、自分もその列に並ぶことに。
開場とともに中に滑り込む。
目の前にはヤノ・ジョン(駿河男児)。
三重での快勝劇が記憶に新しい。
声をかけたい思いを抑えて、急いで中へ…自由席を確保できるか…。
自由席の数自体が少なく、わずかに一つだけ空いている席を見つけてそこに座る。
ギリギリだった…。
ほっと一安心でパンフレットに目を落としながら試合開始を待っていると、
後ろから激しい太鼓の音が鳴り始める。
駿河男児興行はボクシングの試合の合間に様々なイベントを差し込む。
この日も、試合開始前に和太鼓の演奏。
「ボクシング興行には余分なものはいらない」
そんなふうに言うファンもいるが、いろんなイベントと複合することは新規ファン層の開拓につながる。
事実この日も、ボクシング興行とは思えない程ファミリー層が多く、
指定席に空きはあるものの、自由席は完全に埋まり、立ち見客がかなり多くいた。
ボクシング村とも言われてしまう狭い狭いボクシング。
新たなファンを呼び込むのにそれが必要なのであれば
内情を知るマニア側が、我慢してもいいと感じる。
それがやがてファイトマネーにつながり、選手が競技に集中する環境につながり
より強い選手を産み出すことに繋がっていく。
マニアの要求も、最終的に満たされることになる。
…というより、思い切り乗っかって楽しんでしまうマインドでいいと思う。
これから試合が行われる会場中に響き渡る和太鼓の空気の振動は、
あとわずかな時間で始まる男たちの殴り合いを煽り立てるような雰囲気を作って行く。
…かと思えば、ラウンドガールはかわいらしい少女たち。
試合の合間にはダンスバトル、カラオケバトル優勝者がその腕前を披露する。
リングの上はがっつり真剣勝負!
様々なものが詰め込まれた駿河男児興行。
他では体験できない楽しんだもの勝ちのボクシング興行だ。
さて、ここでいつもの
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
そして、TVで観戦するのとは違い、1つの角度しか見れず、スロー再生もない。
レフリーで隠れたタイミングでパンチが入っても気付けないし、かなり離れた自由席での観戦。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識したうえで、読み進めていただきたい。
和太鼓で高まった空気の中、第一試合の選手が入場する。
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