2022/03/20 -愛知・刈谷あいおいホール- 第5試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【54.5Kg契約4回戦】
芝山 定佳(名古屋大橋) vs 山田 俊(中日)
芝山 定佳 デビュー戦
山田 俊 1戦1分
ボクシング経験1年10か月の芝山が、山田のプレスにさらされながらも
ワンツーを軸に足を使い、プロのリングで通用することをしっかりと証明する。
しかし、ズイズイと前進する圧力を増す、ファイター山田。
次第に押し込む場面が増える中、右ストレートを炸裂させる。
意識を飛ばされた瞬間、腕をロープに絡めてダウンを拒否した芝山だったが、
山田がそこに連打をまとめてTKOを呼び込んだ。
ファイターが相手を崩すお手本のような展開で山田がTKO勝利。
しっかり叩いたボディーも有効だったと感じる。
しつこいファイターを嫌がる選手も多い。
今後、様々な選手を苦しめる姿が想像できた。
対して芝山だが、もちろんグレードやレベルは全然違う。
ただし、その負けたくない、倒れたくないの心が選んだ行動は
フェルナンド・モンティエル(メキシコ)戦で見せた、
名世界王者、長谷川 穂積(真正)の選択と同じだった。
結果としてはマイナスとして出たが、あの場面、
負けを拒否したあの心を、間違いだったとは思わないで欲しい。
きっと強くなる。今後に注目したい。
坂井 涼 デビュー戦
森川 祐輝 4戦1勝1敗2分
同級生対決。
お互いに若い時期からボクシングを始めた二人。
UJでの対戦経験もあり、その際にも坂井が勝利を収めていた。
ハイスピードの森川に対し、まったくスピード負けすることの無かった坂井。
しっかり頭を動かしている森川だが、その顔面を的確に坂井の右が捉える。
強烈なボディもしっかりと印象付けて、坂井が3-0の勝利。
群雄割拠の中日本軽量級。
また新たな強豪選手が登場したように感じる。
戦績五分ではあるものの、有望選手たちとしのぎを削っていた森川にデビュー戦で勝利。
今年の中日本新人王戦はエントリー一名の獲得で各地の新人王達との戦いに繰り出すが
そこに挑むに充分な実力は示したように感じる。
また、森川に関しては、後半の失速癖は完全に解消されたようにも感じる。
強烈なボディに耐え、さらに緊張感の高い駆け引きの中でそのペースを落とすことはなかった。
スピード、柔らかさ、他の選手より秀でた部分をいくつも持つ選手。
あとはどうラウンドを獲っていくか…。
勝ちパターンが産まれれば、快進撃の時期を迎える予感も漂っている。
【54.5Kg契約6回戦】
冨田 風弥(TRIBE SHIZUOKA) vs 安西 蓮(名古屋大橋)
冨田 風弥 10戦7勝(2KO)3敗
安西 蓮 10戦5勝(2KO)4敗1分
長身サウスポーの冨田に対し、プレスをかけながら
相手が入って来るところを迎え撃った安西。
前半を優位に進めるが、冨田が出入りして長いパンチを突き刺し始めると展開は互角に。
お互いに強烈な一撃を浴びせ合う白熱した展開へと発展したが
効いた素振りを見せることなく、スリリングな拳の交換が最後まで。
後半、冨田が前に出ていくと、二人の殴り合いは激化。
安西も譲ることなく、最終ラウンドを制して捲り上げを阻止。
荒々しく、穴もあるがそれ以上の怖さがある。
そんな安西の印象が変わった試合。
岡崎ジムで土台を築き、名古屋大橋ジムでさらなる飛躍を遂げようとする安西。
想像以上のところへ届くかもしれない…B級初勝利はそんな予感も感じさせた。
全日本新人王の冠を持つ冨田にとっては、肩書的には格下に敗れた試合。
しかし、悲壮感は全く感じない。
木村 天汰郎(駿河男児)にほとんど触れないまま敗れ去った冨田がどうなったのか。
必ず強くなって戻ってくる。
そう信じるに値するキャリアを歩いて来た選手。
ここを契機にさらなる躍進を期待したい。
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