2022/03/20 -愛知・刈谷あいおいホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【スーパーウェルター級8回戦】
能嶋 宏弥(薬師寺) vs 畑上 昌輝(長崎ハヤシダ)
能嶋 宏弥 9戦8勝(4KO)1敗 日本ウェルター級13位
畑上 昌輝 10戦6勝(2KO)3敗1分
能嶋が勝った。
それも強い強い勝ち方をした。
何度も何度も仕掛けようとした畑上、その切先を左で止め続けた能嶋。
畑上も距離の工夫で能嶋の右ストレートをほとんど撃たせず、能嶋の最大の武器は封じた。
しかし、時折スリリングなパンチはヒットさせるものの連打には繋げられず。
試合を通じて、能嶋の左が畑上を捉え続ける。
判定結果通りの大差があった試合。
ただし、決して簡単にその作業を完遂させたわけではない。
絶望的にも見える展開の中、トライしては左を刺された畑上…。
それを捌き切った能嶋の背中はロープにこすれ、真っ赤に擦り剝けていた。
一撃効けば、畑上は一気にまとめに来ただろう。
その瞬間が訪れるとすれば、たったの一瞬。
それを狙い続ける相手に対し、8Rの24分間の中でそのシーンを防ぎ切り、
尚且つ、自分の左を当て続けた能嶋。
能嶋が強かった。
2020年新人王組の中で、最もタイトル挑戦に近い男とも言われる能嶋。
この勝利で、挑戦資格のあるランキング12位以内は濃厚。
ただし、ランカーとチャンピオンの間には大きな差があるもの。
これから、より熾烈な戦いに挑むことが予想される。
それにふさわしい資格は示されたと感じる。
対して、畑上だが…。
この選手が後楽園ホールのリングに上がるところが見たいと感じた。
実力がどうとかスタイルがどうとかではない。
ただ単純に似合うと思うからだ。
東京で戦えば名が挙がる。
地方ボクシングにゾッコンの身からすれば少し悔しいが
それはこれだけ動画が発達した今現在も事実だ。
地方から後楽園ホールの強豪に戦いを挑み、
無名からアップセットを巻き起こし、その名を国内ファンに認知させる。
何人もの記憶に残る地方ボクサーがそういった戦いを演じて来た。
畑上はその一員となる可能性を持つ選手。
香り立つその空気感は、後楽園ホールの青コーナーできっと映える。
何より、畑上のたゆまぬアタックを後楽園ホールのファンたちに肉眼で見て欲しい。
強く強く、そう思わせてくれた。
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